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9.移ろい
496.新学年
「とにかく、申し訳ないけど…一応、私受験生だからさ?あんまりひそかちゃん達に構ってられないんだ。ごめんね」
そう言うけど、ひそかちゃんにはあんまり伝わっていなさそうだった。
なんなんだろう…この、全く伝わってない感じ。
少し、お母さんが駄々をこねる時の感じに似ていて、嫌だ。
それから1週間、毎日ひそかちゃん達は私達と一緒にお昼を食べた。
私達がいつも通り食べていると、必ず彼女達が後から現れて、隣に座る。
教室の位置的に、1年生の方が食堂に近いはずなのに、だ。
さすがの優里も気まずそうにし始め、千陽に至っては2人のことを見もしなくなった。
杏奈ちゃんは申し訳なさそうにするけど、申し訳なさそうにするだけで、ひそかちゃんを止める気はあまりないように見えた。
変わらないのは穂だけだ。
桜は千陽の変化にビビってるし。
「ねえ」
千陽が不満を含めながら言う。
そのたった一言で、私は言いたいことが理解出来て、頷く。
「食堂行くの、やめようか」
ホッとしたように、千陽がふぅっと息を吐く。
「どうして?」
穂が純粋無垢に聞く。
「正直、私はひそかちゃんと杏奈ちゃんとお昼一緒に食べたくない。いつもの5人で食べたいよ」
「あたしも」
「わ、私も~」
気まずそうに優里が手を上げる。
「“一緒に食べたくない”ってほどじゃないけど、やっぱり後輩がいると気を張っちゃうっていうか…」
へへへと笑って「ごめんね」と呟いた。
優里の頭をわしわし撫で回すと「やめろ~」と逃げられた。
桜は私達の顔を見回して、小さく頷いた。
「そっか。みんながそう思うなら、別の場所で食べよっか」
「穂は…それで良かった?」
「うん、大丈夫だよ」
「2人と気まずくなったりしない?…結局、ひそかちゃんも生徒会入ったんでしょ?」
「2人と一緒に食べようって約束してるわけじゃないんだし、どうして気まずくなるの?私は全然平気だよ?」
ああ、穂が穂で良かった。
“やめよう”と提案する前に、まずは穂に聞くべきだったのかもしれない。
穂が2人と1番関わりを持つことになるのだから。
でも、穂が“嫌だ”と言うところが想像できなくて…。
さらに言えば、私達は例え穂に“嫌”と言われたところで、もっと嫌で…つい、強制するみたいな言い方をしてしまった。
なのに、穂はそのことも気にせず、“全然平気”と言ってのける。
私が穂の立場だったら、多少は気まずく思うだろうな…。
ちょっと2人にフォローなんか入れちゃったりして。
なのに、この人ときたら、本当にあっけらかんとしてるんだから…かっこいい。
「大好きだ~!穂~!」
席に座ったままの穂を抱きしめる。
優里が私と穂をまとめて抱きしめ、ちょこんと千陽がくっついた。
優里が桜を手招きして、むぎゅむぎゅと5人で抱きしめ合う。
教室だとクラスメイトに話しかけられる。
そうすると、いつの間にか穂が浮いてしまう。
だから教室を避けて、私が購買に行くついでに食堂で食べ始めたんだけど…。
「どっか良い場所あるかな?」
「バド部は更衣室で食べてる子がいたけど…練習したいからって話だったしなあ…」
「体育館使わないのに更衣室で食べるのはちょっと微妙だね」
「校庭は…今の時期はいいけど、夏になったら暑すぎるし、雨の日とかも無理だよね」
優里と2人で頭を捻る。
中学の時は、人の少ない場所をしょっちゅう探していたから、すぐに思い浮かんだだろうけど、高校入ってそういうのをしなくなったから困る。
「屋上のドアの前、とかは…どうですか?…アニメなんかでは、よくそこで食べてたりするのを見るのですが…」
桜が提案してくれる。
「行ってみるか!…私、急いでパン買ってくるわ!先行ってて!」
みんなが頷くから、私は走り出す。
とりあえず、2人に見つかんないようにしないと…。
って…なんで私達がこんな、隠れるような真似しなきゃいけないんだ?
そもそも、3年生が集団でお昼食べてるのに、平気な顔して入ってこれる2人はおかしいよな。
昔から仲良かったとかならわかるけど、杏奈ちゃんは初対面だし、ひそかちゃんだって私以外は初対面なわけで…。
もしかしたら千陽にも会っていたかもしれないけど、千陽だってひそかちゃんを覚えていなかったんだから、関わりがあったとは言えないだろう。
購買でパンを買い終え、階段を上っていると、スマホが振動した。
『先客がいました…』
優里からだった。
『体育館に行ってみることにしたよ』
『了解!』
踵を返して、体育館に向かう。
私の方が早く着くかな?
体育館に着くと、バド部やバスケ部らしき人達が数人いた。
ステージの上で食べるか…?
それなら邪魔にならなさそうだ。
とりあえず体育館の中に入ってみる。
見回して、2階があることに気づく。
小走りで体育館を横断して、更衣室横にある階段を上ってみる。
「おぉ…ここなら食べられそう」
呟くと、優里の声が聞こえてきた。
「おーい!みんなー!」
手を振ると、穂と優里が振り返してくれる。
優里はバド部の子とお喋りをし始めて、その間に3人が階段を上ってきた。
そう言うけど、ひそかちゃんにはあんまり伝わっていなさそうだった。
なんなんだろう…この、全く伝わってない感じ。
少し、お母さんが駄々をこねる時の感じに似ていて、嫌だ。
それから1週間、毎日ひそかちゃん達は私達と一緒にお昼を食べた。
私達がいつも通り食べていると、必ず彼女達が後から現れて、隣に座る。
教室の位置的に、1年生の方が食堂に近いはずなのに、だ。
さすがの優里も気まずそうにし始め、千陽に至っては2人のことを見もしなくなった。
杏奈ちゃんは申し訳なさそうにするけど、申し訳なさそうにするだけで、ひそかちゃんを止める気はあまりないように見えた。
変わらないのは穂だけだ。
桜は千陽の変化にビビってるし。
「ねえ」
千陽が不満を含めながら言う。
そのたった一言で、私は言いたいことが理解出来て、頷く。
「食堂行くの、やめようか」
ホッとしたように、千陽がふぅっと息を吐く。
「どうして?」
穂が純粋無垢に聞く。
「正直、私はひそかちゃんと杏奈ちゃんとお昼一緒に食べたくない。いつもの5人で食べたいよ」
「あたしも」
「わ、私も~」
気まずそうに優里が手を上げる。
「“一緒に食べたくない”ってほどじゃないけど、やっぱり後輩がいると気を張っちゃうっていうか…」
へへへと笑って「ごめんね」と呟いた。
優里の頭をわしわし撫で回すと「やめろ~」と逃げられた。
桜は私達の顔を見回して、小さく頷いた。
「そっか。みんながそう思うなら、別の場所で食べよっか」
「穂は…それで良かった?」
「うん、大丈夫だよ」
「2人と気まずくなったりしない?…結局、ひそかちゃんも生徒会入ったんでしょ?」
「2人と一緒に食べようって約束してるわけじゃないんだし、どうして気まずくなるの?私は全然平気だよ?」
ああ、穂が穂で良かった。
“やめよう”と提案する前に、まずは穂に聞くべきだったのかもしれない。
穂が2人と1番関わりを持つことになるのだから。
でも、穂が“嫌だ”と言うところが想像できなくて…。
さらに言えば、私達は例え穂に“嫌”と言われたところで、もっと嫌で…つい、強制するみたいな言い方をしてしまった。
なのに、穂はそのことも気にせず、“全然平気”と言ってのける。
私が穂の立場だったら、多少は気まずく思うだろうな…。
ちょっと2人にフォローなんか入れちゃったりして。
なのに、この人ときたら、本当にあっけらかんとしてるんだから…かっこいい。
「大好きだ~!穂~!」
席に座ったままの穂を抱きしめる。
優里が私と穂をまとめて抱きしめ、ちょこんと千陽がくっついた。
優里が桜を手招きして、むぎゅむぎゅと5人で抱きしめ合う。
教室だとクラスメイトに話しかけられる。
そうすると、いつの間にか穂が浮いてしまう。
だから教室を避けて、私が購買に行くついでに食堂で食べ始めたんだけど…。
「どっか良い場所あるかな?」
「バド部は更衣室で食べてる子がいたけど…練習したいからって話だったしなあ…」
「体育館使わないのに更衣室で食べるのはちょっと微妙だね」
「校庭は…今の時期はいいけど、夏になったら暑すぎるし、雨の日とかも無理だよね」
優里と2人で頭を捻る。
中学の時は、人の少ない場所をしょっちゅう探していたから、すぐに思い浮かんだだろうけど、高校入ってそういうのをしなくなったから困る。
「屋上のドアの前、とかは…どうですか?…アニメなんかでは、よくそこで食べてたりするのを見るのですが…」
桜が提案してくれる。
「行ってみるか!…私、急いでパン買ってくるわ!先行ってて!」
みんなが頷くから、私は走り出す。
とりあえず、2人に見つかんないようにしないと…。
って…なんで私達がこんな、隠れるような真似しなきゃいけないんだ?
そもそも、3年生が集団でお昼食べてるのに、平気な顔して入ってこれる2人はおかしいよな。
昔から仲良かったとかならわかるけど、杏奈ちゃんは初対面だし、ひそかちゃんだって私以外は初対面なわけで…。
もしかしたら千陽にも会っていたかもしれないけど、千陽だってひそかちゃんを覚えていなかったんだから、関わりがあったとは言えないだろう。
購買でパンを買い終え、階段を上っていると、スマホが振動した。
『先客がいました…』
優里からだった。
『体育館に行ってみることにしたよ』
『了解!』
踵を返して、体育館に向かう。
私の方が早く着くかな?
体育館に着くと、バド部やバスケ部らしき人達が数人いた。
ステージの上で食べるか…?
それなら邪魔にならなさそうだ。
とりあえず体育館の中に入ってみる。
見回して、2階があることに気づく。
小走りで体育館を横断して、更衣室横にある階段を上ってみる。
「おぉ…ここなら食べられそう」
呟くと、優里の声が聞こえてきた。
「おーい!みんなー!」
手を振ると、穂と優里が振り返してくれる。
優里はバド部の子とお喋りをし始めて、その間に3人が階段を上ってきた。
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