いたずらはため息と共に

常森 楽

文字の大きさ
433 / 595
7.向

432.期待

しおりを挟む
今日はミモザのワンピースを着ている。
学校から帰って服を着替えると、彼女の顔がパッと明るくなった。
「初めてデートした日に着てたやつ!可愛い!」
千陽の言う通り、永那ちゃんは白系統の服が好きらしく、思いっきり抱きしめられた。
もしかしたら、今日、こんなにも優しくされているのは、服を汚さないようにとか…そんな配慮があるのかもしれない、なんて…。
いつだって彼女は気遣ってくれているのだろうけど、なんだか今日はいつも以上に丁寧で、それが嬉しくて、それだけで体が疼く。

スカートを片手で捲られ、太ももを撫でられる。
自然と膝を立ててしまい、気づいた時には戻せなくなっていた。
彼女が心底嬉しそうに口角を上げたから。
舐めるのをやめて、上半身を起こした彼女の瞳は弧を描き、「ハァ」と深く熱い息を吐き出す。
「エロ…」
その一言に、唾を飲む。
「濡れちゃわないように、脱いじゃおっか」
そう言われて、スルスルとワンピースを脱がされる。
「今日は最高の日だね。…今日も、かな?」
夏に、浴衣を買った時に新調した赤い下着姿。
「え、永那ちゃん…?」
「ん?」
「永那ちゃんは、下着も白色が良かったりするの…?」
「特に何が好きとかはないよ。でも…赤色は穂によく似合う」
「そ、そうかな…?」
「うん。綺麗だよ」
そう言いながら、彼女は胸を寄せ、谷間に顔をうずめた。
「ハァ」と息がかかる。
日が暮れてきて、部屋の中はもう暗い。
なのに、自分の肌は鮮明に見える気がして、目を閉じた。

「なんか、今日は妖精みたいだね」
「妖精?」
「まつ毛が透明に見える」
「あぁ…千陽がね、前にピンク色のマスカラをつけてくれたの。それが、良かったから…自分でも、買ってみて…」
私は学校にメイクはして行かないのだけれど、春休みだから…と、少し冒険してみた。
「ピンク色なんだ?」
「うん」
「可愛い。似合ってる」
「あり、がとう…」
永那ちゃんはいつも褒めてくれるけど、こういう時に褒めるのはずるい…。
ドキドキして、どうしたらいいのか、わからない。
「ああ、好き。大好き」
「私も、大好きだよ」
「どうしよう?」
「な、なにが?」
「好きすぎて、ホントに食べちゃいたい」
「いい、よ…?」
「穂!」
彼女が勢いよく起き上がる。
「そうじゃないんだよ!」
「え?な、なに…?」
「そうじゃないんだよ…」
彼女がガックリと項垂れる。
全然理解できなくて、ただ彼女の言葉を待つ。
「今すぐどっかに連れ去りたいくらい好き」
その意味を少し考えてみて、私も口を開く。
「私も、永那ちゃんのこと、大好きだよ?」
「違うんだって!」
「え!?」
「あぁ~、もうダメだ…」
倒れ込むようにうつ伏せになって、彼女が私の上に乗る。
どういう状況なんだろう…?

「乱暴にしたい」
「え?」
「でも大事にしたい」
とりあえず彼女を抱きしめる。
「どうすればいいの…?」
「よ、よくわからないけど…痛いのは、嫌かな…」
「痛くなんてしたくない!」
「う、うん…。よかった」
「穂…大好きだよ…」
「私も永那ちゃん、大好きだよ」
「可愛い穂…」
くびれを撫でられる。
彼女が起き上がるから、抱きしめていた腕を解く。
口づけされて、すぐに舌が絡む。
落ち着き始めていた感情が、たったそれだけで再燃する。
彼女の手が背中とベッドのすき間に入り込んでくるから、背中を浮かせた。
すぐにブラの締め付けがなくなり、彼女が私の肌を撫でる。
乳房を包みこまれ、ゆっくり動き出す。
「気持ちいい…」
「寒くない?」
「大丈夫…」
フフッと彼女が笑う。
彼女の手が動く度に、ブラも揺れる。
彼女の膝が両足の間に移動し、付け根に押し当てられた。
「んっ」
今日は、なんだか、本当にゆっくりだ。
時間が遅く感じる。
“乱暴にしたい”と言っていたのが嘘のよう。
「可愛い」
見下ろされ、目が合い、下腹部が疼き、彼女の膝がそこに当たる。
「ぁっ」
でも、それ以上の刺激が与えられない。

「永那ちゃんっ」
「ん?」
「さわって?」
「さわってるよ」
下唇を噛む。
「もっと…」
「もっと?」
「気持ちよくなりたい…」
「可愛いなあ」
彼女は深呼吸して、舌で唇を舐めた。
艶然としながらも、私の希望を叶えてくれる気配はない。
チラリと時計を見る。
「え、永那ちゃん…」
「ん?」
ドクドクと心臓がうるさい。
「わ、私…イきたい…」
「うん」
“うん”とは言うけれど、やっぱり彼女の動きに変化はない。
しっとりと優しく触れられるのは嫌いじゃないけど、この日をずっと、待ちわびていたのに…。
…嫌いじゃない?
あ~…!もう!意地悪!
昨日“嫌いじゃない”って言ったのは、ただの照れ隠しなのに…!
「た、誉に…」
彼女が左眉を上げる。
「誉に、ゲームセンター代だって渡したんだよ!」
永那ちゃんはキョトンとして、肩を揺らして吹き出すように笑い始める。
「なにそれっ」
抱きしめられる。
もう…嫌…。
「永那ちゃんの意地悪」
「ごめんね」
「やだ」
「好きだよ、穂」
「好きなら…意地悪しないで」
「え~。こんな可愛いの見れるなら、いっぱいしたくなる」
「嫌」
「じゃあ、お詫びにいっぱい気持ち良くするね」
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

処理中です...