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第19話 シルシ
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「つ、疲れたーーーー!!!! 」
村人全員の病を治したあたしは、全身が重たくてベッドに倒れこんだ。今日はキールが部屋を貸してくれたのでそこに泊まることにしたのだ。
「我が下僕ならそのぐらい当たり前だ」
いけしゃあしゃあと答えるルティをあたしはきっと睨み付ける。
「じゃあルティがやってよね」
「……それでは意味がない。貴様の魂に我を刻み込まなければいけないのだから」
「何それどういう……」
そのとき、彼にグッと体を引き寄せられた。
唐突過ぎる行動にあたしは思わず、えっと小さく声をあげる。
「そんなことより、貴様も魔力が切れたのではないか? 」
「あっ……確かに」
自分のステータスを見ようと目をつぶると、確かに使える魔法がなくなっていた。どうやらルティから貰った魔力を使い果たしたようだ。
「じゃあ分かってるな? 」
ちょっと待って、と言葉を発する前に彼の唇に口を塞がれた。ちゅっちゅっという水音が部屋に響き渡る。
「んあ……ちょ……んっ」
言葉にならない言葉を発しながらあたしは必死に身をくねらせる。彼のいいなりになってはいけない、そんな感情があたしの身を貫く。
ルティの手があたしの頭から徐々に下に降りていくのが分かる。そして彼の手があたしの鎖骨辺りに触れる。
すると、唐突に唇が離された。
呼吸が出来るようになったあたしは必死に空気を吸い続ける。このままじゃ窒息してしまうわ、という批判がましい目でルティを見てみるが、彼に伝わっているだろうか。
「そういえば聖女にはシルシ、とやらが必要らしいな」
「みたいね」
「ふむ、なぜそんなものが必要なのか我には分からんな」
「さぁ……まあ目印なんじゃないの? これはあたしの所有物ですよーっていう」
神様の考えてることなんてあたしに分からないけどね!
しかしその途端にルティの表情が変わった。まるで怒っているような、拗ねているような、そんな表情だ。
「ルティ……? どしたの」
「気に入らんな」
「え? 」
すると再びルティがあたしに口づける。さっきより乱暴で激しい。まるで口内を隅々まで探られているようなそんなキスだった。
意識が飛びそうになるのを必死に堪える。なんで? あたし何か変なこと言った? そんなことを考えているが、頭がぼおっとしてしまい何も考えられない。
ルティはあたしの唇から離れると、今度はあたしの首筋に噛みついた。
「いたっ」
あたしは思わず身をそらすが、ルティはそれを許さない。
「貴様は我の所有物だ。アレイスなどに渡すのは気に入らん」
「な、なに嫉妬してんの」
ルティからの返事はない。
しかし少しだけ細められた目を見て、彼の言いたいことが分かった気がした。
「……そんなにシルシとやらが欲しいのならつけてやる」
「へ? 」
そういえばさっき噛まれた首筋が痛い。
近くの鏡に写してみると、そこには赤い痣が浮かび上がっていた。よく見ると何かのシンボルを表しているらしい。あたしには桜のように見える。
「これキスマークじゃん」
「不満か? 」
「別に……でもキールくんに見られたら……」
今さらルティに何を言っても無駄だ、そんな思いから呟いたのだが、ルティは意外にもぴくりと眉を動かした。
「キール? 」
「あのエルフの男の子だよ」
「ふむ、なぜシルシをキールとやらに見られたら困るのだ? 」
「別に良いでしょ。ルティには関係な……」
そのとき、また強引に唇を奪われる。
手足を壁に押し付けられ、さっきとは違う。
全てを奪われるような強引な口づけに、あたしは何が起こったのか分からずにただ必死に快楽に抗っていた。
村人全員の病を治したあたしは、全身が重たくてベッドに倒れこんだ。今日はキールが部屋を貸してくれたのでそこに泊まることにしたのだ。
「我が下僕ならそのぐらい当たり前だ」
いけしゃあしゃあと答えるルティをあたしはきっと睨み付ける。
「じゃあルティがやってよね」
「……それでは意味がない。貴様の魂に我を刻み込まなければいけないのだから」
「何それどういう……」
そのとき、彼にグッと体を引き寄せられた。
唐突過ぎる行動にあたしは思わず、えっと小さく声をあげる。
「そんなことより、貴様も魔力が切れたのではないか? 」
「あっ……確かに」
自分のステータスを見ようと目をつぶると、確かに使える魔法がなくなっていた。どうやらルティから貰った魔力を使い果たしたようだ。
「じゃあ分かってるな? 」
ちょっと待って、と言葉を発する前に彼の唇に口を塞がれた。ちゅっちゅっという水音が部屋に響き渡る。
「んあ……ちょ……んっ」
言葉にならない言葉を発しながらあたしは必死に身をくねらせる。彼のいいなりになってはいけない、そんな感情があたしの身を貫く。
ルティの手があたしの頭から徐々に下に降りていくのが分かる。そして彼の手があたしの鎖骨辺りに触れる。
すると、唐突に唇が離された。
呼吸が出来るようになったあたしは必死に空気を吸い続ける。このままじゃ窒息してしまうわ、という批判がましい目でルティを見てみるが、彼に伝わっているだろうか。
「そういえば聖女にはシルシ、とやらが必要らしいな」
「みたいね」
「ふむ、なぜそんなものが必要なのか我には分からんな」
「さぁ……まあ目印なんじゃないの? これはあたしの所有物ですよーっていう」
神様の考えてることなんてあたしに分からないけどね!
しかしその途端にルティの表情が変わった。まるで怒っているような、拗ねているような、そんな表情だ。
「ルティ……? どしたの」
「気に入らんな」
「え? 」
すると再びルティがあたしに口づける。さっきより乱暴で激しい。まるで口内を隅々まで探られているようなそんなキスだった。
意識が飛びそうになるのを必死に堪える。なんで? あたし何か変なこと言った? そんなことを考えているが、頭がぼおっとしてしまい何も考えられない。
ルティはあたしの唇から離れると、今度はあたしの首筋に噛みついた。
「いたっ」
あたしは思わず身をそらすが、ルティはそれを許さない。
「貴様は我の所有物だ。アレイスなどに渡すのは気に入らん」
「な、なに嫉妬してんの」
ルティからの返事はない。
しかし少しだけ細められた目を見て、彼の言いたいことが分かった気がした。
「……そんなにシルシとやらが欲しいのならつけてやる」
「へ? 」
そういえばさっき噛まれた首筋が痛い。
近くの鏡に写してみると、そこには赤い痣が浮かび上がっていた。よく見ると何かのシンボルを表しているらしい。あたしには桜のように見える。
「これキスマークじゃん」
「不満か? 」
「別に……でもキールくんに見られたら……」
今さらルティに何を言っても無駄だ、そんな思いから呟いたのだが、ルティは意外にもぴくりと眉を動かした。
「キール? 」
「あのエルフの男の子だよ」
「ふむ、なぜシルシをキールとやらに見られたら困るのだ? 」
「別に良いでしょ。ルティには関係な……」
そのとき、また強引に唇を奪われる。
手足を壁に押し付けられ、さっきとは違う。
全てを奪われるような強引な口づけに、あたしは何が起こったのか分からずにただ必死に快楽に抗っていた。
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