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第九話 もやもやの答え
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自室のふかふかの羽毛布団に顔を埋めながら、私は色々なことを考えてしまいました。
何だか胸がチクチクして、無性に頭に血が昇ります。これは一体何なのでしょう? 私は病にかかってしまったのでしょうか。
シャルロットさん、可愛かったなぁ。アルベルトとも仲が良さそうでしたし、長い付き合いなのでしょう。
私なんて出会ってまだ数ヶ月しか経っていないのです。
すると、コンコンと扉をノックする音が響きました。私が力なくはいと返事をすると、失礼するわという言葉と共に誰かが入ってきました。
「シャ、シャルロットさん!?」
アルベルトかカイウスだと思っていたのですが、そこに立っていたのはシャルロットさんでした。私は慌てて姿勢を正し、座り直します。
「ふーん、ここが夫婦の寝室ね」
「い、いえ。ここは私だけの部屋です」
するとシャルロットさんはぽかーんと大きく口を開け、目を丸くします。
「え、あなたたち一応夫婦でしょ? なんで一緒に寝ないのよ」
「アルベルトの希望で……」
いや違います、私を気遣ってアルベルトはそうしてくれたのです。それを見抜いてかシャルロットさんは目を細めました。
「あなたさぁ、ほんとにアルのこと好きなの? ちょっと小耳に挟んだんだけど好きな人間がいたそうじゃない」
ロディア様……。確かにロディア様はお慕い申し上げていましたが、こんな胸のトゲトゲを感じたことはありませんでした。
「分からない……分からないのです。誰かを好きになるって何ですか? アルベルトには感謝はしています。殺されそうになった私を助けてくれたし寝食まで面倒をみてくれています」
「それってただの感謝と後ろめたさでしょ? 助けて貰った恩があるから結婚も断れなかったし、今もこうしてごっこ遊びを続けているのよ」
シャルロットさんはきっと睨みこう言い放ちました。
「そんなのは愛でも恋でもない。あなたはアルのことなんてこれっぽっちも愛していない。ただ守ってくれる人が欲しくてここにいるだけよ」
ガツンと頭を殴られた気がしました。私はアルベルトの感情につけこんで甘えていた……?
「悔しいけどアルはあんたのことが好きみたい。でもね、その愛情につけこんで卑怯だと思わない? 別にここを出ていけなんて言わない。でも彼の妻を名乗るのはもうやめて」
あたしが言いたかったのはそれだけ。と言い残してシャルロットさんは足早に去っていきました。残された私は魂が抜けたみたいに呆然とするばかりでした。
好き? 愛? 一体それは何なのでしょう? 自分の気持ちが自分で分からなくなりました。
アルベルトは好きです。優しくて頼りになって、凛とした素敵な男性です。でも私は? 彼に何かしてあげられてるでしょうか?
夫婦というのはお互い支えあって生きていくのですよ。遥か昔、小さい頃にお母様にこんなことを言われたことがあります。
支え合う……今の私はアルベルトに寄り掛かってるだけ、彼を支えたことがあるでしょうか?
ロディア様への好きと、アルベルトへの好きは何かが違います。けれど、私にはその何かが分からないのです。
「イブマリー!」
ドタバタと血相変えて部屋に入ってきたのはアルベルトでした。
入ってすぐに彼は深々と私に頭を下げます。
「本当に申し訳ない! シャルが何か失礼なことを言ったみたいで……。あいつはただの幼馴染で、恋愛感情を抱いたことなんてない。我が愛しているのはお前だけだ」
アルベルトの言葉に嘘偽りはないような気がします。しかし私は彼の愛に甘えて、弄んでいるのでは? そんな考えが浮かんでいます。
「……シャルロットさんはアルベルトを本気で愛しているように思えます。でも私は……貴方を彼女のように愛しているのか……自信がありません」
アルベルトが一瞬ひきつったような顔をしましたが、すぐに私と目線を合わせるようにしゃがみこみました。
「出会ったときにも言っただろう。今すぐに我を愛せなんて言わないし、我はイブマリーが傍で笑ってくれるだけで満足だ」
「でも……」
私は言葉に詰まってしまいました。
「イブマリーがまだあの勇者を忘れられなくても仕方がない。ただ我はお前が好きだ。それだけは分かっていて欲しい」
すると堰を切ったように言葉が溢れました。
「……ち、違うんです。確かにロディア様は好きでした。でもその好きとアルベルトへの思いは何か違うんです……。何というか、アルベルトには美味しい料理を食べさせてあげたいな、笑顔を見たいな、何か手助けしたいなって思うんです。それに、他の女性と仲睦まじいところを見ると……胸の辺りがもやもやします」
深呼吸一つ。
「……この感情は何なんですか!? 教えて下さい」
それを聞いたアルベルトが顔を真っ赤にして目を丸くします。もしかして怒らせてしまったのでしょうか? 私は不安げに彼の反応を待ちます。
「……まさか我がイブマリーに感情を教えることになると思わなかった」
すると、不意に私を抱き寄せました。
「アルベルト?」
「……恥ずかしいからこの火照った顔を見られたくない。だからこうさせてくれ。いいかイブマリー、その気持ちがきっと……」
愛なんじゃないか?
その一つの単語を聞いた瞬間、胸のモヤが取れたような気がしました。
何だか胸がチクチクして、無性に頭に血が昇ります。これは一体何なのでしょう? 私は病にかかってしまったのでしょうか。
シャルロットさん、可愛かったなぁ。アルベルトとも仲が良さそうでしたし、長い付き合いなのでしょう。
私なんて出会ってまだ数ヶ月しか経っていないのです。
すると、コンコンと扉をノックする音が響きました。私が力なくはいと返事をすると、失礼するわという言葉と共に誰かが入ってきました。
「シャ、シャルロットさん!?」
アルベルトかカイウスだと思っていたのですが、そこに立っていたのはシャルロットさんでした。私は慌てて姿勢を正し、座り直します。
「ふーん、ここが夫婦の寝室ね」
「い、いえ。ここは私だけの部屋です」
するとシャルロットさんはぽかーんと大きく口を開け、目を丸くします。
「え、あなたたち一応夫婦でしょ? なんで一緒に寝ないのよ」
「アルベルトの希望で……」
いや違います、私を気遣ってアルベルトはそうしてくれたのです。それを見抜いてかシャルロットさんは目を細めました。
「あなたさぁ、ほんとにアルのこと好きなの? ちょっと小耳に挟んだんだけど好きな人間がいたそうじゃない」
ロディア様……。確かにロディア様はお慕い申し上げていましたが、こんな胸のトゲトゲを感じたことはありませんでした。
「分からない……分からないのです。誰かを好きになるって何ですか? アルベルトには感謝はしています。殺されそうになった私を助けてくれたし寝食まで面倒をみてくれています」
「それってただの感謝と後ろめたさでしょ? 助けて貰った恩があるから結婚も断れなかったし、今もこうしてごっこ遊びを続けているのよ」
シャルロットさんはきっと睨みこう言い放ちました。
「そんなのは愛でも恋でもない。あなたはアルのことなんてこれっぽっちも愛していない。ただ守ってくれる人が欲しくてここにいるだけよ」
ガツンと頭を殴られた気がしました。私はアルベルトの感情につけこんで甘えていた……?
「悔しいけどアルはあんたのことが好きみたい。でもね、その愛情につけこんで卑怯だと思わない? 別にここを出ていけなんて言わない。でも彼の妻を名乗るのはもうやめて」
あたしが言いたかったのはそれだけ。と言い残してシャルロットさんは足早に去っていきました。残された私は魂が抜けたみたいに呆然とするばかりでした。
好き? 愛? 一体それは何なのでしょう? 自分の気持ちが自分で分からなくなりました。
アルベルトは好きです。優しくて頼りになって、凛とした素敵な男性です。でも私は? 彼に何かしてあげられてるでしょうか?
夫婦というのはお互い支えあって生きていくのですよ。遥か昔、小さい頃にお母様にこんなことを言われたことがあります。
支え合う……今の私はアルベルトに寄り掛かってるだけ、彼を支えたことがあるでしょうか?
ロディア様への好きと、アルベルトへの好きは何かが違います。けれど、私にはその何かが分からないのです。
「イブマリー!」
ドタバタと血相変えて部屋に入ってきたのはアルベルトでした。
入ってすぐに彼は深々と私に頭を下げます。
「本当に申し訳ない! シャルが何か失礼なことを言ったみたいで……。あいつはただの幼馴染で、恋愛感情を抱いたことなんてない。我が愛しているのはお前だけだ」
アルベルトの言葉に嘘偽りはないような気がします。しかし私は彼の愛に甘えて、弄んでいるのでは? そんな考えが浮かんでいます。
「……シャルロットさんはアルベルトを本気で愛しているように思えます。でも私は……貴方を彼女のように愛しているのか……自信がありません」
アルベルトが一瞬ひきつったような顔をしましたが、すぐに私と目線を合わせるようにしゃがみこみました。
「出会ったときにも言っただろう。今すぐに我を愛せなんて言わないし、我はイブマリーが傍で笑ってくれるだけで満足だ」
「でも……」
私は言葉に詰まってしまいました。
「イブマリーがまだあの勇者を忘れられなくても仕方がない。ただ我はお前が好きだ。それだけは分かっていて欲しい」
すると堰を切ったように言葉が溢れました。
「……ち、違うんです。確かにロディア様は好きでした。でもその好きとアルベルトへの思いは何か違うんです……。何というか、アルベルトには美味しい料理を食べさせてあげたいな、笑顔を見たいな、何か手助けしたいなって思うんです。それに、他の女性と仲睦まじいところを見ると……胸の辺りがもやもやします」
深呼吸一つ。
「……この感情は何なんですか!? 教えて下さい」
それを聞いたアルベルトが顔を真っ赤にして目を丸くします。もしかして怒らせてしまったのでしょうか? 私は不安げに彼の反応を待ちます。
「……まさか我がイブマリーに感情を教えることになると思わなかった」
すると、不意に私を抱き寄せました。
「アルベルト?」
「……恥ずかしいからこの火照った顔を見られたくない。だからこうさせてくれ。いいかイブマリー、その気持ちがきっと……」
愛なんじゃないか?
その一つの単語を聞いた瞬間、胸のモヤが取れたような気がしました。
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