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第一章・悪役令嬢。2

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 いや……レイヴァン様の気持ちが分からなくなった。
 皇族として私との婚約を進めてきたレイヴァン様だが、最近アカデミーで生活をする時は、聖女のレイナ様と一緒に居る事が増えていた。
 レイナ様はある時、突然姿を現した転生者。人を癒したり、治癒出来る特別な能力を持っているため聖皇庁が聖女として引き取られた。
 美しい黒い髪のストレートロングヘアに少し垂れた大きな目。色白で華奢な身体。守ってあげたくなるような可愛さを持った絶世の美女。
 その能力は、人々を癒し魅了するには十分だった。そのため、多くの民や貴族達は、彼女を崇拝するように。それは皇族も例外ではなかった。
 私は金髪碧眼だが少し目つきが鋭く、背も百六十八センチぐらいある長身のため、彼女とは正反対。性格もレイナ様みたいに明るく天真爛漫ではない。
 しかし問題なのが、何故かレイナ様は私を悪者扱いする。
 先日も「エルザ様が私を突き飛ばして池に落とした」とレイヴァン様に泣きついてきた。私には身に覚えもない事だ。
 しかし、レイナ様は確かに制服まで濡れていた。そのせいかレイヴァン様は、私に酷く責め立てた。そして……三年生の現在では。
「エルザ」
 声のする方を振り向くとバチンッと、廊下に大きく響くような音でレイヴァン様に平手打ちをされた。
 私は驚いてそのまま尻餅をついてしまう。ど、どうして……?
 驚く私にレイヴァン様は、鋭い目つきで私を睨みつけてきた。
「貴様。私の婚約者として恥ずかしくないのか?」
「な、何の事でしょうか……?」
「とぼけるな。貴様がレイナにした事だ。よくもレイナを階段から突き落とそうとしたな!?」
 突き落とす……? 何の事だろうか?
 何故、私が彼女を階段から突き落とさないとならないの?
「それは……どういう意味ですか?」
 私は、意味が分からずに、聞き返そうとしたらレイナ様が覆い被さるようにレイヴァン様に後ろから抱きついてきた。しかも泣きながら
「おやめください、レイヴァン様。私が悪いのです。婚約者が居ると分かっているのに、レイヴァン様と親しげにしているから、きっと嫉妬してあんな事を。
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