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第十五話 彼女の壊れた心
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ショウとルーメリアがお互いの存在を肌で感じている頃、フラミレッラはテーブルに伏せながら、ワイングラスを回し、揺れるワインを眺めていた。
「どうして今更思い出すのかなぁ?」
その表情、雰囲気は先程の支配者としてのそれとは違う。
テーブルとイスとベッド、ただそれだけしかない簡素で異様に広い部屋の中で昔を思い出していると、思わずそんな言葉が零れ出ていた。
フラミレッラは元々は人間だった。今はもう滅んでしまった本当に小さい国だが、その国の貴族の娘として生を授かりすくすくと育っていたのだが、彼女は他の人とは違う不思議な力を持っていた。ある日屋敷に腹が裂けた猫が紛れ込み、屋敷の者に囲まれその生命を終えた。
「猫さん死んじゃったの?」
彼女が父や使用人に問う
「あぁ、生ある者はいずれその命を終える。それが今だっただけだよ」
優しい顔で頭を撫でながら、父が小さい娘に言う。
「猫さん可哀そう…そうだお父様!私凄い事できますよ、見ててください」
そういって彼女は猫に手を当て何かを呟く。すると猫が元気そうに立ち上がりフラミレッラに嬉しそうに頭をこすり付けるが、腹が裂けて腸が出たままだった。
「フラミレッラ何をした?!」
使用人も驚きのあまり声も出ないようだ
「生き返らせたんですよ!猫さんも元気そうです!」
嬉しそうにいう娘に父は恐怖を感じていた。
「フラミレッラを部屋に連れていけ!」
フラミレッラは訳も分からず部屋に連れて行かれてしまう。
「その夜部屋に誰か入って来た。」
父親と母親だ。
「お父様、お母様こんなに遅くにどうされたのですか?それに…どうして剣を持っているのですか?」
フラミレッラの両親は娘が死霊魔法を使えるのをステータスで確認し、自分の娘がアンデッドだと確信し恐怖した。自分たちもアンデッドにされるのではないかと…そして殺しに来たのだ。
「フラミレッラ。お前の魔術は危険だ。」
母親も父親の後ろに隠れて震えている。
「何を言っているのですかお父様、危険などはありませんよ、ほら」
そういって昼間と同じ死霊魔術を何度も自分にかけてみせる。
「ほらお父様何もありません、お父様にも掛けますので確かめて下さい!」
「や、やめろー!」
剣を振り回しフラミレッラの手が切れる
「フラミレッラ悪いが死んでもらう。お前は危険だ」
「私が何をしたのですかお父様!や、やめて下さいませ!」
驚きのあまり腰を抜かし、後ずさりながら声をあげていた
「殺さなきゃいけないんだ、殺さなきゃいけないんだ!」
そう父親が剣を振りかぶると窓から何かが入って来た。昼間生き返らせた猫だ。
「シャー!!」
猫が父親に飛びつき顔面を引っ掻く。
ひるんだ所をフラミレッラは窓から外に飛び出し、二階の屋根から転げ落ちる。
全身に傷を覆いながら、裸足のまま屋敷を飛び出し逃げた。
フラミネッラはどうしていいかわからず、街の路地裏でぶるぶる震えながら夜が明けるのを待った。
朝になるころには小さな街なのでフラミレッラがアンデッドだという事が街中に広がっていることを知り驚く。
「逃げなきゃ」
そう思い彼女は国を出た。
時は経ち20そこそこになった彼女の元に両親から手紙が届く。
内容はあの時はどうかしていたというお詫びと、戻ってきてまた一緒に暮らそうという内容だった。
彼女は迷ったが行くことにした。美人で腕が立つと有名なジョレーナとその夫の有名な魔術師を雇って。
「お嬢ここがお嬢の家っすか?立派ななもんですねぇ」
何も事情を知らないジョレーナが気楽に言う
「雇い主になんという口の利き方がお前は。お嬢すみません。後で言って聞かせますので」
「別に気にしてないよぉ、それより私が危なそうだったら、お願いねっ」
今の様な大人っぽく高貴な彼女とは違い当時は年相応の可愛い女性だった。
フラミレッラは親にも殺されかけ、もう人を信用できなくなっていたが、この二人だけは長い道中で少しだけ気を許していた。ただ死霊魔術の事は話してないのだが。
「屋敷に入ると少し歳を重ねた顔なじみの使用人達が笑顔で出迎えてくれた。」
「お嬢様この日をお待ちしておりました。旦那様もお待ちです、こちらへどうぞ」
そう案内された先には笑顔で娘を迎える父親が居た
「フラミレッラ!帰ってきてくれて嬉しいよ、元気にしていたかい?そこに座ってくれ」
そう言われ椅子に座り二人は後ろに立ってもらう。
「あの時は気がどうかしてたんだ大事な娘にあんな事…」
「私も大事な娘になんて事を…あの時止められなかった母を許して頂戴。」
フラミレッラのささくれた心に父親と母親の言葉が心がジワリと染みわたる。
「いいのですお父様、お母さま…私…」
泣いていた。
「またお父様お母様やここの家の者とまた一緒に暮らせるのですね…」
「あぁそうだよ、またみんなで暮らそう、今まで寂しくさせて悪かった。道中も大変だっただろう?紅茶でも飲みなさい。」
「お気遣いありがとうございますお父様、頂きますね。」
そう言ってフラミレッラが紅茶に口をつけて飲むと、ティーカップを落とし紅茶が床に零れた
「お、おとう…様…何を…」
フラミレッラは紅茶を飲み込んだとたん苦しくなり口から血を吐いていた。
「アンデットと一緒に暮らせる訳ないだろう!馬鹿かお前は!」
父親や母親、部屋に集まった使用人達が心底嫌そうな顔で倒れているフラミレッラを見下ろしていた
「おい貴様ら何をした!毒か?!」
ジョレーナ剣を抜き構え、夫も杖を構える。
「お前たちは護衛だろ?護衛など必要ない、そいつはアンデッドだからな」
「…アンデッド?」
「そうだ、そいつはアンデッドしか使う事が出来ない死霊魔術を使う。昔そいつが作った猫のゾンビに大層苦労したよ」
「そんな、お嬢が…アンデッド?まさか…でもアンデッドに毒は…」
「ジョレーナしっかりしろ、それは本当なのですか?」
「ああ、小さい時にステータスを確認したから間違いない。種族は人間となっているが何かの間違いだ!そいつは死霊魔術を使うアンデッド、これが国からの討伐命令書だ、こいつを連れて行かないと俺も貴族に戻れない。どいてくれ、信用できないならこれをみろ」
書類をジョレーナに突き付ける
「これでもまだお前たちは守るというのか?」
「…おれっちは…」
「お前…達…許…さない…ぜ…った…い…さ…ない…」
そう残して死んだ…はずだった!
その昔父親に殺されかけた時に何度も自分にかけた死者をアンデッドとして蘇らせる魔術が、死を認識し、種族が変わり生まれ変わった事により彼女の新たな力が開花。【腐敗】の力と共に本物のアンデッドとして蘇える。
「 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない !!!! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す!!!!!!!!」
心の中では納まりきらず、溢れて言葉として零れ落ちた憎悪と共にゆっくり立ち上がる。
その瞬間【腐敗】の力が彼女の持つ全魔素で解放された。
円形に広がる【腐敗】の力に触れた場所から腐敗していき、やがて朽ち果て生者が骸になっていく。
その力はとても小さいこの国全てを飲み込んだ。
「うわぁぁぁぁぁあああぁあああぁあぁああぁぁあああ……」
静まり返った骸だらけの部屋で、フラミレッラは自分の力で帰らぬ者となった両親の骸を抱きかかえながら泣き叫んでいた。
小さい頃の優しい両親の顔、楽しかった思い出、両親が注いでくれる愛情の暖かさ。最後の最後までそれらの記憶を忘れることが出来ずに、また信じてみたかったのだ。
まだ無自覚に愛していた者達を自らの手で殺めてしまった罪の重さと、そんな人達から二度も裏切られた事によって彼女の心は…国と一緒に完全に壊れてしまう…
彼女は【腐敗】の力によって自分の心までも腐敗させてしまっていた。
一日中泣き続け暗くなった頃、ジョレーナとその夫だけは死霊魔法でスケルトンとして蘇らせた。
そして制御しきれない【腐敗】の力で無駄に人を殺めないよう常闇の森の北で暮らす内に主などと呼ばれる者になっていた。
「どうしてかなぁ。久々に人の暖かさを感じたからかなぁ?もう忘れてたんだけどなぁ。」
いつもの大人で高貴な彼女ではなく昔の彼女。誰に聞かせる訳でもない言葉を、どこか頼りなく、すぐ動揺して思わずからかいたくなる黒髪の男の事を考えて呟く。
窓の外では大きな赤い月と雲が優さで包み込むように寄り添い夜空を彩っている。
「いいなぁ、信頼し合って、あの子達みたい。」
彼女は心底羨ましそうに、テーブルに伏せながら窓の外を眺めて漏らす。
フラミレッラはルーメリアが孤独だと初めて会った時にはもう気付いていた。
そんな彼女が以前とは違い微笑んだり、目を合わせるだけで意思を伝えたり、嫉妬したりしているのを見て ルーメリアの孤独を救ったのが彼だとすぐに彼女はわかった。
彼女は多くのアンデッドに囲まれているが、実際は一人なのだ。彼女が作ったアンデッド達は彼女に絶対服従。彼女の言葉に逆らうことはない。ジョレーナやその夫はアンデッドになる前から一緒だが、フラミレッラの人としての生が終わる間際に父が言い放った『 これでもまだお前たちは守るというのか? 』という問いにジョレーナ達が答えられなかった事により、他のアンデッドよりは付き合いが長い分愛着はあるが、ただそれだけだった。あの時守ると答えていたらまた違っていただろう。
「………お願い……私も助けて…ショウ…」
それは遠い昔、彼女のバラバラに壊れたはずの心からの声だった。
◇ ◇ ◇ ◇
「蒼炎二刀疾風流…【鬼火】」
使い慣れた技で骸骨剣士の師匠、ジョレーナを攻撃する。
ガキィーン!!俺の刀二本は後ろに弾き飛ばされ首元に刀がそっと置かれた。
「いやーまだまだですねー!その程度の威力じゃまだまだ全力のオーラを纏う程じゃないですよー!」
カルターノのアンデッド城に滞在して五ヵ月は経っていた。
修業はハッキリ言って地獄だった。まず朝は 雪月風花流 の足さばきや型の練習。数時間したら首根っこ捕まれながら森に入り、バフを切らされ魔獣と戦わされまくった。バフかけてない俺なんてスクールカースト最上位のDQNグループのパシリより一つランクが高い位のやつだぞ?!
背後にも気を配れるようにと、合間合間に背後から攻撃され、何度も後ろから内臓を串刺しにされ吐血させられた…こんなに辛いなら焼きそばパン大人しく買いに行きます!!
魔獣狩りが終わってからは城に訓練場で模擬線を永遠と続ける。師匠は毎度俺を切り裂いてヒャッハーと大喜びだった…どこの世紀末だよ…今度モヒカン用意してあげよう
そんなボロボロになった後はルーやフラミレッラ様との特訓。どこのバトル漫画だよこの修業の日々…時間の流れが違う部屋はよ
「師匠最初なんてオーラほぼ纏わない状態で防いでたじゃないですか!そう考えたらだいぶ進歩したと思うんですけど…」
そうこの骸骨、修業始めて最初の頃はいつもの4つのバフや【電光石火】他をかけた能力めちゃ上がり状態の俺の攻撃をほぼほぼ生身で防いで俺を圧倒してきたのだ。どんな身体能力だよ全く…
「そりゃ仮にも世界最強を目指した事もあったっすからね!でもショウ君も凄いよー!おれっちの技も結構吸収してもう自分のオリジナルに消化しましたよね?」
「俺は二刀流なんでアレンジしないとなんですよね、雪月風花流の足さばきや剣筋はまだまだですがなんとなくわかった気します!」
「おれっちの動きを参考にしてるのはわかるけど、全く同じものにする必要はないですよ!ショウ君は手札の多さが脅威ですからねー、この五ヵ月でまた増えたみたいですね?」
「色々考えてますからね!師匠にも見せてない手札がありますよ!」
「おーおーそれは怖い怖い」
ない胸を抱きしめるようにしてブルブルと震えるマネをする、貴方の方が一般的にホラーですよ
「そういえばなんで長刀と小太刀なんですか?」
「特訓に付き合ってくれた人が卒業祝いに刀をくれたんですけど、同じ長さのがなかったってただそれだけの理由ですよ」
「そうなんですか?てっきり変なこだわりを持つショウ君なら『異世界と言えば長さの違う刀の二刀流意外ありえないでしょ?!』とかいってそうしたのかと思ってました」
…デジャブー…それにこれまた微妙に似てるのが何かやだ…
まぁ否定できないけどね?なんか長さ違う方がカッコいいじゃん?!異世界に来て中二病がぶり返してる…うっ左腕が…
「まぁ元の世界じゃそういうのもありましたけど…」
師匠には異世界人だと知っている。フラミレッラ様のアンデッドは命令に絶対なので漏れる心配はない
「じゃあおれっちが弟子の為にその特殊な流派の名前を命名してあげるっすよ 二刀嘯風弄月流なんてどうっすか? !」
うわっめっちゃ中二っぽい!?実は すかした顔で蒼炎二刀疾風流…【鬼火】 とか言ってっけど、結構恥ずかしいんだからね?!
入学式でやってみ?卒業までボッチ確定だわ!そんな事しなくてもボッチだったがこれいかに?
「響きはなんかいい感じなんですけど、どういう意味ですか?」
「知らね」
「おい骸骨、ちゃんとやれ」
何でこいつはノリと勢いだけで生きてんだよ!ロックか?骨ロックか?!
「別にいいじゃないですか!もう決定です!師匠には逆らっちゃだめですよ!」
そういって骨をカラカラならし笑う。俺の中じゃ師匠(笑)だけどな!
「にしても今日も疲れましたねーお風呂にでも浸かって頭蓋骨を隅々まで洗いたいですよー」
こっわ!入浴ってそんなおぞましいもんだっけ?!
「骨に疲労とかないでしょ…師匠の頭の中がどうなってるのか見てみたいっすわ…」
「あーここ開いたら見れますよ?」
「いや物理的な意味じゃなく…」
そうだった!この人?の頭の中は見ようと思えば見れる!
「そろそろお嬢との時間じゃないですか?」
「あ、本当ですねそろそろ行かないと。」
「王女様が居なくて寂しいからってフラミレッラ様と浮気したらだめですよ?」
今ルーは別件で城に戻ってる。お城に帰らせて頂きますという書置きを残して…
出て行かれたみたいでちょっと悲しかった…
「恐れ多いですよ、師匠位気安いと楽なんですけど」
「なんですか頭蓋骨の内側にしか興奮しない特殊性癖の人ですか?すみませんそういう性癖は夫で間に合ってるのでごめんなさい」
「恐怖!」
おい夫!なんちゅう性癖持ってんだ!てかお前らどういうプレイしてんだよ!!
「じゃ、じゃあ俺行きますね」
これ以上聞くのが怖くなったので急いでフラミレッラの所へ向かった
彼女は中庭で本読んでいた。動きの一つ一つに品を感じ自分とは生きている次元が違うのだろうと感じてしまう。
「フラミレッラ様遅くなってすみません!」
「良いわよ坊や。いい加減いつ私を召喚できるようになるのかしら?」
ぱたんと本を閉じ俺の方を見る。なんと麗しいかな。
俺が今やっているのは彼女を召喚する事。
膨大な魔素量を持つ彼女を召喚するのは簡単な事ではない。
彼女も彼女で魔力の扱いがうまくなり俺以外にこそ触れる事は出来ないが、かなり近くまで人を近づける事が出来るようになった。
実は俺だけしか触れられない状況がちょっと嬉しかったりする。役得♪
「あら坊や、もしかしてこのまま自分だけが私に触れる事が出来る唯一の人間ならいいのにーとか考えなかったかしら?」
何故バレたし?!エスパーフラミレッラか?!はいー
「そんな事はありますせん。」
「どっちなのよ」
彼女は品よく笑う。異世界のアンデッドがこんなに可愛いわけがない!人生相談でもしようかな…
「さ、坊や行くわよ」
そういって俺の手を取った。
「え?どこに?」
「問題発生よ」
彼女は神妙な顔で俺に言った。
「どうして今更思い出すのかなぁ?」
その表情、雰囲気は先程の支配者としてのそれとは違う。
テーブルとイスとベッド、ただそれだけしかない簡素で異様に広い部屋の中で昔を思い出していると、思わずそんな言葉が零れ出ていた。
フラミレッラは元々は人間だった。今はもう滅んでしまった本当に小さい国だが、その国の貴族の娘として生を授かりすくすくと育っていたのだが、彼女は他の人とは違う不思議な力を持っていた。ある日屋敷に腹が裂けた猫が紛れ込み、屋敷の者に囲まれその生命を終えた。
「猫さん死んじゃったの?」
彼女が父や使用人に問う
「あぁ、生ある者はいずれその命を終える。それが今だっただけだよ」
優しい顔で頭を撫でながら、父が小さい娘に言う。
「猫さん可哀そう…そうだお父様!私凄い事できますよ、見ててください」
そういって彼女は猫に手を当て何かを呟く。すると猫が元気そうに立ち上がりフラミレッラに嬉しそうに頭をこすり付けるが、腹が裂けて腸が出たままだった。
「フラミレッラ何をした?!」
使用人も驚きのあまり声も出ないようだ
「生き返らせたんですよ!猫さんも元気そうです!」
嬉しそうにいう娘に父は恐怖を感じていた。
「フラミレッラを部屋に連れていけ!」
フラミレッラは訳も分からず部屋に連れて行かれてしまう。
「その夜部屋に誰か入って来た。」
父親と母親だ。
「お父様、お母様こんなに遅くにどうされたのですか?それに…どうして剣を持っているのですか?」
フラミレッラの両親は娘が死霊魔法を使えるのをステータスで確認し、自分の娘がアンデッドだと確信し恐怖した。自分たちもアンデッドにされるのではないかと…そして殺しに来たのだ。
「フラミレッラ。お前の魔術は危険だ。」
母親も父親の後ろに隠れて震えている。
「何を言っているのですかお父様、危険などはありませんよ、ほら」
そういって昼間と同じ死霊魔術を何度も自分にかけてみせる。
「ほらお父様何もありません、お父様にも掛けますので確かめて下さい!」
「や、やめろー!」
剣を振り回しフラミレッラの手が切れる
「フラミレッラ悪いが死んでもらう。お前は危険だ」
「私が何をしたのですかお父様!や、やめて下さいませ!」
驚きのあまり腰を抜かし、後ずさりながら声をあげていた
「殺さなきゃいけないんだ、殺さなきゃいけないんだ!」
そう父親が剣を振りかぶると窓から何かが入って来た。昼間生き返らせた猫だ。
「シャー!!」
猫が父親に飛びつき顔面を引っ掻く。
ひるんだ所をフラミレッラは窓から外に飛び出し、二階の屋根から転げ落ちる。
全身に傷を覆いながら、裸足のまま屋敷を飛び出し逃げた。
フラミネッラはどうしていいかわからず、街の路地裏でぶるぶる震えながら夜が明けるのを待った。
朝になるころには小さな街なのでフラミレッラがアンデッドだという事が街中に広がっていることを知り驚く。
「逃げなきゃ」
そう思い彼女は国を出た。
時は経ち20そこそこになった彼女の元に両親から手紙が届く。
内容はあの時はどうかしていたというお詫びと、戻ってきてまた一緒に暮らそうという内容だった。
彼女は迷ったが行くことにした。美人で腕が立つと有名なジョレーナとその夫の有名な魔術師を雇って。
「お嬢ここがお嬢の家っすか?立派ななもんですねぇ」
何も事情を知らないジョレーナが気楽に言う
「雇い主になんという口の利き方がお前は。お嬢すみません。後で言って聞かせますので」
「別に気にしてないよぉ、それより私が危なそうだったら、お願いねっ」
今の様な大人っぽく高貴な彼女とは違い当時は年相応の可愛い女性だった。
フラミレッラは親にも殺されかけ、もう人を信用できなくなっていたが、この二人だけは長い道中で少しだけ気を許していた。ただ死霊魔術の事は話してないのだが。
「屋敷に入ると少し歳を重ねた顔なじみの使用人達が笑顔で出迎えてくれた。」
「お嬢様この日をお待ちしておりました。旦那様もお待ちです、こちらへどうぞ」
そう案内された先には笑顔で娘を迎える父親が居た
「フラミレッラ!帰ってきてくれて嬉しいよ、元気にしていたかい?そこに座ってくれ」
そう言われ椅子に座り二人は後ろに立ってもらう。
「あの時は気がどうかしてたんだ大事な娘にあんな事…」
「私も大事な娘になんて事を…あの時止められなかった母を許して頂戴。」
フラミレッラのささくれた心に父親と母親の言葉が心がジワリと染みわたる。
「いいのですお父様、お母さま…私…」
泣いていた。
「またお父様お母様やここの家の者とまた一緒に暮らせるのですね…」
「あぁそうだよ、またみんなで暮らそう、今まで寂しくさせて悪かった。道中も大変だっただろう?紅茶でも飲みなさい。」
「お気遣いありがとうございますお父様、頂きますね。」
そう言ってフラミレッラが紅茶に口をつけて飲むと、ティーカップを落とし紅茶が床に零れた
「お、おとう…様…何を…」
フラミレッラは紅茶を飲み込んだとたん苦しくなり口から血を吐いていた。
「アンデットと一緒に暮らせる訳ないだろう!馬鹿かお前は!」
父親や母親、部屋に集まった使用人達が心底嫌そうな顔で倒れているフラミレッラを見下ろしていた
「おい貴様ら何をした!毒か?!」
ジョレーナ剣を抜き構え、夫も杖を構える。
「お前たちは護衛だろ?護衛など必要ない、そいつはアンデッドだからな」
「…アンデッド?」
「そうだ、そいつはアンデッドしか使う事が出来ない死霊魔術を使う。昔そいつが作った猫のゾンビに大層苦労したよ」
「そんな、お嬢が…アンデッド?まさか…でもアンデッドに毒は…」
「ジョレーナしっかりしろ、それは本当なのですか?」
「ああ、小さい時にステータスを確認したから間違いない。種族は人間となっているが何かの間違いだ!そいつは死霊魔術を使うアンデッド、これが国からの討伐命令書だ、こいつを連れて行かないと俺も貴族に戻れない。どいてくれ、信用できないならこれをみろ」
書類をジョレーナに突き付ける
「これでもまだお前たちは守るというのか?」
「…おれっちは…」
「お前…達…許…さない…ぜ…った…い…さ…ない…」
そう残して死んだ…はずだった!
その昔父親に殺されかけた時に何度も自分にかけた死者をアンデッドとして蘇らせる魔術が、死を認識し、種族が変わり生まれ変わった事により彼女の新たな力が開花。【腐敗】の力と共に本物のアンデッドとして蘇える。
「 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない 許さない !!!! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す!!!!!!!!」
心の中では納まりきらず、溢れて言葉として零れ落ちた憎悪と共にゆっくり立ち上がる。
その瞬間【腐敗】の力が彼女の持つ全魔素で解放された。
円形に広がる【腐敗】の力に触れた場所から腐敗していき、やがて朽ち果て生者が骸になっていく。
その力はとても小さいこの国全てを飲み込んだ。
「うわぁぁぁぁぁあああぁあああぁあぁああぁぁあああ……」
静まり返った骸だらけの部屋で、フラミレッラは自分の力で帰らぬ者となった両親の骸を抱きかかえながら泣き叫んでいた。
小さい頃の優しい両親の顔、楽しかった思い出、両親が注いでくれる愛情の暖かさ。最後の最後までそれらの記憶を忘れることが出来ずに、また信じてみたかったのだ。
まだ無自覚に愛していた者達を自らの手で殺めてしまった罪の重さと、そんな人達から二度も裏切られた事によって彼女の心は…国と一緒に完全に壊れてしまう…
彼女は【腐敗】の力によって自分の心までも腐敗させてしまっていた。
一日中泣き続け暗くなった頃、ジョレーナとその夫だけは死霊魔法でスケルトンとして蘇らせた。
そして制御しきれない【腐敗】の力で無駄に人を殺めないよう常闇の森の北で暮らす内に主などと呼ばれる者になっていた。
「どうしてかなぁ。久々に人の暖かさを感じたからかなぁ?もう忘れてたんだけどなぁ。」
いつもの大人で高貴な彼女ではなく昔の彼女。誰に聞かせる訳でもない言葉を、どこか頼りなく、すぐ動揺して思わずからかいたくなる黒髪の男の事を考えて呟く。
窓の外では大きな赤い月と雲が優さで包み込むように寄り添い夜空を彩っている。
「いいなぁ、信頼し合って、あの子達みたい。」
彼女は心底羨ましそうに、テーブルに伏せながら窓の外を眺めて漏らす。
フラミレッラはルーメリアが孤独だと初めて会った時にはもう気付いていた。
そんな彼女が以前とは違い微笑んだり、目を合わせるだけで意思を伝えたり、嫉妬したりしているのを見て ルーメリアの孤独を救ったのが彼だとすぐに彼女はわかった。
彼女は多くのアンデッドに囲まれているが、実際は一人なのだ。彼女が作ったアンデッド達は彼女に絶対服従。彼女の言葉に逆らうことはない。ジョレーナやその夫はアンデッドになる前から一緒だが、フラミレッラの人としての生が終わる間際に父が言い放った『 これでもまだお前たちは守るというのか? 』という問いにジョレーナ達が答えられなかった事により、他のアンデッドよりは付き合いが長い分愛着はあるが、ただそれだけだった。あの時守ると答えていたらまた違っていただろう。
「………お願い……私も助けて…ショウ…」
それは遠い昔、彼女のバラバラに壊れたはずの心からの声だった。
◇ ◇ ◇ ◇
「蒼炎二刀疾風流…【鬼火】」
使い慣れた技で骸骨剣士の師匠、ジョレーナを攻撃する。
ガキィーン!!俺の刀二本は後ろに弾き飛ばされ首元に刀がそっと置かれた。
「いやーまだまだですねー!その程度の威力じゃまだまだ全力のオーラを纏う程じゃないですよー!」
カルターノのアンデッド城に滞在して五ヵ月は経っていた。
修業はハッキリ言って地獄だった。まず朝は 雪月風花流 の足さばきや型の練習。数時間したら首根っこ捕まれながら森に入り、バフを切らされ魔獣と戦わされまくった。バフかけてない俺なんてスクールカースト最上位のDQNグループのパシリより一つランクが高い位のやつだぞ?!
背後にも気を配れるようにと、合間合間に背後から攻撃され、何度も後ろから内臓を串刺しにされ吐血させられた…こんなに辛いなら焼きそばパン大人しく買いに行きます!!
魔獣狩りが終わってからは城に訓練場で模擬線を永遠と続ける。師匠は毎度俺を切り裂いてヒャッハーと大喜びだった…どこの世紀末だよ…今度モヒカン用意してあげよう
そんなボロボロになった後はルーやフラミレッラ様との特訓。どこのバトル漫画だよこの修業の日々…時間の流れが違う部屋はよ
「師匠最初なんてオーラほぼ纏わない状態で防いでたじゃないですか!そう考えたらだいぶ進歩したと思うんですけど…」
そうこの骸骨、修業始めて最初の頃はいつもの4つのバフや【電光石火】他をかけた能力めちゃ上がり状態の俺の攻撃をほぼほぼ生身で防いで俺を圧倒してきたのだ。どんな身体能力だよ全く…
「そりゃ仮にも世界最強を目指した事もあったっすからね!でもショウ君も凄いよー!おれっちの技も結構吸収してもう自分のオリジナルに消化しましたよね?」
「俺は二刀流なんでアレンジしないとなんですよね、雪月風花流の足さばきや剣筋はまだまだですがなんとなくわかった気します!」
「おれっちの動きを参考にしてるのはわかるけど、全く同じものにする必要はないですよ!ショウ君は手札の多さが脅威ですからねー、この五ヵ月でまた増えたみたいですね?」
「色々考えてますからね!師匠にも見せてない手札がありますよ!」
「おーおーそれは怖い怖い」
ない胸を抱きしめるようにしてブルブルと震えるマネをする、貴方の方が一般的にホラーですよ
「そういえばなんで長刀と小太刀なんですか?」
「特訓に付き合ってくれた人が卒業祝いに刀をくれたんですけど、同じ長さのがなかったってただそれだけの理由ですよ」
「そうなんですか?てっきり変なこだわりを持つショウ君なら『異世界と言えば長さの違う刀の二刀流意外ありえないでしょ?!』とかいってそうしたのかと思ってました」
…デジャブー…それにこれまた微妙に似てるのが何かやだ…
まぁ否定できないけどね?なんか長さ違う方がカッコいいじゃん?!異世界に来て中二病がぶり返してる…うっ左腕が…
「まぁ元の世界じゃそういうのもありましたけど…」
師匠には異世界人だと知っている。フラミレッラ様のアンデッドは命令に絶対なので漏れる心配はない
「じゃあおれっちが弟子の為にその特殊な流派の名前を命名してあげるっすよ 二刀嘯風弄月流なんてどうっすか? !」
うわっめっちゃ中二っぽい!?実は すかした顔で蒼炎二刀疾風流…【鬼火】 とか言ってっけど、結構恥ずかしいんだからね?!
入学式でやってみ?卒業までボッチ確定だわ!そんな事しなくてもボッチだったがこれいかに?
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「知らね」
「おい骸骨、ちゃんとやれ」
何でこいつはノリと勢いだけで生きてんだよ!ロックか?骨ロックか?!
「別にいいじゃないですか!もう決定です!師匠には逆らっちゃだめですよ!」
そういって骨をカラカラならし笑う。俺の中じゃ師匠(笑)だけどな!
「にしても今日も疲れましたねーお風呂にでも浸かって頭蓋骨を隅々まで洗いたいですよー」
こっわ!入浴ってそんなおぞましいもんだっけ?!
「骨に疲労とかないでしょ…師匠の頭の中がどうなってるのか見てみたいっすわ…」
「あーここ開いたら見れますよ?」
「いや物理的な意味じゃなく…」
そうだった!この人?の頭の中は見ようと思えば見れる!
「そろそろお嬢との時間じゃないですか?」
「あ、本当ですねそろそろ行かないと。」
「王女様が居なくて寂しいからってフラミレッラ様と浮気したらだめですよ?」
今ルーは別件で城に戻ってる。お城に帰らせて頂きますという書置きを残して…
出て行かれたみたいでちょっと悲しかった…
「恐れ多いですよ、師匠位気安いと楽なんですけど」
「なんですか頭蓋骨の内側にしか興奮しない特殊性癖の人ですか?すみませんそういう性癖は夫で間に合ってるのでごめんなさい」
「恐怖!」
おい夫!なんちゅう性癖持ってんだ!てかお前らどういうプレイしてんだよ!!
「じゃ、じゃあ俺行きますね」
これ以上聞くのが怖くなったので急いでフラミレッラの所へ向かった
彼女は中庭で本読んでいた。動きの一つ一つに品を感じ自分とは生きている次元が違うのだろうと感じてしまう。
「フラミレッラ様遅くなってすみません!」
「良いわよ坊や。いい加減いつ私を召喚できるようになるのかしら?」
ぱたんと本を閉じ俺の方を見る。なんと麗しいかな。
俺が今やっているのは彼女を召喚する事。
膨大な魔素量を持つ彼女を召喚するのは簡単な事ではない。
彼女も彼女で魔力の扱いがうまくなり俺以外にこそ触れる事は出来ないが、かなり近くまで人を近づける事が出来るようになった。
実は俺だけしか触れられない状況がちょっと嬉しかったりする。役得♪
「あら坊や、もしかしてこのまま自分だけが私に触れる事が出来る唯一の人間ならいいのにーとか考えなかったかしら?」
何故バレたし?!エスパーフラミレッラか?!はいー
「そんな事はありますせん。」
「どっちなのよ」
彼女は品よく笑う。異世界のアンデッドがこんなに可愛いわけがない!人生相談でもしようかな…
「さ、坊や行くわよ」
そういって俺の手を取った。
「え?どこに?」
「問題発生よ」
彼女は神妙な顔で俺に言った。
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◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
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