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博愛主義!ヤンデレンジャー!!
常盤鶯という女性(1)
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---見つけた、私の王子様---
「もしまた私が蘇芳さんに責められてしまった時は、今日みたいに助けてくださいませんか?」
「まぁ、俺にできる事なら」
こんなに嬉しい言葉、二十年間生きていて他になかった。初めて感じる幸福感、それは妄想ではなく確かに存在する愛。私、常盤鶯はその日やっと出会えた王子様と無事夫婦になることが出来ました。
「・・・うふふ、ありがとうございます。私、幸せになりますね」
正義のヒーローという一見明るく憧れの世界で、私は虐げられつつも孤独な戦いをつづけていました。世間の期待という名の重圧や決してその姿を明かしてはいけないという緊張感、命がけの現場に駆け付け颯爽と市民の命を救う。私の行動が一つ間違えば多くの命が失われてしまうという責任、それらすべてを小さな身体で背負いながらも世界の平和のために戦っていたのです。
敵は決してシャドウだけではなかった、同じ隊員である蘇芳さん、石竹さん、朽葉さんはヒーローという強すぎる力に溺れた哀れな少女たちでした。その力を私利私欲のために使い、人々を助けている自分は特別な存在だと奢り高ぶっていた。
そんなの、本来あるべき正義のヒーローの姿じゃない。確かに私達には他の人にはない力があるかもしれない、でもそれは私たちが特権階級を持つというわけではないのです。人間はみな個性がある、頭がいい、足が速い、手先が器用、それと同じで私たちはたまたまヒーローとしての適性があっただけ。それなのに、愛の力という尊いものを自分の為に使うだなんて、そんなの子供達が憧れるヒーローじゃない。
私は何度も説得をした。でも、あの子たちは聞く耳を持たず。いつしか私は隊員からいじめを受けるようになったのです。悔しい事にフィランスレッドの愛の力は私よりも何倍も大きなエネルギーを生み出せる。本来の身体能力の高さに加えて普段から衣服の中にヒーロースーツを着込む高い戦闘意欲、きっとヒーローになる前から喧嘩馴れしている方なのでしょう、暴力を振るうことに抵抗のない人間に無力な私が叶う可能性はわずかにもない。
他の二人のヒーローも蘇芳さんに同調して私を見下し、虐げ、馬鹿にする。正直死にたかった、私の身体には仲間にやられた傷とシャドウにやられた傷でズタズタでした。竜胆博士は中立を装っていますが隊内最強であるフィランスレッドの機嫌を損ねるのを恐れて見て見ぬふりをしていました。
それでも、私はヒーローだから、私はいくら傷ついたって構わない、それで多くの人が助かるのだから。私はいつか私を見つけてくれる素敵な殿方に思いをはせて戦いの日々を送っていた。
「何があったのかは知らないですけど、こうして謝っているわけですし。茜さんも許してあげたらどうですか」
そんな私に、あの日、白馬に乗った王子様が現れた。いつものように蘇芳さんにいじめられる私の前に颯爽と現れ、理由も聞かずに私を守ってくれた。まるで物語に出てくる王子様のようなその人は、優しくて、思いやりがある、素敵な人だった。
フィランスレッドという恐ろしい相手に怯えつつも屈することなく、可哀そうな私を庇ってくれた。私は直ぐに気付きました、この人は悲劇の中心にいる私を助けるためにやってきてくれた、私の、私だけの王子様だって。
いえ、もう夫婦なのだから旦那様、のほうが正しいですね。直接的な言葉なんて交わさなくてもわかります、私たちはあの日お互いの目を見た瞬間に恋に落ち、相手が運命の相手だと気付いた。
「空さん・・・素敵な名前」
そして私たちは夫婦になった。今まではまだ見ぬあなたへの想いで戦っていましたが、これからは貴女への熱い愛、家族愛で地球を救います。シャドウによる災害は後を絶たないし、相変わらず蘇芳さんたちは私を目の敵にしてくるけど、それでも空さんとの愛の力があれば私は頑張れる。どんなに傷ついても、苦しいことがあっても、夫婦が力を合わせればきっと戦い続けられる。
愛するあなたのためなら私はどんな痛みも受け入れることができる、そう思っております。
「もしまた私が蘇芳さんに責められてしまった時は、今日みたいに助けてくださいませんか?」
「まぁ、俺にできる事なら」
こんなに嬉しい言葉、二十年間生きていて他になかった。初めて感じる幸福感、それは妄想ではなく確かに存在する愛。私、常盤鶯はその日やっと出会えた王子様と無事夫婦になることが出来ました。
「・・・うふふ、ありがとうございます。私、幸せになりますね」
正義のヒーローという一見明るく憧れの世界で、私は虐げられつつも孤独な戦いをつづけていました。世間の期待という名の重圧や決してその姿を明かしてはいけないという緊張感、命がけの現場に駆け付け颯爽と市民の命を救う。私の行動が一つ間違えば多くの命が失われてしまうという責任、それらすべてを小さな身体で背負いながらも世界の平和のために戦っていたのです。
敵は決してシャドウだけではなかった、同じ隊員である蘇芳さん、石竹さん、朽葉さんはヒーローという強すぎる力に溺れた哀れな少女たちでした。その力を私利私欲のために使い、人々を助けている自分は特別な存在だと奢り高ぶっていた。
そんなの、本来あるべき正義のヒーローの姿じゃない。確かに私達には他の人にはない力があるかもしれない、でもそれは私たちが特権階級を持つというわけではないのです。人間はみな個性がある、頭がいい、足が速い、手先が器用、それと同じで私たちはたまたまヒーローとしての適性があっただけ。それなのに、愛の力という尊いものを自分の為に使うだなんて、そんなの子供達が憧れるヒーローじゃない。
私は何度も説得をした。でも、あの子たちは聞く耳を持たず。いつしか私は隊員からいじめを受けるようになったのです。悔しい事にフィランスレッドの愛の力は私よりも何倍も大きなエネルギーを生み出せる。本来の身体能力の高さに加えて普段から衣服の中にヒーロースーツを着込む高い戦闘意欲、きっとヒーローになる前から喧嘩馴れしている方なのでしょう、暴力を振るうことに抵抗のない人間に無力な私が叶う可能性はわずかにもない。
他の二人のヒーローも蘇芳さんに同調して私を見下し、虐げ、馬鹿にする。正直死にたかった、私の身体には仲間にやられた傷とシャドウにやられた傷でズタズタでした。竜胆博士は中立を装っていますが隊内最強であるフィランスレッドの機嫌を損ねるのを恐れて見て見ぬふりをしていました。
それでも、私はヒーローだから、私はいくら傷ついたって構わない、それで多くの人が助かるのだから。私はいつか私を見つけてくれる素敵な殿方に思いをはせて戦いの日々を送っていた。
「何があったのかは知らないですけど、こうして謝っているわけですし。茜さんも許してあげたらどうですか」
そんな私に、あの日、白馬に乗った王子様が現れた。いつものように蘇芳さんにいじめられる私の前に颯爽と現れ、理由も聞かずに私を守ってくれた。まるで物語に出てくる王子様のようなその人は、優しくて、思いやりがある、素敵な人だった。
フィランスレッドという恐ろしい相手に怯えつつも屈することなく、可哀そうな私を庇ってくれた。私は直ぐに気付きました、この人は悲劇の中心にいる私を助けるためにやってきてくれた、私の、私だけの王子様だって。
いえ、もう夫婦なのだから旦那様、のほうが正しいですね。直接的な言葉なんて交わさなくてもわかります、私たちはあの日お互いの目を見た瞬間に恋に落ち、相手が運命の相手だと気付いた。
「空さん・・・素敵な名前」
そして私たちは夫婦になった。今まではまだ見ぬあなたへの想いで戦っていましたが、これからは貴女への熱い愛、家族愛で地球を救います。シャドウによる災害は後を絶たないし、相変わらず蘇芳さんたちは私を目の敵にしてくるけど、それでも空さんとの愛の力があれば私は頑張れる。どんなに傷ついても、苦しいことがあっても、夫婦が力を合わせればきっと戦い続けられる。
愛するあなたのためなら私はどんな痛みも受け入れることができる、そう思っております。
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