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第二十九話 俺の異世界ライフはここから始まる!
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よく晴れた朝の日差しが窓際に置かれた花々の美しさを引き立て、カーテンを靡かせる冷んやり心地いい風が爽やかな朝の到来を知らせる。
宿の裏に生えた大きな木の葉を、秋の足音を感じさせる青北風が優しく揺らし、秋の訪れを伝えていた。
紅茶のいい香りや、包丁がまな板を撃つ音、焼きたてのパンの匂いが夢の中からゆっくりと現実に引き戻して行く。
「んっうぅ~ん…」
なんか身動き取りづらいなー
まだ重たい瞼を開けると仰向けになった俺の上でうつ伏せになったエメが幸せそうな顔でスヤスヤと俺に抱きついて眠っていた。
何で?! だが実に可愛い! 昨日酔った勢いで妹とか言いつつ、キスまでしちゃったんだよなー… 寝落ちしなければヤバかった… いやむしろ何故寝落ちしたし俺… 可愛さの余り頭を撫でようとするが、腕が動かない??
右を向くとフララが俺の腕を太腿に挟みながらがっちりホールドしてぴったりとくっ付き、少し近づけるだけで春を思わせる桜色の綺麗な唇を奪える距離で、安心し切った表情を浮かべ、安らかに眠っていた。
女性的でどこか官能的とも思える香りが鼻孔をくすぐる。
はぁ、ため息が思わず漏れてしまう程見惚れる寝顔だ。
反対側に感じるこの温もりは…
やっぱりルーだ! 輝く銀髪に目鼻立ちが整った女神の様な混じり気のない純粋な美しさを体現した女性。 この世界で最初に出会った俺の愛しい人。
俺の手に自分の手を絡ませて片時も離れたくない様子で密着していた。
その可愛さに思わず笑みが漏れると、ルーの目がゆっくり開き、綺麗な赤い瞳の中に俺が映る。
「おはよう、ルー」
「おはよう、ショウ。 どうして笑ってたの?」
乱れた俺の髪を手で直しながら話し始めた。
「幸せを噛み締めてたんだよ。 」
「…ショウは今幸せ?」
「幸せだよ、愛するルーがいてフララがいて。 それにエメやイレスティが居る。 これからそんな日が続くと思うと幸せを感じずには居られないかな」
「…そう。 私も今とても幸せ。 でもたまにこれがなくなるんじゃないかと、とても不安になる事もある。 人とヴァンパイアは寿命も違うから。 ショウが居なくなってからの人生は多分辛いだけ。 お姉様も居るけど多分同じ。」
絡ませた指に少し力が入っていた。
「…でも…ショウとのこ、子供がいれば…」
耳まで真っ赤にでモジモジして、物凄い恥ずかしそうだ、何この超可愛い子!! よし今すぐ作ろう!! 両腕が自由なら全力でホールドしたい!!
「その事なんだけど、実は今魔法で老化を止めてるんだ。 向こうに戻れてもこっちと同じ早さで時間が流れているかもわからないし… 事故で死んじゃったらフララにアンデットにでもしてもらうよ」
向こうでは倫理的にとかあったけど、こっちじゃ関係なさそうだしね。 しかしアンデットとは我ながら恐ろしい冗談だ
「それと…子供は…その内必ず…」
これは照れ臭いな。 俺だって愛しい人との子は欲しい。
でも今は帰る方法のが先だ、こっちに来てから避妊具なんてみてないし突然出来ても困るのだ…
「…そう。 色々安心した。 アンデットになっても愛してあげる。」
普通に考えば正気沙汰ではない。 が多分マジだ!
「子供は今出来たらみんな困る。 帰る方法を見つけてショウのご両親にも挨拶しなきゃ。」
ルーがシーツで顔の下半分を突然隠して何か言いずらそうにする。
「…でも… そういうことするのは大丈夫だから我慢しないでね? 避妊する魔術があるから。」
なん……だと?
そんな素晴らしい魔法が…
0.02ミリの中間管理職先輩が不在でも問題ないとは…
薄そうで分厚い彼女との壁となるヤツが必要ない世界… なんと素晴らしき事かな。 俺もうこの世界で生きるよ…
「そんな事言われたら、今我慢出来なくなりそうだよ…」
朝っていうのはですねー、何故か男は元気になりがちなんですよー。 ナニか分かりますよね?
チュっと可愛くフレンチキス
「今はこれで我慢して」
頬を優しく撫で愛おしそうな顔で告げられる
「無理、もう一回」
「…そう。」
軽くキスをして、お互いの息遣いを感じる距離で朝の会話を楽しんでいると、朝食の準備を終えたイレスティが来た。
「オホン、朝食が出来ましたよ、そろそろいかがですか?」
丁度よさそうなタイミングを見計らっていたみたいだ
「ありがとうすぐ起きるよイレスティ」
「いえ、ゆっくりで構いませんよ、昨日はお楽しみでしたもんね?」
少しからかうような口調だ
ふーん、そうくるかなら俺だって
「それを言うならイレスティもお楽しみだったね」
負けじとからかってみる
「な、何の事でしょうか? そ、それでは準備がありますのでし、失礼します!」
顔から火が出そうな位真っ赤にして走り去ってしまった
俺は見ていたからな? 目に焼き付けたからな?!
「貴方も意地悪ね? そういう時は知らないふりしてあげるのがマナーってものじゃないからしら?」
フララも起きたようだ、やや起き上がり寝巻がはだけているのをシーツで隠して耳元で囁くように話す。
「それとも手伝ってあげる気かしら?」
「そんな事は…」
「頼まれたら?」
「……ご要望があれば」
「いつの間にか女慣れしたものね、まぁあの子なら文句はないわ。」
え? 好意的?!
「それに普段侍女の恰好で隠れてるけど、凄かったわよ? 柔らかくて包み込まれるようだったわ」
何してんの?! その瞬間めっちゃ見たいんですけど!
「お姉様何の話をしてるの?」
「イレスティも私達みたいになるかもしれないって事よ」
「…そう。 イレスティはずっと私の専属侍女としての仕事ばかりで、女の幸せも知らない。 イレスティなら別に良い。」
え? なんかイレスティもフラグ立った?! いつどこで主人公属性ついたし! 称号に勇者とかついたか?
「ま、まぁそういうのは本人の意向もあるから… とりあえず起きてご飯食べよ! エメ起きて」
「うぅ~ん… お兄ちゃん? おはよう、ふがふがスリスリ」
「とても可愛くて、お兄ちゃん凄く嬉しいけどご飯冷めちゃうから起きようなー」
「良い匂いするー、エメ起きるよ!」
その後みんでイレスティの作った食事を食べたのだが、イレスティが顔を赤くして下を向いていたのが可愛すぎた。 実に俺はチョロイ
◇ ◇ ◇ ◇
朝ご飯をみんなでワイワイ楽しく食べてから身支度を整え、現在みんなで木造二階建ての大きな建物の前に立っていた。
「冒険者ギルドキターーーーーーーーーーーーーーーー」
「…ショウの病気がまた始まってる」
「何で冒険者に登録するだけでそんなに楽しそうなのかしら?」
「エメも冒険者♪ 冒険者♪」
「ギルドマスターには話が通っているそうなので、登録が終わり次第会いに行きましょう。」
「だって冒険者だぞ?! 異世界に転生または転移してから就職する職種NO1! 信頼と実績の俺Tueeeeeeeで一躍有名人! 何なら国まで作るという偉業を成し遂げるための最初の足がかりがこの冒険者という職業なのだ! ふふふ、俺の異世界ライフはここから始まる!」
「はいはい行きますよー」
「わっ! ルー待って! まだ心の準備が!」
ルーに引きずられながら冒険者ギルドに入った。
「冒険者ギルドの中に入るとそこは、ならず者がたむろする酒場が併設された汗くさい場所だった」
「…ショウ、心の声が口から出てる。」
「んな事は良いんだよ、それよりも気をつけろよみんな!」
周りをキョロキョロする
「お兄ちゃん何を気を付けるの?」
「考えてもみろ、美人&美少女四人に男一人だぞ? テンプレホイホイじゃねぇーか! 『がはははは、いい女だな、俺達にもおこぼれくれよ!』みたいな絡みがあって、バトルになり、その縁でギルドマスターとの初対面を果たすイベント絶対あるから!」
「お兄ちゃん、本当にそんな事あるの?」
「エメよく覚えておくといい。 冒険者ギルドはテンプレイベントと抱き合わせなんだよ! 刺身に醤油、カレーに福神漬け、リア充実にウェイウェイ、ボッチにネット。 これ全て自然の理。」
「何を言っているのか一つも理解できませんが、早く登録しませんか?」
「完全にイレスティに同意ね、エメ、付き合っていたら終わりが来ないからほっといて良いわよ」
「俺は注意したからな! 知らないからな!」
「…ショウ並ぶから早く。」
「…はい」
受付の方に行くと多くの人で込み合っていた。 受付の順番待ちをする者、壁に貼られてた依頼書を吟味する者、受付嬢と用もなく話に来る者…
俺達が並んでいると大きな斧を持ったスキンヘッドの大男が後ろから寄って来た
「がはははは! おい兄ちゃん! いい女連れてるじゃねぇか! 俺にもおこぼれくれよ!」
異世界冒険者ギルドテンプレイベントキターーーーーーーーーーーーーーーーー
「…言葉にしなかったのはよくできました。」
何故心で叫んでたのばれたし!
ふ、それにしてもお前達俺さっきいったよなぁ?! 言ったとおりの展開じゃねぇーか! 俺に謝れよあぁ~ん?
「とまぁ冗談は置いといて、兄ちゃん達見ない顔だし新たに登録だろ? 並ぶ列が違うぜ、向こうだから気をつけろよ、じゃあな!」
「………」
「何鳩が切り刻まれた挙句に、火魔術で燃されてからアンデッドにさせられ、死んでもなお働かされて地獄の苦しみを味わっている最中みたいな顔してるのよ」
どんな顔だよ! 燃やされてるから骨だろ! 表情わかんねぇだろうがよ!
「この世界って結構優しい世界なのかもしれないな…」
「…ショウのいた世界の厳しさに震える。」
会いたくて会いたくて?
並び直して待っていると俺達の番が回って来た。
美人さんの受付嬢だった
「冒険者登録ですね?五人でいいですか?」
「四人で良いわ、私は昔してるから。」
フララは昔にしているらしい。
「それではその他の方をしますのでステータスカードを出して下さい。」
「それとこちらの用紙に記入をお願いいたします。代筆は必要ですか?」
「いいえ大丈夫です」
ルーに書いてもらおう
「それでは軽く説明をさせてもらいますね、冒険者にはランクがあります、SSS、SS、S、A、B、C、D、E、Fですね、初めはFランクからとなりますが、実践試験を受け合格すればもっと上から始める事も可能です。」
Fからちまちま薬草採取とかでも悪くないけど、お金は大事だしDかC位から始められるとベストかな?
「SSSはどんな人ですか?」
「現在いませんね、うちのギルマスなどでもSS止まりです。 相当な偉業をなさないとSSSになるのは不可能でしょう。」
世界を救う位の感じだろうなきっと。 でもこの世界、そういう事なさそうだな。 振りじゃないぞ!
「モンスターのランクも先程のランクと同じです。ソロですと自分と同じランクの討伐依頼までしか受けれませんが、同程度のランクの冒険者でパーティーを組んでいるなら一つ上のランクまでは依頼を受けることが出来ます。」
「SSSというとどれくらいの強さなんでしょうか?」
「さぁ、というのも大昔に存在したという伝説上の魔物ですからね… 空を統べる黄金の龍とか、大地を駆ける馬の様な炎を纏った魔獣だとか、海を統べる白い綺麗な龍の様な蛇のような者など本当に存在しているのかすら現在はわからない存在ですよ。 ですがSSならこの近くにもいますね、SSは単体で国を亡ぼす事も出来る個体です。」
「例えばドラゴンとかですか?」
「ドラゴンはこの辺りにはいませんね。 いるのは常闇の森に居るグールエンペラー、トライデントスネーク、フレイムグリフォン、雷狼ですね」
ん?
「とは言ってもこれらの魔物達は知性もあり人に害をなしているわけでもなく、リールモルト王国の守り神的な存在でもありますので討伐依頼などは出されていません。 それぞれ自分の領域を持っており侵入するものに容赦はしないので、腕試しと行って挑戦して命を無駄にしてはいけませんよ?」
「ははは、気を付けまーす」
乾いた笑いが出た。 完全にうちのペット達と嫁(仮)じゃん
皆も苦笑いを浮かべていた。
「それでは皆さん登録完了ですね。 今日からFランクですが試験は受けますか?」
「ありがとうございます、聞きたいんですけど、ギルマスの部屋ってどこですか?」
「二階の突き当りの右側ですね、何か御用でも?」
「はい、少しだけ。 それが終わったら試験を受けようと思ってます。 それじゃあ行きますね、ありがとうございました!」
そういって頭を下げ、その足で二階のギルマスの部屋の前まで行きドアをノックした。
「入っていいぞー」
低めのいかつい声がドアの向こうから聞こえて来た。
「失礼します」
ドアを開けるとそこには椅子にどかりと座る丸太の様に腕の太いを持つ30代位の男がたばこの様な物をふかしながら何かの書類を見ていた。
「何の用だ?」
男が書類から目を離さずにこちらの問いかける
「ここの領主の紹介で今日は会いに来ました。」
「あー聞いてる。 まぁそこ座れや」
「ありがとうございます」
誘導されたソファーに座る
「それで何のようだ? 忙しいから手短にな」
「単刀直入に行きましょう、情報が欲しいです。 情報ならここが一番と思いまして」
「まぁ一理あるな。 盗賊ギルドなんていうのもあるがな」
そうなん? それも今度当たってみるか
「何の情報だ? 貴族の弱みでもしって蹴落としたいのか?」
俺の事を貴族と聞いているのだろう
「いいえ、アラトラスという組織とその構成員のブライケルという奴の情報。 それと大精霊の情報があれば」
ギルマスの目がさっきまでの顔とは違い冒険者本来の鋭い目つきになる
「お前達それをどこで知った?」
男が今何かしているのを感じるが【アナライズ】を使っても特に異常はないので頬っておく
「本人と直接話しまして」
「…お前達只者じゃないな。 一人はリールモルトの王女、もう一人はグールエンペラー。 これだけでもこの町一つ簡単に壊せる。」
男の目が更に鋭くなり、イレスティがその重圧に耐えるのが辛そうだ。
「それにその緑の女の子。 大精霊?正気とは思えん。 そして極めつけはお前だ。 蒼炎の魔法使い? 常闇の森の主? あのSS級魔物を自由に呼び出せるだと? 樹の大精霊の伴侶? お前世界でも征服するつもりか?」
こいつなぜ称号まで見えている? 宰相さんはそこまで正確じゃなかったはず。 つか蒼炎の魔法使いってなんだし、中二感満載だが…
俺以外は特に驚いていないようだった、タネを知っているのか?
「…ショウ。 多分鑑定の力を使える。 うちの宰相覚えてる? あの人が使う鑑定よりももっと強い鑑定だと思う。」
「ご名答王女様。 冒険者なんで無礼は許してくれ。 俺の鑑定は正確だ。ほぼ全て見える」
「ほぼ?」
「あぁ。さっき見れなくなった。 お前のスキルや称号に見れないのがあるからな。 こんな事は今までなかったからなぁ」
異世界人とか魔法関連かな?
「そうですか、それで教えてもらえますか?」
「…まだお前を信用できんな。 理由を言え」
俺はリールモルトで起こった事を話した
「その件は俺達も知っている。 だが裏にアラトラスがいたとはな。 しかし耳に四つのピアスか、それは初耳だ。」
あんなにわかりやすいサイン普通やらないもんな、一般的に知られてなかったのか
「正直こちらもそんなに情報を掴んでいない。」
「そうですか…」
「だが関係はないかもしれんが、オウマとドプロッドという国は長い事戦争をしている、その街でドラッグを売りさばいてる四つのピアスをした男がいるらしい。」
「もしかしたら何か繋がりがあるかもしれませんね。」
「ちょっといいかしら?」
フララが入って来た
エメは眠そうに俺にもたれかかっている
「今回の事もそうだけど、大きな動きの割にアラトラスという存在が知られていなさすぎるわ。」
「何が言いたいんだ?」
ギルマスの声が更に低くなった
「…色々な国の貴族や組織が絡んでいる。お姉さまはそういいたいの?」
「その通りよ。」
「確かにあんな大それた事が出来る位ですから大きな組織でしょう、動けば必ず痕跡が残るはず。 なのに冒険者ギルドという大きな組織ですら、まともに尻尾を掴めていないとなると…」
イレスティが補足してくれた。
「冒険者ギルドにも内通者、もしくは構成員が潜り込んでるって事か…」
ギルマスは目を瞑り苦々しい表情をしていた。
「まぁこの件はおそらく時間がかかるでしょうが、僕には特殊能力があるので少しずつ詰めて行きます。 もしかしたら力を借りる事があるかもしれないのでその時はお願いします。」
「良いだろう。 ただしこれは極秘だ。 ここ以外で漏らすな。 俺も疑う位の気持ちで行け」
勿論そのつもりだ、完全に信じちゃいない。 俺が信じているのはこの四人だけなのだから
「それじゃあこれはここまでで、次は大精霊の事は何かしりませんか?」
「水の大精霊は昔から海の底のどこかにいるって言われてる。 人魚族なら何か知ってるかもしれんが見つけるのも一苦労だろうな。」
マーメイドいるの?! これは夢が膨らむ… 貝殻ブラ…
「…ショウ、顔のゆるみを引き締めて」
「…はい」
「土の大精霊はこの大陸じゃない東の大陸で何度か目撃されていて祭っている場所があるらしい。そこでヒントがあるかもな。 後の火と風は姿を見たなんて事は聞いた事がないな」
「そうですか…ですがそれだけでも助かりましたありがとうございます!」
「おう、まぁ持ちつ持たれつで行こうや。」
悪い人ではなさそうだな、情報も得れたしそろそろいくか
「お前らFランクじゃ明らかに役不足だろう? 試験受けてくか?」
忘れてた
「はい、お願いします」
「じゃあ俺直々にやってやるよ」
ニヤっと好戦的な笑いが漏れていた。
こ、こいつ戦闘狂タイプか!
宿の裏に生えた大きな木の葉を、秋の足音を感じさせる青北風が優しく揺らし、秋の訪れを伝えていた。
紅茶のいい香りや、包丁がまな板を撃つ音、焼きたてのパンの匂いが夢の中からゆっくりと現実に引き戻して行く。
「んっうぅ~ん…」
なんか身動き取りづらいなー
まだ重たい瞼を開けると仰向けになった俺の上でうつ伏せになったエメが幸せそうな顔でスヤスヤと俺に抱きついて眠っていた。
何で?! だが実に可愛い! 昨日酔った勢いで妹とか言いつつ、キスまでしちゃったんだよなー… 寝落ちしなければヤバかった… いやむしろ何故寝落ちしたし俺… 可愛さの余り頭を撫でようとするが、腕が動かない??
右を向くとフララが俺の腕を太腿に挟みながらがっちりホールドしてぴったりとくっ付き、少し近づけるだけで春を思わせる桜色の綺麗な唇を奪える距離で、安心し切った表情を浮かべ、安らかに眠っていた。
女性的でどこか官能的とも思える香りが鼻孔をくすぐる。
はぁ、ため息が思わず漏れてしまう程見惚れる寝顔だ。
反対側に感じるこの温もりは…
やっぱりルーだ! 輝く銀髪に目鼻立ちが整った女神の様な混じり気のない純粋な美しさを体現した女性。 この世界で最初に出会った俺の愛しい人。
俺の手に自分の手を絡ませて片時も離れたくない様子で密着していた。
その可愛さに思わず笑みが漏れると、ルーの目がゆっくり開き、綺麗な赤い瞳の中に俺が映る。
「おはよう、ルー」
「おはよう、ショウ。 どうして笑ってたの?」
乱れた俺の髪を手で直しながら話し始めた。
「幸せを噛み締めてたんだよ。 」
「…ショウは今幸せ?」
「幸せだよ、愛するルーがいてフララがいて。 それにエメやイレスティが居る。 これからそんな日が続くと思うと幸せを感じずには居られないかな」
「…そう。 私も今とても幸せ。 でもたまにこれがなくなるんじゃないかと、とても不安になる事もある。 人とヴァンパイアは寿命も違うから。 ショウが居なくなってからの人生は多分辛いだけ。 お姉様も居るけど多分同じ。」
絡ませた指に少し力が入っていた。
「…でも…ショウとのこ、子供がいれば…」
耳まで真っ赤にでモジモジして、物凄い恥ずかしそうだ、何この超可愛い子!! よし今すぐ作ろう!! 両腕が自由なら全力でホールドしたい!!
「その事なんだけど、実は今魔法で老化を止めてるんだ。 向こうに戻れてもこっちと同じ早さで時間が流れているかもわからないし… 事故で死んじゃったらフララにアンデットにでもしてもらうよ」
向こうでは倫理的にとかあったけど、こっちじゃ関係なさそうだしね。 しかしアンデットとは我ながら恐ろしい冗談だ
「それと…子供は…その内必ず…」
これは照れ臭いな。 俺だって愛しい人との子は欲しい。
でも今は帰る方法のが先だ、こっちに来てから避妊具なんてみてないし突然出来ても困るのだ…
「…そう。 色々安心した。 アンデットになっても愛してあげる。」
普通に考えば正気沙汰ではない。 が多分マジだ!
「子供は今出来たらみんな困る。 帰る方法を見つけてショウのご両親にも挨拶しなきゃ。」
ルーがシーツで顔の下半分を突然隠して何か言いずらそうにする。
「…でも… そういうことするのは大丈夫だから我慢しないでね? 避妊する魔術があるから。」
なん……だと?
そんな素晴らしい魔法が…
0.02ミリの中間管理職先輩が不在でも問題ないとは…
薄そうで分厚い彼女との壁となるヤツが必要ない世界… なんと素晴らしき事かな。 俺もうこの世界で生きるよ…
「そんな事言われたら、今我慢出来なくなりそうだよ…」
朝っていうのはですねー、何故か男は元気になりがちなんですよー。 ナニか分かりますよね?
チュっと可愛くフレンチキス
「今はこれで我慢して」
頬を優しく撫で愛おしそうな顔で告げられる
「無理、もう一回」
「…そう。」
軽くキスをして、お互いの息遣いを感じる距離で朝の会話を楽しんでいると、朝食の準備を終えたイレスティが来た。
「オホン、朝食が出来ましたよ、そろそろいかがですか?」
丁度よさそうなタイミングを見計らっていたみたいだ
「ありがとうすぐ起きるよイレスティ」
「いえ、ゆっくりで構いませんよ、昨日はお楽しみでしたもんね?」
少しからかうような口調だ
ふーん、そうくるかなら俺だって
「それを言うならイレスティもお楽しみだったね」
負けじとからかってみる
「な、何の事でしょうか? そ、それでは準備がありますのでし、失礼します!」
顔から火が出そうな位真っ赤にして走り去ってしまった
俺は見ていたからな? 目に焼き付けたからな?!
「貴方も意地悪ね? そういう時は知らないふりしてあげるのがマナーってものじゃないからしら?」
フララも起きたようだ、やや起き上がり寝巻がはだけているのをシーツで隠して耳元で囁くように話す。
「それとも手伝ってあげる気かしら?」
「そんな事は…」
「頼まれたら?」
「……ご要望があれば」
「いつの間にか女慣れしたものね、まぁあの子なら文句はないわ。」
え? 好意的?!
「それに普段侍女の恰好で隠れてるけど、凄かったわよ? 柔らかくて包み込まれるようだったわ」
何してんの?! その瞬間めっちゃ見たいんですけど!
「お姉様何の話をしてるの?」
「イレスティも私達みたいになるかもしれないって事よ」
「…そう。 イレスティはずっと私の専属侍女としての仕事ばかりで、女の幸せも知らない。 イレスティなら別に良い。」
え? なんかイレスティもフラグ立った?! いつどこで主人公属性ついたし! 称号に勇者とかついたか?
「ま、まぁそういうのは本人の意向もあるから… とりあえず起きてご飯食べよ! エメ起きて」
「うぅ~ん… お兄ちゃん? おはよう、ふがふがスリスリ」
「とても可愛くて、お兄ちゃん凄く嬉しいけどご飯冷めちゃうから起きようなー」
「良い匂いするー、エメ起きるよ!」
その後みんでイレスティの作った食事を食べたのだが、イレスティが顔を赤くして下を向いていたのが可愛すぎた。 実に俺はチョロイ
◇ ◇ ◇ ◇
朝ご飯をみんなでワイワイ楽しく食べてから身支度を整え、現在みんなで木造二階建ての大きな建物の前に立っていた。
「冒険者ギルドキターーーーーーーーーーーーーーーー」
「…ショウの病気がまた始まってる」
「何で冒険者に登録するだけでそんなに楽しそうなのかしら?」
「エメも冒険者♪ 冒険者♪」
「ギルドマスターには話が通っているそうなので、登録が終わり次第会いに行きましょう。」
「だって冒険者だぞ?! 異世界に転生または転移してから就職する職種NO1! 信頼と実績の俺Tueeeeeeeで一躍有名人! 何なら国まで作るという偉業を成し遂げるための最初の足がかりがこの冒険者という職業なのだ! ふふふ、俺の異世界ライフはここから始まる!」
「はいはい行きますよー」
「わっ! ルー待って! まだ心の準備が!」
ルーに引きずられながら冒険者ギルドに入った。
「冒険者ギルドの中に入るとそこは、ならず者がたむろする酒場が併設された汗くさい場所だった」
「…ショウ、心の声が口から出てる。」
「んな事は良いんだよ、それよりも気をつけろよみんな!」
周りをキョロキョロする
「お兄ちゃん何を気を付けるの?」
「考えてもみろ、美人&美少女四人に男一人だぞ? テンプレホイホイじゃねぇーか! 『がはははは、いい女だな、俺達にもおこぼれくれよ!』みたいな絡みがあって、バトルになり、その縁でギルドマスターとの初対面を果たすイベント絶対あるから!」
「お兄ちゃん、本当にそんな事あるの?」
「エメよく覚えておくといい。 冒険者ギルドはテンプレイベントと抱き合わせなんだよ! 刺身に醤油、カレーに福神漬け、リア充実にウェイウェイ、ボッチにネット。 これ全て自然の理。」
「何を言っているのか一つも理解できませんが、早く登録しませんか?」
「完全にイレスティに同意ね、エメ、付き合っていたら終わりが来ないからほっといて良いわよ」
「俺は注意したからな! 知らないからな!」
「…ショウ並ぶから早く。」
「…はい」
受付の方に行くと多くの人で込み合っていた。 受付の順番待ちをする者、壁に貼られてた依頼書を吟味する者、受付嬢と用もなく話に来る者…
俺達が並んでいると大きな斧を持ったスキンヘッドの大男が後ろから寄って来た
「がはははは! おい兄ちゃん! いい女連れてるじゃねぇか! 俺にもおこぼれくれよ!」
異世界冒険者ギルドテンプレイベントキターーーーーーーーーーーーーーーーー
「…言葉にしなかったのはよくできました。」
何故心で叫んでたのばれたし!
ふ、それにしてもお前達俺さっきいったよなぁ?! 言ったとおりの展開じゃねぇーか! 俺に謝れよあぁ~ん?
「とまぁ冗談は置いといて、兄ちゃん達見ない顔だし新たに登録だろ? 並ぶ列が違うぜ、向こうだから気をつけろよ、じゃあな!」
「………」
「何鳩が切り刻まれた挙句に、火魔術で燃されてからアンデッドにさせられ、死んでもなお働かされて地獄の苦しみを味わっている最中みたいな顔してるのよ」
どんな顔だよ! 燃やされてるから骨だろ! 表情わかんねぇだろうがよ!
「この世界って結構優しい世界なのかもしれないな…」
「…ショウのいた世界の厳しさに震える。」
会いたくて会いたくて?
並び直して待っていると俺達の番が回って来た。
美人さんの受付嬢だった
「冒険者登録ですね?五人でいいですか?」
「四人で良いわ、私は昔してるから。」
フララは昔にしているらしい。
「それではその他の方をしますのでステータスカードを出して下さい。」
「それとこちらの用紙に記入をお願いいたします。代筆は必要ですか?」
「いいえ大丈夫です」
ルーに書いてもらおう
「それでは軽く説明をさせてもらいますね、冒険者にはランクがあります、SSS、SS、S、A、B、C、D、E、Fですね、初めはFランクからとなりますが、実践試験を受け合格すればもっと上から始める事も可能です。」
Fからちまちま薬草採取とかでも悪くないけど、お金は大事だしDかC位から始められるとベストかな?
「SSSはどんな人ですか?」
「現在いませんね、うちのギルマスなどでもSS止まりです。 相当な偉業をなさないとSSSになるのは不可能でしょう。」
世界を救う位の感じだろうなきっと。 でもこの世界、そういう事なさそうだな。 振りじゃないぞ!
「モンスターのランクも先程のランクと同じです。ソロですと自分と同じランクの討伐依頼までしか受けれませんが、同程度のランクの冒険者でパーティーを組んでいるなら一つ上のランクまでは依頼を受けることが出来ます。」
「SSSというとどれくらいの強さなんでしょうか?」
「さぁ、というのも大昔に存在したという伝説上の魔物ですからね… 空を統べる黄金の龍とか、大地を駆ける馬の様な炎を纏った魔獣だとか、海を統べる白い綺麗な龍の様な蛇のような者など本当に存在しているのかすら現在はわからない存在ですよ。 ですがSSならこの近くにもいますね、SSは単体で国を亡ぼす事も出来る個体です。」
「例えばドラゴンとかですか?」
「ドラゴンはこの辺りにはいませんね。 いるのは常闇の森に居るグールエンペラー、トライデントスネーク、フレイムグリフォン、雷狼ですね」
ん?
「とは言ってもこれらの魔物達は知性もあり人に害をなしているわけでもなく、リールモルト王国の守り神的な存在でもありますので討伐依頼などは出されていません。 それぞれ自分の領域を持っており侵入するものに容赦はしないので、腕試しと行って挑戦して命を無駄にしてはいけませんよ?」
「ははは、気を付けまーす」
乾いた笑いが出た。 完全にうちのペット達と嫁(仮)じゃん
皆も苦笑いを浮かべていた。
「それでは皆さん登録完了ですね。 今日からFランクですが試験は受けますか?」
「ありがとうございます、聞きたいんですけど、ギルマスの部屋ってどこですか?」
「二階の突き当りの右側ですね、何か御用でも?」
「はい、少しだけ。 それが終わったら試験を受けようと思ってます。 それじゃあ行きますね、ありがとうございました!」
そういって頭を下げ、その足で二階のギルマスの部屋の前まで行きドアをノックした。
「入っていいぞー」
低めのいかつい声がドアの向こうから聞こえて来た。
「失礼します」
ドアを開けるとそこには椅子にどかりと座る丸太の様に腕の太いを持つ30代位の男がたばこの様な物をふかしながら何かの書類を見ていた。
「何の用だ?」
男が書類から目を離さずにこちらの問いかける
「ここの領主の紹介で今日は会いに来ました。」
「あー聞いてる。 まぁそこ座れや」
「ありがとうございます」
誘導されたソファーに座る
「それで何のようだ? 忙しいから手短にな」
「単刀直入に行きましょう、情報が欲しいです。 情報ならここが一番と思いまして」
「まぁ一理あるな。 盗賊ギルドなんていうのもあるがな」
そうなん? それも今度当たってみるか
「何の情報だ? 貴族の弱みでもしって蹴落としたいのか?」
俺の事を貴族と聞いているのだろう
「いいえ、アラトラスという組織とその構成員のブライケルという奴の情報。 それと大精霊の情報があれば」
ギルマスの目がさっきまでの顔とは違い冒険者本来の鋭い目つきになる
「お前達それをどこで知った?」
男が今何かしているのを感じるが【アナライズ】を使っても特に異常はないので頬っておく
「本人と直接話しまして」
「…お前達只者じゃないな。 一人はリールモルトの王女、もう一人はグールエンペラー。 これだけでもこの町一つ簡単に壊せる。」
男の目が更に鋭くなり、イレスティがその重圧に耐えるのが辛そうだ。
「それにその緑の女の子。 大精霊?正気とは思えん。 そして極めつけはお前だ。 蒼炎の魔法使い? 常闇の森の主? あのSS級魔物を自由に呼び出せるだと? 樹の大精霊の伴侶? お前世界でも征服するつもりか?」
こいつなぜ称号まで見えている? 宰相さんはそこまで正確じゃなかったはず。 つか蒼炎の魔法使いってなんだし、中二感満載だが…
俺以外は特に驚いていないようだった、タネを知っているのか?
「…ショウ。 多分鑑定の力を使える。 うちの宰相覚えてる? あの人が使う鑑定よりももっと強い鑑定だと思う。」
「ご名答王女様。 冒険者なんで無礼は許してくれ。 俺の鑑定は正確だ。ほぼ全て見える」
「ほぼ?」
「あぁ。さっき見れなくなった。 お前のスキルや称号に見れないのがあるからな。 こんな事は今までなかったからなぁ」
異世界人とか魔法関連かな?
「そうですか、それで教えてもらえますか?」
「…まだお前を信用できんな。 理由を言え」
俺はリールモルトで起こった事を話した
「その件は俺達も知っている。 だが裏にアラトラスがいたとはな。 しかし耳に四つのピアスか、それは初耳だ。」
あんなにわかりやすいサイン普通やらないもんな、一般的に知られてなかったのか
「正直こちらもそんなに情報を掴んでいない。」
「そうですか…」
「だが関係はないかもしれんが、オウマとドプロッドという国は長い事戦争をしている、その街でドラッグを売りさばいてる四つのピアスをした男がいるらしい。」
「もしかしたら何か繋がりがあるかもしれませんね。」
「ちょっといいかしら?」
フララが入って来た
エメは眠そうに俺にもたれかかっている
「今回の事もそうだけど、大きな動きの割にアラトラスという存在が知られていなさすぎるわ。」
「何が言いたいんだ?」
ギルマスの声が更に低くなった
「…色々な国の貴族や組織が絡んでいる。お姉さまはそういいたいの?」
「その通りよ。」
「確かにあんな大それた事が出来る位ですから大きな組織でしょう、動けば必ず痕跡が残るはず。 なのに冒険者ギルドという大きな組織ですら、まともに尻尾を掴めていないとなると…」
イレスティが補足してくれた。
「冒険者ギルドにも内通者、もしくは構成員が潜り込んでるって事か…」
ギルマスは目を瞑り苦々しい表情をしていた。
「まぁこの件はおそらく時間がかかるでしょうが、僕には特殊能力があるので少しずつ詰めて行きます。 もしかしたら力を借りる事があるかもしれないのでその時はお願いします。」
「良いだろう。 ただしこれは極秘だ。 ここ以外で漏らすな。 俺も疑う位の気持ちで行け」
勿論そのつもりだ、完全に信じちゃいない。 俺が信じているのはこの四人だけなのだから
「それじゃあこれはここまでで、次は大精霊の事は何かしりませんか?」
「水の大精霊は昔から海の底のどこかにいるって言われてる。 人魚族なら何か知ってるかもしれんが見つけるのも一苦労だろうな。」
マーメイドいるの?! これは夢が膨らむ… 貝殻ブラ…
「…ショウ、顔のゆるみを引き締めて」
「…はい」
「土の大精霊はこの大陸じゃない東の大陸で何度か目撃されていて祭っている場所があるらしい。そこでヒントがあるかもな。 後の火と風は姿を見たなんて事は聞いた事がないな」
「そうですか…ですがそれだけでも助かりましたありがとうございます!」
「おう、まぁ持ちつ持たれつで行こうや。」
悪い人ではなさそうだな、情報も得れたしそろそろいくか
「お前らFランクじゃ明らかに役不足だろう? 試験受けてくか?」
忘れてた
「はい、お願いします」
「じゃあ俺直々にやってやるよ」
ニヤっと好戦的な笑いが漏れていた。
こ、こいつ戦闘狂タイプか!
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本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
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