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第二十二話 西城門前の防衛戦
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「何でこんな事になっちゃうかなー」
「口は災いの元っていうじゃない?あれよ」
「…ある意味ショウが悪い」
国王に自分が解決すると伝えてしまった<勘違いなのだが>せいで問題を解決しなくいけなくなり、ぶつぶつ不安を漏らしながら、俺達は西門で先に迫ってくる魔物達を待っていた。
「姫様!お会いできて光栄です」
西門の責任者らしき人が前に出てきて跪く。
「それでこの西門に大量の魔物が迫ってくるというのは本当ですか?」
責任者らしき男が心配そうに問いかけている
「本当。ざっと1000近くいる。それだけじゃなくてその後には西の主もせめて来る。」
ルーが淡々と伝えるがそれを聞いていた周りの兵士も責任者らしき男も顔が一気に青ざめてしまっていた
ルーが声を張り上げ命じる
「聞きなさいリールモルトの勇敢な兵士達。ここの西門は私達三人で守る。」
「危険です姫様!」
周りの兵士が一斉に声をあげルーを止めにかかる。
「大丈夫。ここにはフラミレッラ様もいる。眷属を召喚してもらえれば数は問題ではない」
フラミレッラと聞いてみんなが少しほっとしたようだ
「貴方達にしてほしいのは、住民の避難の誘導を早急にお願い。それと恋人がいる者はこの戦いが終わったら結婚しなさい。」
強制的にフラグを立てさせていくぅ!! やめろ!! お前は大事な人の為に意地でも生き残るという気持ちを利用してなんちゅう事言わそうとしてんだよ!!
「はい姫様、実は私も恋人がいまして、この戦いが」
「やめろよ!」
俺が遮る。この世界はフラグを乱立したがる。
「これで貴方は生き残る確率が格段に上がった。職務に励むといい」
何だと?!あえてフラグを折る事で死亡する確率を激減させるフラグ折の高等技術を知っているだと?!
こいつ…出来る…
ルーがパチンとこっちを向いてウインクする。
………いや他の大勢の兵士の件は解決してないからね?
まぁ俺達が頑張ればいいんだが…
「これで街の方は大丈夫。最悪の場合でも被害を最小限に抑える事が出来ると思う。」
こうしてみるとやっぱり姫様なんだなぁ。 戦う姫様。 騎士だったら、くっころ要因待ったなしだな。
「さぁ私達は団体様がくるまでゴロゴロしておきましょう」
眷属の虎の魔物の上でゴロゴロしだした。
「いやフララさんよ、ゴロゴロはちとまずいでしょう」
「そうかしら?私の趣味は他人があくせく働かないと回らない環境の中で踏ん反りかえってただ煽る事よ」
最低だよ!
「まぁフララらしいよ、ほんと…」
「お姉様のその姿が容易に浮かぶ。」
「私本人が一番そう思うわ。」
心地いい風が吹いている西門の前で三人談笑していた。
「じゃあフララは結婚しても家事とかやらないタイプだ」
想像つかねぇわ
「何で私がやらなきゃいけないのかしら?いつでもレイスを呼び出してやらせればいいだけじゃない。それに子供なんて出来たら動けないし」
「…フララって子供出来るの?」
「…ショウのスケベ…」
「試してみる?うふふふ」
いつもの様にからかってくるが最近の接触が多いからその程度ジャブ効かんわ!
「そうだねこれが終わったらね。」
「…ショウ生きて帰れないの確定した。」
「…あ」
「うふふふバカね自分でチャンスを棒に振って…出来るわよ多分。毎月来るし。作った事ないからわからないけど」
そりゃそうだ
「お姉様は大好きだけど、でも最初は譲れない。」
「わかってるわよ。最初は譲ってあげる。その後は知らないわよ?」
あー俺今主人公やってるわー
「そういややっぱりこの世界じゃ一夫多妻制なの?」
異世界と言えば主人公の一夫多妻のハーレム結婚が基本だよなぁ、俺も二人娶ってぐふふふ
「………何言ってるのショウ。一夫一妻制に決まってる。」
…そマ?
異世界と言えば一夫多妻制が基本でしょう! 主人公が次々にヒロインを助けて落として、次々に美人を物にして女の子とキャッキャウフフの生活をするのが異世界の基本なのテンプレなの理想なの夢なの願望なの! 異論は認めん!
「異世界と言えば一夫多妻制が基本でしょう! 主人公が次々にヒロインを助けて落として、次々に美人を物にして女の子とキャッキャウフフの生活をするのが異世界の基本なのテンプレなの! 異論は認めん!な~んて事を心で思ってるんじゃないかしら?」
何そのコピペしたような正確さ?! どうやって心を読んだ?! 心が通じてるってこういう事じゃないと思うの…
だが詰めが甘かったな、最後の 、理想なの夢なの願望なの! さえわからなければ何の問題はないのだ。あくまで物語の流れを語っただけだ!
「お姉様、ショウなら最後に 『理想なの夢なの願望なの 』っていうのも絶対に思ってる。」
だがしかし周りは囲まれた…現実は所持金半分でリスタートなんてないんだぜ?
「まぁ私は人間じゃないわけだしそもそも、結婚は正式にはできないから気にする必要ないんじゃないかしら?」
「そういやそうだった。ついつい忘れんだよねー」
「私を人間扱いしてくれるのは貴方達だけよ」
嬉しそうに優しさを込めた笑顔で俺達を見る
「ルーのお父さんは王様だから三人も妻がいるわけか。」
「そう。王様になるとか、大貴族になれば一夫多妻制も認められる。ショウはそんなに女の子を沢山囲いたいの?」
「んーにゃ二人だけで十分だよ。」
「…そう。」
…そう。マイスターの俺が断言する。 これは嬉しい…そう。だ。 It's my soul!
そんな他愛もないやり取りをしていると【レーダー】でそろそろ見えくる距離だと確認した。
「姫様敵が見えてきました!私達も城壁まで来た物を弓でやります!どうかご武運を!」
城壁を見てみると多くの兵が弓を持って戦闘態勢を整えていた。中には兵士長にしごかれた時に知り合った物もいる。
あ、あれアルドか。 最初の訓練の時にボコられて世話になったなぁ確か…
「アルドー!!」
「おうショウか、お前大丈夫なのか?」
「まぁ成長はしたから多分大丈夫だと思う! そういやお前恋人いたよね? これ終わったらどうすんの?」
「あぁ!これ終わったら結婚するぞ!」
よし誘導成功!したらな!
「まぁ頑張れよプププ」
「何か嫌な予感がするな…お前も死ぬなよ、お前が生きて帰ったら」
「やめて! 巻き込まないで! さっきのは謝るから!」
「…ショウ集中して…」
「すみません…後五分で来ます…」
ルーに怒られたのでシュンとしながらいつもの同人誌即売会バフを掛けていく
◇ ◇ ◇ ◇
おぉー見えて来たかー結構いるねぇ
大地を揺るがす無数の生命の足音がどんどん近づいてくる。 獣型、虫型、爬虫類型、色々な種類の魔物が何者かから逃げるように西門の方に向かって走ってくる。
見渡しの良い開けた場所に姿を捕らえた
まだまだ遠いが俺の魔法ならそろそろ射程範囲だ。
開幕ぶっぱいっきまーす!
「初手は行かせてもらうよ」
「「了解!」」
二人から元気のいい返事が聞こえる
「蒼炎魔法【蒼炎風】」火+風の複合魔法だ、【蒼炎弾】が単体攻撃ならこっちは範囲攻撃だ
そういうと俺の正面から扇状に蒼い炎の風が激しく吹き荒れて敵に到達し、多くの敵を燃やし尽くす。
「まだまだ!蒼炎魔法【鳳凰】」一定時間自立的に敵を燃やし尽くす。
蒼い炎が鳳凰のような形に変化し、猛スピードで敵の上空を飛んで行く、すると飛び去った後にはただも燃えカスしか残らなかった。
「凄いわね?私必要かしら?引っ込んでても良いと思うけど?」
「まだ連発出来る程練度がないんですよ、広範囲だからあまり練習できなかったし…」
「はぁ…じゃあだいぶ減らしてくれたと思うけど可愛い妹の為に私も働くとするわ」
百合かな?
燃えカスを押しのけるようにどんどん後ろから魔物が追加発注される。
フララがいつも虎の魔物<ニコレーナというらしい>から降りて一歩前にでる
「【骸の嘆き】」
瞬間地面から尖った鋭利な骨が広範囲に出現し、下から魔物達を串刺して絶命させる。
それは今までフラミレッラが殺して来た生物の骨。綺麗な白い骨ではなく血が固まり黒ずんでいて何かを嘆いているようにも感じた。
えっぐ! 遠距離型の攻撃か、いきなり出てくるのを察知するのは困難だな。
「【死の息吹】」
突如黒い風が戦場を吹き抜ける。オーラが薄いであろう魔物達が突如倒れた。風と共に生命力を持っていかれたのだろう。 即死攻撃とかタチ悪すぎ!
後ろからくる魔物が倒れた魔物にぶつかって突撃の勢いが完全に殺された。
「こんなものかしらだいぶ削ったわよ?」
フララがめんどくさそうに言う
するとルーも一歩前に出て来た
「私もそろそろ攻撃できる」
「※※※※ ※※ ※※ ※※ ※※ 【クリムゾンデスサイズ】」
魔法言語で詠唱しすると赤黒い大鎌に炎が宿る、出会った時に見たのと同じだ、いや少し違う少し蒼い炎が混じっていた
「私も成長している、見てて【死神の一振り】」
鎌をカチャリと構えると赤と蒼がまじった炎が更に燃え上がった。振りかぶって 左薙ぎ。 炎の斬撃が魔物の命を刈り取っていく。前に見た時とは違い威力は爆発的に上がり、攻撃範囲はかなり広がっている。
本来前衛なので、これだけできれば十分だろう。
大方片付いて残り100位の魔物が西門近くまで到達していた。
「後は物理で行きますか。」
「「了解」」
ショウは刀を二刀を鞘から抜き、魔物の群れの中を身軽に舞うような剣技で華麗に蹂躙していく。夜空に舞い散る鮮血と魔物の絶叫が織りなす演奏は全滅するまで続いた。
ルーも大鎌で魔物の中を駆け抜けていた、炎は出ていない。大鎌が血を吸っているかの様に刃全体に血が付着し、不気味な赤黒さが一段と増していた。魅了の力を開放し、赤い瞳で敵を同士討ちさせ、鎌で命を刈り取る。 赤い大きな月をバックに戦う様は、死を与える女神その物だった。
二人が蹂躙している中、フラミネッラだけは場違いに魔物中をゆっくり歩いていた。ただ歩いているだけそれだけなのだが周りを魅了するほど優美で品がある。
四方を囲まれているにも関わらず全く動じおらず、その佇まいは魔物ですら膝を折り無条件降伏してしまいそうな雰囲気を出していた。 動けない敵に近づき優しく触れる【腐敗】の力を手に集め開放しただけ。ただそれだけなのだが一瞬で触れられた所から朽ち果てて行く。
戦いが終わったのだが残っていたのは魔物であった無数の残骸と、場違いに笑顔を浮かべ何事もなかったように先程の談笑の続きをしている三人の姿だった。
◇ ◇ ◇ ◇
西の城壁の上で兵士達が弓を手に持ち、まるで夢の中にいるかのようにぼーっと戦いを見ていた
「な、なぁアルドあの蒼い炎、何の魔術だ?」
「あれはあいつの固有の魔術らしい、俺も初めてあいつと戦った時あれに殺されかけたよ」
アルドは苦笑いして答える。
「とんでもない威力だなあの魔術、一瞬で敵を焼き尽くしていったぞ!」
「姫様にフラミネッラ様も凄い。物の数じゃないな。ただフラミネッラ様の術は恐ろしいな一瞬で生命を刈り取られそうだ」
「あの力が俺達に向かうわないのを願うばかりだな」
「おいお前たち気を引き締めろ」
西の城壁の責任者らしき男が声をあげた
「残り100体あまりだが、おそらくこの近くでの乱戦になる、門に近づける前に弓で撃ち殺せ! 最悪中に入られても有志の冒険者と兵士がいるが、ここで撃退しろ!」
「「「「了解!」」」」
「にしてもあのショウとかいう姫様の騎士凄いなまだ戦いを学んでそんなに経ってないんだろ?アルドお前の知り合いか?」
「はい!いつの間にかあんなに強くなってしまい、追い越されてしまいましたが」
「あの蒼い炎は美しいな、そして威力がとんでもない。蒼炎の魔術師といったところか?」
「いえ隊長、自分はあれが魔法だと聞いております」
「魔法?魔法という魔術か?よくわからんが、なら蒼炎の魔法使いといったところか?」
「そんな所でしょうね、でも今は剣で戦ってるみたいですが…あ、剣から蒼い炎出た」
「剣技も美しいな、何の流派だ?あんな音がほとんどない剣知らんぞ。それにあの動き舞いを見ているかのようだ。 姫様もあんな男が守ってくれるなら安心だろ。これで兵士長も。そして俺も安心だ」
「隊長あんたも…」
「叶わぬが夢見るだけならいいだろ?」
責任者がニヤリと笑う。
「一匹抜けて来たぞ、構えろ!!」
◇ ◇ ◇ ◇
三人が一息ついた所、三匹の大蛇が絡み合って出来た三つ首の大蛇がいつの間にかその巨体の姿を現していた。
かすかに魔力を感じる。
「何かいるぞ?!」
「気をつけなさい、あいつの固有の結界術よ!姿を消して近づいてきたのね!」
「…ショウ戦闘準備。」
三匹の大蛇が口を開いた。
「…ほうわしの隠蔽結界を見破るとはやるな」
「やるさ」
「やるみたい」
3匹それぞれ語尾が違うのは仕様か?
三人は激戦の予感と共に三つ首のトライデントスネークと対峙した。
「口は災いの元っていうじゃない?あれよ」
「…ある意味ショウが悪い」
国王に自分が解決すると伝えてしまった<勘違いなのだが>せいで問題を解決しなくいけなくなり、ぶつぶつ不安を漏らしながら、俺達は西門で先に迫ってくる魔物達を待っていた。
「姫様!お会いできて光栄です」
西門の責任者らしき人が前に出てきて跪く。
「それでこの西門に大量の魔物が迫ってくるというのは本当ですか?」
責任者らしき男が心配そうに問いかけている
「本当。ざっと1000近くいる。それだけじゃなくてその後には西の主もせめて来る。」
ルーが淡々と伝えるがそれを聞いていた周りの兵士も責任者らしき男も顔が一気に青ざめてしまっていた
ルーが声を張り上げ命じる
「聞きなさいリールモルトの勇敢な兵士達。ここの西門は私達三人で守る。」
「危険です姫様!」
周りの兵士が一斉に声をあげルーを止めにかかる。
「大丈夫。ここにはフラミレッラ様もいる。眷属を召喚してもらえれば数は問題ではない」
フラミレッラと聞いてみんなが少しほっとしたようだ
「貴方達にしてほしいのは、住民の避難の誘導を早急にお願い。それと恋人がいる者はこの戦いが終わったら結婚しなさい。」
強制的にフラグを立てさせていくぅ!! やめろ!! お前は大事な人の為に意地でも生き残るという気持ちを利用してなんちゅう事言わそうとしてんだよ!!
「はい姫様、実は私も恋人がいまして、この戦いが」
「やめろよ!」
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「これで貴方は生き残る確率が格段に上がった。職務に励むといい」
何だと?!あえてフラグを折る事で死亡する確率を激減させるフラグ折の高等技術を知っているだと?!
こいつ…出来る…
ルーがパチンとこっちを向いてウインクする。
………いや他の大勢の兵士の件は解決してないからね?
まぁ俺達が頑張ればいいんだが…
「これで街の方は大丈夫。最悪の場合でも被害を最小限に抑える事が出来ると思う。」
こうしてみるとやっぱり姫様なんだなぁ。 戦う姫様。 騎士だったら、くっころ要因待ったなしだな。
「さぁ私達は団体様がくるまでゴロゴロしておきましょう」
眷属の虎の魔物の上でゴロゴロしだした。
「いやフララさんよ、ゴロゴロはちとまずいでしょう」
「そうかしら?私の趣味は他人があくせく働かないと回らない環境の中で踏ん反りかえってただ煽る事よ」
最低だよ!
「まぁフララらしいよ、ほんと…」
「お姉様のその姿が容易に浮かぶ。」
「私本人が一番そう思うわ。」
心地いい風が吹いている西門の前で三人談笑していた。
「じゃあフララは結婚しても家事とかやらないタイプだ」
想像つかねぇわ
「何で私がやらなきゃいけないのかしら?いつでもレイスを呼び出してやらせればいいだけじゃない。それに子供なんて出来たら動けないし」
「…フララって子供出来るの?」
「…ショウのスケベ…」
「試してみる?うふふふ」
いつもの様にからかってくるが最近の接触が多いからその程度ジャブ効かんわ!
「そうだねこれが終わったらね。」
「…ショウ生きて帰れないの確定した。」
「…あ」
「うふふふバカね自分でチャンスを棒に振って…出来るわよ多分。毎月来るし。作った事ないからわからないけど」
そりゃそうだ
「お姉様は大好きだけど、でも最初は譲れない。」
「わかってるわよ。最初は譲ってあげる。その後は知らないわよ?」
あー俺今主人公やってるわー
「そういややっぱりこの世界じゃ一夫多妻制なの?」
異世界と言えば主人公の一夫多妻のハーレム結婚が基本だよなぁ、俺も二人娶ってぐふふふ
「………何言ってるのショウ。一夫一妻制に決まってる。」
…そマ?
異世界と言えば一夫多妻制が基本でしょう! 主人公が次々にヒロインを助けて落として、次々に美人を物にして女の子とキャッキャウフフの生活をするのが異世界の基本なのテンプレなの理想なの夢なの願望なの! 異論は認めん!
「異世界と言えば一夫多妻制が基本でしょう! 主人公が次々にヒロインを助けて落として、次々に美人を物にして女の子とキャッキャウフフの生活をするのが異世界の基本なのテンプレなの! 異論は認めん!な~んて事を心で思ってるんじゃないかしら?」
何そのコピペしたような正確さ?! どうやって心を読んだ?! 心が通じてるってこういう事じゃないと思うの…
だが詰めが甘かったな、最後の 、理想なの夢なの願望なの! さえわからなければ何の問題はないのだ。あくまで物語の流れを語っただけだ!
「お姉様、ショウなら最後に 『理想なの夢なの願望なの 』っていうのも絶対に思ってる。」
だがしかし周りは囲まれた…現実は所持金半分でリスタートなんてないんだぜ?
「まぁ私は人間じゃないわけだしそもそも、結婚は正式にはできないから気にする必要ないんじゃないかしら?」
「そういやそうだった。ついつい忘れんだよねー」
「私を人間扱いしてくれるのは貴方達だけよ」
嬉しそうに優しさを込めた笑顔で俺達を見る
「ルーのお父さんは王様だから三人も妻がいるわけか。」
「そう。王様になるとか、大貴族になれば一夫多妻制も認められる。ショウはそんなに女の子を沢山囲いたいの?」
「んーにゃ二人だけで十分だよ。」
「…そう。」
…そう。マイスターの俺が断言する。 これは嬉しい…そう。だ。 It's my soul!
そんな他愛もないやり取りをしていると【レーダー】でそろそろ見えくる距離だと確認した。
「姫様敵が見えてきました!私達も城壁まで来た物を弓でやります!どうかご武運を!」
城壁を見てみると多くの兵が弓を持って戦闘態勢を整えていた。中には兵士長にしごかれた時に知り合った物もいる。
あ、あれアルドか。 最初の訓練の時にボコられて世話になったなぁ確か…
「アルドー!!」
「おうショウか、お前大丈夫なのか?」
「まぁ成長はしたから多分大丈夫だと思う! そういやお前恋人いたよね? これ終わったらどうすんの?」
「あぁ!これ終わったら結婚するぞ!」
よし誘導成功!したらな!
「まぁ頑張れよプププ」
「何か嫌な予感がするな…お前も死ぬなよ、お前が生きて帰ったら」
「やめて! 巻き込まないで! さっきのは謝るから!」
「…ショウ集中して…」
「すみません…後五分で来ます…」
ルーに怒られたのでシュンとしながらいつもの同人誌即売会バフを掛けていく
◇ ◇ ◇ ◇
おぉー見えて来たかー結構いるねぇ
大地を揺るがす無数の生命の足音がどんどん近づいてくる。 獣型、虫型、爬虫類型、色々な種類の魔物が何者かから逃げるように西門の方に向かって走ってくる。
見渡しの良い開けた場所に姿を捕らえた
まだまだ遠いが俺の魔法ならそろそろ射程範囲だ。
開幕ぶっぱいっきまーす!
「初手は行かせてもらうよ」
「「了解!」」
二人から元気のいい返事が聞こえる
「蒼炎魔法【蒼炎風】」火+風の複合魔法だ、【蒼炎弾】が単体攻撃ならこっちは範囲攻撃だ
そういうと俺の正面から扇状に蒼い炎の風が激しく吹き荒れて敵に到達し、多くの敵を燃やし尽くす。
「まだまだ!蒼炎魔法【鳳凰】」一定時間自立的に敵を燃やし尽くす。
蒼い炎が鳳凰のような形に変化し、猛スピードで敵の上空を飛んで行く、すると飛び去った後にはただも燃えカスしか残らなかった。
「凄いわね?私必要かしら?引っ込んでても良いと思うけど?」
「まだ連発出来る程練度がないんですよ、広範囲だからあまり練習できなかったし…」
「はぁ…じゃあだいぶ減らしてくれたと思うけど可愛い妹の為に私も働くとするわ」
百合かな?
燃えカスを押しのけるようにどんどん後ろから魔物が追加発注される。
フララがいつも虎の魔物<ニコレーナというらしい>から降りて一歩前にでる
「【骸の嘆き】」
瞬間地面から尖った鋭利な骨が広範囲に出現し、下から魔物達を串刺して絶命させる。
それは今までフラミレッラが殺して来た生物の骨。綺麗な白い骨ではなく血が固まり黒ずんでいて何かを嘆いているようにも感じた。
えっぐ! 遠距離型の攻撃か、いきなり出てくるのを察知するのは困難だな。
「【死の息吹】」
突如黒い風が戦場を吹き抜ける。オーラが薄いであろう魔物達が突如倒れた。風と共に生命力を持っていかれたのだろう。 即死攻撃とかタチ悪すぎ!
後ろからくる魔物が倒れた魔物にぶつかって突撃の勢いが完全に殺された。
「こんなものかしらだいぶ削ったわよ?」
フララがめんどくさそうに言う
するとルーも一歩前に出て来た
「私もそろそろ攻撃できる」
「※※※※ ※※ ※※ ※※ ※※ 【クリムゾンデスサイズ】」
魔法言語で詠唱しすると赤黒い大鎌に炎が宿る、出会った時に見たのと同じだ、いや少し違う少し蒼い炎が混じっていた
「私も成長している、見てて【死神の一振り】」
鎌をカチャリと構えると赤と蒼がまじった炎が更に燃え上がった。振りかぶって 左薙ぎ。 炎の斬撃が魔物の命を刈り取っていく。前に見た時とは違い威力は爆発的に上がり、攻撃範囲はかなり広がっている。
本来前衛なので、これだけできれば十分だろう。
大方片付いて残り100位の魔物が西門近くまで到達していた。
「後は物理で行きますか。」
「「了解」」
ショウは刀を二刀を鞘から抜き、魔物の群れの中を身軽に舞うような剣技で華麗に蹂躙していく。夜空に舞い散る鮮血と魔物の絶叫が織りなす演奏は全滅するまで続いた。
ルーも大鎌で魔物の中を駆け抜けていた、炎は出ていない。大鎌が血を吸っているかの様に刃全体に血が付着し、不気味な赤黒さが一段と増していた。魅了の力を開放し、赤い瞳で敵を同士討ちさせ、鎌で命を刈り取る。 赤い大きな月をバックに戦う様は、死を与える女神その物だった。
二人が蹂躙している中、フラミネッラだけは場違いに魔物中をゆっくり歩いていた。ただ歩いているだけそれだけなのだが周りを魅了するほど優美で品がある。
四方を囲まれているにも関わらず全く動じおらず、その佇まいは魔物ですら膝を折り無条件降伏してしまいそうな雰囲気を出していた。 動けない敵に近づき優しく触れる【腐敗】の力を手に集め開放しただけ。ただそれだけなのだが一瞬で触れられた所から朽ち果てて行く。
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◇ ◇ ◇ ◇
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「あれはあいつの固有の魔術らしい、俺も初めてあいつと戦った時あれに殺されかけたよ」
アルドは苦笑いして答える。
「とんでもない威力だなあの魔術、一瞬で敵を焼き尽くしていったぞ!」
「姫様にフラミネッラ様も凄い。物の数じゃないな。ただフラミネッラ様の術は恐ろしいな一瞬で生命を刈り取られそうだ」
「あの力が俺達に向かうわないのを願うばかりだな」
「おいお前たち気を引き締めろ」
西の城壁の責任者らしき男が声をあげた
「残り100体あまりだが、おそらくこの近くでの乱戦になる、門に近づける前に弓で撃ち殺せ! 最悪中に入られても有志の冒険者と兵士がいるが、ここで撃退しろ!」
「「「「了解!」」」」
「にしてもあのショウとかいう姫様の騎士凄いなまだ戦いを学んでそんなに経ってないんだろ?アルドお前の知り合いか?」
「はい!いつの間にかあんなに強くなってしまい、追い越されてしまいましたが」
「あの蒼い炎は美しいな、そして威力がとんでもない。蒼炎の魔術師といったところか?」
「いえ隊長、自分はあれが魔法だと聞いております」
「魔法?魔法という魔術か?よくわからんが、なら蒼炎の魔法使いといったところか?」
「そんな所でしょうね、でも今は剣で戦ってるみたいですが…あ、剣から蒼い炎出た」
「剣技も美しいな、何の流派だ?あんな音がほとんどない剣知らんぞ。それにあの動き舞いを見ているかのようだ。 姫様もあんな男が守ってくれるなら安心だろ。これで兵士長も。そして俺も安心だ」
「隊長あんたも…」
「叶わぬが夢見るだけならいいだろ?」
責任者がニヤリと笑う。
「一匹抜けて来たぞ、構えろ!!」
◇ ◇ ◇ ◇
三人が一息ついた所、三匹の大蛇が絡み合って出来た三つ首の大蛇がいつの間にかその巨体の姿を現していた。
かすかに魔力を感じる。
「何かいるぞ?!」
「気をつけなさい、あいつの固有の結界術よ!姿を消して近づいてきたのね!」
「…ショウ戦闘準備。」
三匹の大蛇が口を開いた。
「…ほうわしの隠蔽結界を見破るとはやるな」
「やるさ」
「やるみたい」
3匹それぞれ語尾が違うのは仕様か?
三人は激戦の予感と共に三つ首のトライデントスネークと対峙した。
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本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
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