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第三十四話 悲しみの果てに目覚める新たな力
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トントントントントン
テーブルを人差し指で叩く
イライライライライラ
おそーーーーーーい!
俺は指定された酒場でワインを一杯だけ注文して、グラスを傾けながらレオナルドが来るのを30分位は待っていた。
そりゃさ? イケメンは待たせるぐらいがいいかもしれないよ? でもそれって女性に対してじゃん! いつお前と俺のフラグが立ったんだよ!
「もういいや行く、おじさんお会計!」
あいよ!という声と共にささっと会計を済ませて店を出ると雨が降り始めていた。
「うわー雨まで降って来た。 傘は持ってるけどなんかムカつくから一発言ってやらんとな」
ここの二階だな?
ドンドンドン!ドアを強めに叩く、怒ってるからな!
「おーいレオナルド! 遅いからきたぞー」
返事はないが耳をすますと中から金属の衝突音が聞こえてきた
なんだ? …剣がぶつかる音?
何かと戦ってる?! まずい! 【インパクト】
ドカン!ドアを衝撃波で吹き飛ばすと中で黒ずくめの男5人とレオナルドが戦っていた。
「おい大丈夫か?!」
「遅いよ親友。ちょっとまずいかな…」
体を見ると胸を貫かれ、そこら中切らて血まみれで、防戦一方だった。
入り口付近は狭い。 刀じゃ戦い辛いだろう、拳でいく
黒づくめの男三人がこちらに気付き音もなく高速でこちらに向かってくる。
相手の武器は短刀で身のこなしが早い、暗殺タイプだな
【身体強化】【思考加速】【反応強化】【オーラ】【魔法障壁】【エレクトロ】【電光石火】
今はレオナルドの救出が先、最大出力で片づける!
「【魔法拳・土】」
拳に固い岩で出来たスパイクが現れた。
先頭の一人が逆手にもった短刀で、空気を切るような音をさせながら俺の首を狙う
カチン!電光石火と反応強化で俊敏さが異常に高くなっている今なら余裕でしのげる
「食らえゴキブリ野郎!【魔法拳・正拳突き】」
高速で岩のスパイクが付いた拳を打ち出し一人目を気絶させる。 手加減はしたが内蔵はぐちゃぐちゃだろう。
仲間が倒されたのなどお構いなしに、後に2人の短刀も続く。
次は二体同時だ、まとめて片づける!
「【魔法拳・風・疾風脚】」
回転の勢いをつけた回し蹴りに風の魔法を乗せている、手加減バージョンなのでただの衝撃波だが気絶させるには丁度いいだろう。
レオナルドのいる広い部屋なら刀でも問題なさそうだ
「待ってろレオナルド! すぐ行く!雪月風花流 …【三日月】」
音がわずかしか聞こえない瞬足の抜刀術で黒ずくめの二人を切り伏せ、バタンと2人が倒れた。
「大丈夫か?!レオナルド!」
「ははは、ちょっとまずいみたいだよ…このままだと死ぬかな…」
力なく笑った
こんな時の再生魔法だ
「まぁ俺に任せろよ【リカバリー】」
ん?
「【リカバリー】【リカバリー】【リカバリー】!!」
「何でだよ、何で何も起こらないんだよ!」
「僕は輝人だからね… 根本的に人とは違う生き物なんだよ…」
「嘘だろ…【アナライズ】」
※非生命体。解析不可能。
「どういうことだよ普通の人間と一緒じゃないか、なんでだよ!」
「これが僕達輝人が狩られる理由だよ、人間とは違うからただの宝石程度にしか思われない…ぐっ」
苦しそうに胸を押さえて血を吐き出す
「おい!なんかないのかよ…何か…そうだ!お前が作った薬あるだろう?!」
「あれは…ダメだよ…いも…うとの為に使ってやりたいんだ…」
「何言ってんだよ! お前に使ってまた集めたらいいだろ、また手伝ってやるよ! だから寄こせよ早く!」
「だめ…なんだよ…もうこの世にない…素材…も使ってるから…」
「そんな…」
どうする? どうする? マナを使った再生魔法は生命体にしか効果がない。 生き物と認識されないレオナルドには多分意味がないどうする、どうすれば…
「ショウ君…この…薬を…いも…うとに届けて…くれないか?」
「ちょっと待てよ、何でそんな最後みたいに言うんだよ… まだ俺はお前に何も話してないんだぞ… これから…」
「あはは…ワインでも…飲みながら…きき…たかったな…ぐうぇっ!」
口から更に大量に血が溢れる
「良いよ今度話してやるよ、俺は故郷に帰る方法を探してるんだ、お前も一緒に…一緒にさ…」
「それは…たのし…そうだね…」
生きも絶え絶えで辛そうだった
「時間がないから良く聞いて…はぁ…僕の胸にある核を…ショウ君の中に移植…して。そうすれば…僕の集落の魔術…はぁはぁ…結界を解ける…から…」
「…」
「妹の名前はレデリ… 親友頼むよ… これを飲ませて助けてやってくれ…」
震える手で一本の薬を俺に手渡した
「あぁ…必ず届けるよ…必ず…」
俺は泣いてるのだろうか?… 自分の無力さを嘆き、手の平から血が出る位強く拳を握っていた。
「死んだら…核の…力がなくなる…から…その前に…君の力で…移植…してくれ…」
「…俺に殺させるのかよ… 残酷だなお前は…」
「君にしか…頼めないからね… 君は僕の親友だろ? それに…これなら…はぁ…君の故郷…にも…はぁはぁ…一緒にいける…」
俺は何も言えず、溢れる涙をどうすることもできないでいた。 やっぱり俺泣いてたんだ。
「だから頼むよ… 親友」
最後だと言うのにいつもの笑顔を浮かべ、震える力のない拳を突きだしてくる
「あぁ…任せとけよ。親友」
俺は拳を合わせながらもう一方の手で胸にあるという核を抜き出す
「ぐぅぁっ! うぅぐっあぁああぁああ!!」
口から大量に血が流れ、痛みをこらえる声が部屋中に響いていいた…
それは核が抜き終わるまで続き、核が体から離れる瞬間合わせた拳も力なく地に落ちた。
親友の想いを無駄にしないように自分の胸に核を埋め込む。 が拒否反応か激痛が走る。
「ぐぁぁぁああああ!」
思わず声をあげる…
【リカバリー】【リカバリー】
だめだ効き目が薄い。 魔力と魔素を融合させマナを練り再生魔法として出力すると、核が体に馴染み、痛みが引き始める
何とか馴染んだようだ
「はぁはぁ…」
俺は息も絶え絶えに仰向けになっていた。
そして起き上がり、親友の顔をみる。 安らかな綺麗な顔をしている。 ただ眠ってるみたいだ。
力なく事切れた親友をみると、まもなく現実が襲ってきた…
「…俺が…殺した……」
自分の無力感、大事な友を失った喪失感、何かが抜け落ちてしまったような虚無感、罪悪感、怒り、悲しみ色々な感情が防波堤をなくし一気に流れ出し
「うわわぁぁああぁぁああぁああ!!!!!」
壊れた。
友の血で染まった手でその場にいた五人を殴り殺した。 死んでもなお悪戯に無心で殴り続けた。
友と暗殺者が作った血だまりの中を歩き一枚の地図を見つける。
そこには集落の場所とアラトラスのブラシーナ支部のアジトに印がついていた。
◇ ◇ ◇ ◇
先程とは違いを一粒一粒が大きく全てを水に流してしまう程の豪雨が降り続く中、空ろな黒い瞳の男が街のはずれにある屋敷を訪れていた
「おいお前止まれ! ここに何のようだ?」
門番が雨のなか傘を差し、その男が歩いてくるのを大声で止める
「結晶魔法【晶刀・紅玉・ 蒼玉 】」
男がそういうとルビーで出来た長刀とサファイアで出来た小太刀が男の両手に現れた
「お、貴様! 下がれ!それ以上近づく…」
「晶二刀嘯風弄月流…篠突雨」
それは、こびり付いた悲しみや憎しみ、苦しみまでも水に流してしまいそうな程激しい雨に似た斬撃の雨
「うぎゃー!お前一体…」
門番は一瞬でバラバラになりその人生を終えた。
その男の斬撃により金属で出来た門も男と一緒にバラバラに切り刻まれ男の侵入を許してしまう
庭を歩くと侵入者に気づいた警備の者がぞろぞろと集まってくる。
「侵入者だ! 矢を放て! 殺せ!」
「【魔法障壁・ダイア】」
男の目の前に飛んでいた矢がすべて輝く何かの壁に弾かれるように落ちていく
「あいつなんか仕込んでやがる! 直接叩け!」
「うぉおおお!」
両手持ちのかなり重いであろう武器で男を真っ二つにせんと力一杯に振り下ろす
このまま当たれば頭から真っ二つ。 なのだが
ガキン!という音と共に男に届く前に壁で弾かれた。
そのスキを男は逃さず赤と蒼の刀で細切れにされる。
【電光石火】
男がそう呟いた瞬間に屋敷中に男達に断末魔が無数に轟、その数だけ肉塊が生まれた
そして男は一際大きな扉の部屋の前に立ち、その扉を輝く綺麗な刀でぶった切った。
ドン。扉が倒れると、前には椅子に余裕で座っている男がいた。
「聞いてるよ? 君がリールモルトの計画を頓挫させた張本人。 そうだね?」
うつろな目の男が口を開く
「レオナルドに暗殺者を送ったのはお前か?」
「ひどいなぁ、なんで私が」
ボトリ
「ぎゃぁあぁああ!」
右手首が落ちていた。
「質問に答えろ。 お前が送ったのか?」
「ふふふ、あぁそうだ! 俺が送ってやった! お前は俺達に宣戦布告してるからな、誰がやられても問題ないだろ? 次はあの女達の誰かかもなぁ?! 死ね!」
男は手に暗器を仕込んでおり黒髪の男の顔を狙った
だがその男は軽く受け流し全力の右フック。
手首から先のない男が、殴られて吹き飛び大きな窓にぶつかる。
バリーン!ガラスが割れ男がに放り出された。
「うぅっ! 俺を殺しても意味はないぞ? 俺なんて末端の末端うぐっ」
「しらねぇよ」
胸に赤い刀が刺さる
「まだ始まったばかりだ、お前たちの地獄はな!」
胸を刺された男をあお向けになりながら、口から血を流し大粒の雨に打たれ叫んだ
ブス
「ぐわぁ!」
ザク
「うっ」
ブス
「やめ」
ザク
「や…」
ブス
「…ゃ」
ザク
死んだ。
屋敷中に死体を生み出した男は大雨の中、既に動かない人の形をしたただの肉を永遠と刀で刺してた
ブス
友を自ら殺した苦しみ
ザク
初めて人を殺めた感触
ブス
刀が人の体を切り裂き骨が切れる音
ザク
手に残る刀が肉にめり込む感覚
ブス
死ぬ間際に絶望で生気を失う目
ザク
死ぬ間際の断末魔
ブス
のし掛かる命の重み
ザク
押しつぶされそうな罪悪感
ブス
流れ出る生暖かい血液
ザク
胃から込み上げてくる不快感
ブス
激し雨に全てを洗い流して貰えれば…
ザク
刺すたびに少し動くただの肉塊
ブス
えぐれる肉、眼球、中身が見えた腹
ザク
原型などもうない。
ブス
ザク
ブス
ザク
ブス
ザク
ブス
「…もういいよ…もういい…」
ザク
雨で冷え切った体に人の暖かさを感じる。
ブス
「…もうやめて…」
ザク
ブス
「…ショウ…もうやめて…」
動きを止めた。
「ルー? どうしたの? なんで泣いてるの?」
雨の中でもわかる程彼女は泣いていた。
「ごめん一人にしないって言ったのに…言ったのに…」
ルーが俺のローブを掴ん力強く言った
「大丈夫だよ…ちょっと辛かっただけだから…」
俺は今泣いてるのかな? どんな顔してるんだろう… 雨が強すぎてわかんないや…
「…嘘。ちょっとじゃない。そんな器用に笑うの見た事ない」
俺笑ってたのか
「ひどいな。 いつもと変わらないよ」
ルーが力いっぱい抱きしめる
「大丈夫… 一人で背負わせない。 我慢しないで…」
その言葉が張り詰めていた緊張の糸を切った。
無理やり蓋をして抑えていた感情が、ルーによって優しく箍がはずされた事によって溢れ出てくる。
両手の力が抜けてしまい手に持っていた刀を落とした。
空いた手で力一杯抱きしめ返し、震えた声で溢れ出た感情が言葉となる。
「俺さ…あいつの事割と好きだったんだよ…」
「うん。」
「楽しかったんだよ。 初めて出来た友達だったから」
「うん。」
「もっと一緒に話したり、旅したり」
「うん。」
「一緒に俺の故郷連れてって驚かせたりさ…」
「うん。」
「これからの事楽しみにしてたんだよ」
「うん。」
「でも俺が殺したんだよ」
「うん。」
ルーの抱きしめる腕に力がはいる。
「俺がこの手で… 初めて殺した人が… 初めて出来た友達なんだ」
「うん。」
「俺… もう… 死にた」
唇で遮られた。
「…聞きたくない。 それ以上は私を殺すのと同じだよ? ショウは私も殺すの?」
「…」
「二度目は止めない。 でもそれならまず貴方の手で私を殺して。 貴方になら殺されても構わない。 ショウの番はその後。」
この世界に来て初めてみた大きな真っ赤な満月を思い起こさせる綺麗な赤い瞳で、嘘偽りない真剣な目で俺を見る。
「ルーはずるいよ。 そんな事言ったら死ねないじゃないか…」
「私はずるいから。 貴方が先に逝くなんて自分が死ぬより辛い。だから貴方がどんなに苦しくても死ぬのは私が先。 私を手にかけるのは貴方。」
「何重苦させるつもりだよ」
「…いつもの笑顔に戻って来た。」
「不器用って事?」
「…素敵って事。」
激しい雨の中二人の唇が触れる。
ルーメリアの優しさが、殺した者の血を洗い流すこの雨のように、心の中の黒い塊も流していった。
誰もが避ける大雨の中、2人はこの雨のような大粒の涙を流し泣いてた。
まるで自分達の後悔や自責の念を涙に宿し、雨に混ぜて消し去ろうとするかの様に。
◇ ◇ ◇ ◇
その日みんなの泊ってる宿には戻らず二人で宿を取る事にした。
もうお風呂で暖まり二人でシーツの中だ
「本当にいいの?」
「…うん。 優しくなんてしなくていい… ショウの辛い気持ちも、罪悪感も、全部受け止めるから…」
「…わかった…」
ライト消し唇を味わう、そうして二つの影が重なる…
まだ消化しきれていない感情のせいで乱暴になってしまう。
後悔や罪悪感を彼女の体に荒々しくぶつけた。
それは無理やり犯しているように見えるほど自分勝手で配慮に欠ける最低の行為だったが、彼女は全てを受け止め、体を貪る彼を優しい愛情で包み込んだ。
人生とは選択の連続である。 無数に枝分かれしているが、未来は常に一つで選ばれなかった未来は破棄される。
それがどんなに残酷だったり、素晴らしい未来だったとしても。
もしもあの時こうしていれば、もしもあの時こうしなければ… でも、もしも俺があの時お前を…
そんな仮定などに意味はない。 意味は…ないのだ。
ははは、これじゃあまたそんな仮定は無駄だよって怒られるな。 なぁ親友よ、お前との約束、必ず守るからな。
そう思いながら、窓際のテーブルで月明かりを肴に拳を胸に当てワインを煽った。
テーブルを人差し指で叩く
イライライライライラ
おそーーーーーーい!
俺は指定された酒場でワインを一杯だけ注文して、グラスを傾けながらレオナルドが来るのを30分位は待っていた。
そりゃさ? イケメンは待たせるぐらいがいいかもしれないよ? でもそれって女性に対してじゃん! いつお前と俺のフラグが立ったんだよ!
「もういいや行く、おじさんお会計!」
あいよ!という声と共にささっと会計を済ませて店を出ると雨が降り始めていた。
「うわー雨まで降って来た。 傘は持ってるけどなんかムカつくから一発言ってやらんとな」
ここの二階だな?
ドンドンドン!ドアを強めに叩く、怒ってるからな!
「おーいレオナルド! 遅いからきたぞー」
返事はないが耳をすますと中から金属の衝突音が聞こえてきた
なんだ? …剣がぶつかる音?
何かと戦ってる?! まずい! 【インパクト】
ドカン!ドアを衝撃波で吹き飛ばすと中で黒ずくめの男5人とレオナルドが戦っていた。
「おい大丈夫か?!」
「遅いよ親友。ちょっとまずいかな…」
体を見ると胸を貫かれ、そこら中切らて血まみれで、防戦一方だった。
入り口付近は狭い。 刀じゃ戦い辛いだろう、拳でいく
黒づくめの男三人がこちらに気付き音もなく高速でこちらに向かってくる。
相手の武器は短刀で身のこなしが早い、暗殺タイプだな
【身体強化】【思考加速】【反応強化】【オーラ】【魔法障壁】【エレクトロ】【電光石火】
今はレオナルドの救出が先、最大出力で片づける!
「【魔法拳・土】」
拳に固い岩で出来たスパイクが現れた。
先頭の一人が逆手にもった短刀で、空気を切るような音をさせながら俺の首を狙う
カチン!電光石火と反応強化で俊敏さが異常に高くなっている今なら余裕でしのげる
「食らえゴキブリ野郎!【魔法拳・正拳突き】」
高速で岩のスパイクが付いた拳を打ち出し一人目を気絶させる。 手加減はしたが内蔵はぐちゃぐちゃだろう。
仲間が倒されたのなどお構いなしに、後に2人の短刀も続く。
次は二体同時だ、まとめて片づける!
「【魔法拳・風・疾風脚】」
回転の勢いをつけた回し蹴りに風の魔法を乗せている、手加減バージョンなのでただの衝撃波だが気絶させるには丁度いいだろう。
レオナルドのいる広い部屋なら刀でも問題なさそうだ
「待ってろレオナルド! すぐ行く!雪月風花流 …【三日月】」
音がわずかしか聞こえない瞬足の抜刀術で黒ずくめの二人を切り伏せ、バタンと2人が倒れた。
「大丈夫か?!レオナルド!」
「ははは、ちょっとまずいみたいだよ…このままだと死ぬかな…」
力なく笑った
こんな時の再生魔法だ
「まぁ俺に任せろよ【リカバリー】」
ん?
「【リカバリー】【リカバリー】【リカバリー】!!」
「何でだよ、何で何も起こらないんだよ!」
「僕は輝人だからね… 根本的に人とは違う生き物なんだよ…」
「嘘だろ…【アナライズ】」
※非生命体。解析不可能。
「どういうことだよ普通の人間と一緒じゃないか、なんでだよ!」
「これが僕達輝人が狩られる理由だよ、人間とは違うからただの宝石程度にしか思われない…ぐっ」
苦しそうに胸を押さえて血を吐き出す
「おい!なんかないのかよ…何か…そうだ!お前が作った薬あるだろう?!」
「あれは…ダメだよ…いも…うとの為に使ってやりたいんだ…」
「何言ってんだよ! お前に使ってまた集めたらいいだろ、また手伝ってやるよ! だから寄こせよ早く!」
「だめ…なんだよ…もうこの世にない…素材…も使ってるから…」
「そんな…」
どうする? どうする? マナを使った再生魔法は生命体にしか効果がない。 生き物と認識されないレオナルドには多分意味がないどうする、どうすれば…
「ショウ君…この…薬を…いも…うとに届けて…くれないか?」
「ちょっと待てよ、何でそんな最後みたいに言うんだよ… まだ俺はお前に何も話してないんだぞ… これから…」
「あはは…ワインでも…飲みながら…きき…たかったな…ぐうぇっ!」
口から更に大量に血が溢れる
「良いよ今度話してやるよ、俺は故郷に帰る方法を探してるんだ、お前も一緒に…一緒にさ…」
「それは…たのし…そうだね…」
生きも絶え絶えで辛そうだった
「時間がないから良く聞いて…はぁ…僕の胸にある核を…ショウ君の中に移植…して。そうすれば…僕の集落の魔術…はぁはぁ…結界を解ける…から…」
「…」
「妹の名前はレデリ… 親友頼むよ… これを飲ませて助けてやってくれ…」
震える手で一本の薬を俺に手渡した
「あぁ…必ず届けるよ…必ず…」
俺は泣いてるのだろうか?… 自分の無力さを嘆き、手の平から血が出る位強く拳を握っていた。
「死んだら…核の…力がなくなる…から…その前に…君の力で…移植…してくれ…」
「…俺に殺させるのかよ… 残酷だなお前は…」
「君にしか…頼めないからね… 君は僕の親友だろ? それに…これなら…はぁ…君の故郷…にも…はぁはぁ…一緒にいける…」
俺は何も言えず、溢れる涙をどうすることもできないでいた。 やっぱり俺泣いてたんだ。
「だから頼むよ… 親友」
最後だと言うのにいつもの笑顔を浮かべ、震える力のない拳を突きだしてくる
「あぁ…任せとけよ。親友」
俺は拳を合わせながらもう一方の手で胸にあるという核を抜き出す
「ぐぅぁっ! うぅぐっあぁああぁああ!!」
口から大量に血が流れ、痛みをこらえる声が部屋中に響いていいた…
それは核が抜き終わるまで続き、核が体から離れる瞬間合わせた拳も力なく地に落ちた。
親友の想いを無駄にしないように自分の胸に核を埋め込む。 が拒否反応か激痛が走る。
「ぐぁぁぁああああ!」
思わず声をあげる…
【リカバリー】【リカバリー】
だめだ効き目が薄い。 魔力と魔素を融合させマナを練り再生魔法として出力すると、核が体に馴染み、痛みが引き始める
何とか馴染んだようだ
「はぁはぁ…」
俺は息も絶え絶えに仰向けになっていた。
そして起き上がり、親友の顔をみる。 安らかな綺麗な顔をしている。 ただ眠ってるみたいだ。
力なく事切れた親友をみると、まもなく現実が襲ってきた…
「…俺が…殺した……」
自分の無力感、大事な友を失った喪失感、何かが抜け落ちてしまったような虚無感、罪悪感、怒り、悲しみ色々な感情が防波堤をなくし一気に流れ出し
「うわわぁぁああぁぁああぁああ!!!!!」
壊れた。
友の血で染まった手でその場にいた五人を殴り殺した。 死んでもなお悪戯に無心で殴り続けた。
友と暗殺者が作った血だまりの中を歩き一枚の地図を見つける。
そこには集落の場所とアラトラスのブラシーナ支部のアジトに印がついていた。
◇ ◇ ◇ ◇
先程とは違いを一粒一粒が大きく全てを水に流してしまう程の豪雨が降り続く中、空ろな黒い瞳の男が街のはずれにある屋敷を訪れていた
「おいお前止まれ! ここに何のようだ?」
門番が雨のなか傘を差し、その男が歩いてくるのを大声で止める
「結晶魔法【晶刀・紅玉・ 蒼玉 】」
男がそういうとルビーで出来た長刀とサファイアで出来た小太刀が男の両手に現れた
「お、貴様! 下がれ!それ以上近づく…」
「晶二刀嘯風弄月流…篠突雨」
それは、こびり付いた悲しみや憎しみ、苦しみまでも水に流してしまいそうな程激しい雨に似た斬撃の雨
「うぎゃー!お前一体…」
門番は一瞬でバラバラになりその人生を終えた。
その男の斬撃により金属で出来た門も男と一緒にバラバラに切り刻まれ男の侵入を許してしまう
庭を歩くと侵入者に気づいた警備の者がぞろぞろと集まってくる。
「侵入者だ! 矢を放て! 殺せ!」
「【魔法障壁・ダイア】」
男の目の前に飛んでいた矢がすべて輝く何かの壁に弾かれるように落ちていく
「あいつなんか仕込んでやがる! 直接叩け!」
「うぉおおお!」
両手持ちのかなり重いであろう武器で男を真っ二つにせんと力一杯に振り下ろす
このまま当たれば頭から真っ二つ。 なのだが
ガキン!という音と共に男に届く前に壁で弾かれた。
そのスキを男は逃さず赤と蒼の刀で細切れにされる。
【電光石火】
男がそう呟いた瞬間に屋敷中に男達に断末魔が無数に轟、その数だけ肉塊が生まれた
そして男は一際大きな扉の部屋の前に立ち、その扉を輝く綺麗な刀でぶった切った。
ドン。扉が倒れると、前には椅子に余裕で座っている男がいた。
「聞いてるよ? 君がリールモルトの計画を頓挫させた張本人。 そうだね?」
うつろな目の男が口を開く
「レオナルドに暗殺者を送ったのはお前か?」
「ひどいなぁ、なんで私が」
ボトリ
「ぎゃぁあぁああ!」
右手首が落ちていた。
「質問に答えろ。 お前が送ったのか?」
「ふふふ、あぁそうだ! 俺が送ってやった! お前は俺達に宣戦布告してるからな、誰がやられても問題ないだろ? 次はあの女達の誰かかもなぁ?! 死ね!」
男は手に暗器を仕込んでおり黒髪の男の顔を狙った
だがその男は軽く受け流し全力の右フック。
手首から先のない男が、殴られて吹き飛び大きな窓にぶつかる。
バリーン!ガラスが割れ男がに放り出された。
「うぅっ! 俺を殺しても意味はないぞ? 俺なんて末端の末端うぐっ」
「しらねぇよ」
胸に赤い刀が刺さる
「まだ始まったばかりだ、お前たちの地獄はな!」
胸を刺された男をあお向けになりながら、口から血を流し大粒の雨に打たれ叫んだ
ブス
「ぐわぁ!」
ザク
「うっ」
ブス
「やめ」
ザク
「や…」
ブス
「…ゃ」
ザク
死んだ。
屋敷中に死体を生み出した男は大雨の中、既に動かない人の形をしたただの肉を永遠と刀で刺してた
ブス
友を自ら殺した苦しみ
ザク
初めて人を殺めた感触
ブス
刀が人の体を切り裂き骨が切れる音
ザク
手に残る刀が肉にめり込む感覚
ブス
死ぬ間際に絶望で生気を失う目
ザク
死ぬ間際の断末魔
ブス
のし掛かる命の重み
ザク
押しつぶされそうな罪悪感
ブス
流れ出る生暖かい血液
ザク
胃から込み上げてくる不快感
ブス
激し雨に全てを洗い流して貰えれば…
ザク
刺すたびに少し動くただの肉塊
ブス
えぐれる肉、眼球、中身が見えた腹
ザク
原型などもうない。
ブス
ザク
ブス
ザク
ブス
ザク
ブス
「…もういいよ…もういい…」
ザク
雨で冷え切った体に人の暖かさを感じる。
ブス
「…もうやめて…」
ザク
ブス
「…ショウ…もうやめて…」
動きを止めた。
「ルー? どうしたの? なんで泣いてるの?」
雨の中でもわかる程彼女は泣いていた。
「ごめん一人にしないって言ったのに…言ったのに…」
ルーが俺のローブを掴ん力強く言った
「大丈夫だよ…ちょっと辛かっただけだから…」
俺は今泣いてるのかな? どんな顔してるんだろう… 雨が強すぎてわかんないや…
「…嘘。ちょっとじゃない。そんな器用に笑うの見た事ない」
俺笑ってたのか
「ひどいな。 いつもと変わらないよ」
ルーが力いっぱい抱きしめる
「大丈夫… 一人で背負わせない。 我慢しないで…」
その言葉が張り詰めていた緊張の糸を切った。
無理やり蓋をして抑えていた感情が、ルーによって優しく箍がはずされた事によって溢れ出てくる。
両手の力が抜けてしまい手に持っていた刀を落とした。
空いた手で力一杯抱きしめ返し、震えた声で溢れ出た感情が言葉となる。
「俺さ…あいつの事割と好きだったんだよ…」
「うん。」
「楽しかったんだよ。 初めて出来た友達だったから」
「うん。」
「もっと一緒に話したり、旅したり」
「うん。」
「一緒に俺の故郷連れてって驚かせたりさ…」
「うん。」
「これからの事楽しみにしてたんだよ」
「うん。」
「でも俺が殺したんだよ」
「うん。」
ルーの抱きしめる腕に力がはいる。
「俺がこの手で… 初めて殺した人が… 初めて出来た友達なんだ」
「うん。」
「俺… もう… 死にた」
唇で遮られた。
「…聞きたくない。 それ以上は私を殺すのと同じだよ? ショウは私も殺すの?」
「…」
「二度目は止めない。 でもそれならまず貴方の手で私を殺して。 貴方になら殺されても構わない。 ショウの番はその後。」
この世界に来て初めてみた大きな真っ赤な満月を思い起こさせる綺麗な赤い瞳で、嘘偽りない真剣な目で俺を見る。
「ルーはずるいよ。 そんな事言ったら死ねないじゃないか…」
「私はずるいから。 貴方が先に逝くなんて自分が死ぬより辛い。だから貴方がどんなに苦しくても死ぬのは私が先。 私を手にかけるのは貴方。」
「何重苦させるつもりだよ」
「…いつもの笑顔に戻って来た。」
「不器用って事?」
「…素敵って事。」
激しい雨の中二人の唇が触れる。
ルーメリアの優しさが、殺した者の血を洗い流すこの雨のように、心の中の黒い塊も流していった。
誰もが避ける大雨の中、2人はこの雨のような大粒の涙を流し泣いてた。
まるで自分達の後悔や自責の念を涙に宿し、雨に混ぜて消し去ろうとするかの様に。
◇ ◇ ◇ ◇
その日みんなの泊ってる宿には戻らず二人で宿を取る事にした。
もうお風呂で暖まり二人でシーツの中だ
「本当にいいの?」
「…うん。 優しくなんてしなくていい… ショウの辛い気持ちも、罪悪感も、全部受け止めるから…」
「…わかった…」
ライト消し唇を味わう、そうして二つの影が重なる…
まだ消化しきれていない感情のせいで乱暴になってしまう。
後悔や罪悪感を彼女の体に荒々しくぶつけた。
それは無理やり犯しているように見えるほど自分勝手で配慮に欠ける最低の行為だったが、彼女は全てを受け止め、体を貪る彼を優しい愛情で包み込んだ。
人生とは選択の連続である。 無数に枝分かれしているが、未来は常に一つで選ばれなかった未来は破棄される。
それがどんなに残酷だったり、素晴らしい未来だったとしても。
もしもあの時こうしていれば、もしもあの時こうしなければ… でも、もしも俺があの時お前を…
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ははは、これじゃあまたそんな仮定は無駄だよって怒られるな。 なぁ親友よ、お前との約束、必ず守るからな。
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本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
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