97 / 138
第九十二話 ホンマそれ! せやな! で会話は成り立つ。 知らんけど
しおりを挟む
「雲の上って事ですか?」
「そうじゃの、雲の上にある儂のてっぺんが黄龍の寝床じゃよ、凶暴なやつではないから頼んだら案外簡単に伴侶様が必要な物を貰えるかもしれんぞ」
このメンツで戦いになったら間違いなく負ける、それは間違いない。 勝ちにいくなら全員引きつれないと無理だろう。 凶暴じゃないって言うし一回会うだけ会ってみるのもありか。
「それなら一度会ってきます、色々ありがとうございました」
「なーに儂はいつでもここにおるので何か知りたい事があればまた来るといい。 大精霊様もまた来てくだされ」
「うん! またお兄ちゃんと来るね! ばいばーい!」
エメが手を振ると巨大な顔はにっこりと笑った後にただの表皮へと戻った
「みんな、一応戦闘準備はしといてね、何が起こるかわからないから。」
「前に会ったあやつと同格だとすると、勝つのは不可能なのじゃ。 主様、無理は禁物だからの」
「いくら進化した我達でも無理だろう。 主よ、最悪の場合は逃げの一手だぞ」
「わかってるよ、最悪の場合は転移で逃げる。」
「じゃあエメはお兄ちゃんの中に入っとくね」
程よく緊張の糸を張らせた所でベリルは猛スピードで大樹に沿って上へと上がっていく
雲を超えて暫くするとてっぺんでとぐろを巻いて眠っている黄金に輝く龍が見えて来た
ドラゴンではなく七つのボールを集めると願いを叶えてくれそうなあれだ
全長がどれぐらいあるのかわからないがとにかくでかい。 とぐろを巻いているので巨大な黄金の黄金に見える。
そんな失礼な事を考えていると突然空気がピリつき、俺達全員に緊張が走った。
「hey hey hey! 誰が巨大な黄金の黄金やて?!」
黄金の黄金のてっぺんにある顔がこちらを向きギロリと俺達を睨む
「心を読まれた?!」
「やっぱりお前もそう思ってたんかい! ガチのやつ投げつけたろかこらぁ! いてこますでわれぇ!!」
あぁやっぱりみんな考える事は同じなんだ…
「………」
「hey yo! なんやねんその目は、なんかおかしいんかいな? 」
大きな龍の顔が俺達に近づいてきて鼻息をフンっと吹きかける
「いやぁね、僕達の世界では龍っていうのは神々しく腹に響く様な威厳たっぷりの低い声で話すんです… だからそんな駆け出しラッパーと関西の成金地上げ屋を混ぜた様な話し方に少し驚いたというかなんというか…」
「oh man! 久々に客が来たとおもたら、またけったいなやっちゃのぉ、人の事を汚物扱いした挙句に成金呼ばわりとはちょっと人間性疑わうわ。 お前絶対Fラン大学やろ?」
何で異世界に来てまで大学でマウント取られないといけないんだよ… まぁ事実Fランなんだが… てか何でこの異世界の魔物がFランとか知ってるんだ?
「Fランなのは正解なんですが、そもそも何であっちの世界の事を知ってるんですか?」
「何でって、世界の一部やからな。 あぁでもこれ以上は言われへんわ。 自分の頭で考えてみたらどないやろか? それで何の用や? こんな所までワザワザきて汚物処理でもしにきたんか? ………hey hey hey!誰が汚物やねん! いてまうぞこらぁ!」
黄金の龍は先程よりも鼻息を荒げ俺の髪を靡かせる。
こいつのテンションが辛い… 絶対に友達になりたくないタイプだこれ。 俺みたいな陰キャ上がりにグイグイ系はまだしんどい…
「もしよければこれと同じ様な物を頂きたくてここに来たんです」
俺はジュエルタートルから貰った琥珀色の宝石を亜空間から取り出して龍に見せた
「なんやあいつから貰ったんか。 それで何するつもりや? 八つの宝石集めて世界でも滅ぼすんか?」
「違いますよ、元居た世界とこっちの世界を行き来したいんですよ」
「なんやおもんないぁ、八つ全部集めればものすんごい力が手に入るんやから世界征服でもしてみればええのに。 あれやで、パフパフし放題やで? 昨日も今日も明日もお楽しみでしたねやで? でもあのゲームはあかんな、何があかんってタイトルがあかん、だって完全にこっちを殺しにきてるやん! こっちには復活の呪文ないねんで?!」
何で途中からゲームの話に変わってんだよ… 確かにあんたは見た目的にクエストされる側だけど… てかそんな巨体でどうやってゲームするし…
「それで、もらえるんでしょうか?」
「そうやなぁ… 最近退屈やったしちょっと遊びに付きおうてくれたらええよ。 何がいいやろか… んーそやなー、あんたんとこで言う鬼ごっこしようや!」
「鬼ごっこですか?」
「あれ? おにごより、ドロケー派? こっちではケイドロ言うから気をつけーや」
何か大阪のおばちゃんみたいに思えて来たなこの龍。 あめちゃん感覚でくれりゃいいのに。
「そういうローカルネタの話をしてんじゃねぇし! …それでこっちが鬼でいいですか?」
「えー捕まえる方がええねんけど。 愛されるよりも愛したいマジで派やねん。」
そんな派閥ねぇわ! 何キッズだお前
「まぁ、付きおうて貰うしそれでええよ!」
こっちが逃げる方とかとんでもない! あの鋭い爪でタッチなんてされてみろ、間違いなく即死だわ!
「一撃当てたらあんたらの勝ちな、制限時間は五分以内っちゅう事でどない?」
「良いですよ」
俺がそういうととぐろを巻いていた巨体がその全貌を現した。 太陽の光に照らされた龍の鱗はキラキラと輝いていて、その鱗一枚だけで一体どれだけの値が付くのか想像もつかない。
この龍の素材は冒険者なら喉から手が出る程欲しい物だろう。 まぁ俺には必要のない物だけど。
「ほないくでー!! スタート!」
掛け声と共にその巨体からは想像もつかない程の速さで休んでいた樹から空へと飛び出したので俺達も急いで後を追うが縦横無尽に空を飛ぶ黄龍との距離が全然詰めれない。
下から見る太陽に輝く黄龍とキラキラと光る粒子を散布しながら飛ぶ赤い鳥はさぞ綺麗だろう。
さっきから急降下したり急上昇したりずっとフリーフォールに乗っているような感じで非常に気分が悪い… 結構苦手なんだよああいうの…
「ほらほらいつまで中学生男女特有の距離感保ってるん? 近づきたいけど近寄られへんみたいな? もっと距離詰めなヤル事やられへんで!」
鬼ごっこの話だよね?!
「こちとら中学時代、こんなに距離詰めた事ないっつうの! 雷魔法【ライトニング】」
到達速度で一番早い雷魔法の【ライトニング】を 放ったが簡単に避けられる
「まだまだ甘ちゃんやなー、はいあめちゃん」
そう言って俺目掛けて凄い勢いで投げつけた空気の球が俺の腹に着弾し、腹を食い破る
「ぐはぁ!」
「主様! 大丈夫かえ?!」
「あぁ何とか… 再生魔法【リカバリー】 てか妨害ありかよ!」
あめちゃん感覚で腹を食い破られたんじゃたまんねぇよ! 魔法で回復すれば別に問題はないが例えばあれが頭や心臓に当たれば即死亡だ。
「当たり前やん! こちとら、おにごガチ勢やで? ほら後四分やでー」
「こっちはエンジョイ勢なんだよ! ベリル、もっと速度出ないか?」
「ふむ、魔力を大量に消費するがやってみよう」
空を物凄い速さで飛んでいるベリルの体が炎その物になり翼が激しく燃え上がる。 背中に乗っている俺達に何も被害がないのはベリルの熱操作のお陰だろう
燃え上がった翼の後方で激しい爆発が何度も起こり、その爆発の推進力で距離がどんどん詰まっていく。 激しい揺れで振り落とされないようにルチルが抱き着いてくるのが可愛い。
「ベリル! 横並びになってくれ!」
「承知!」
「おー凄いやん、やっと高校生男女位の距離感になったんちゃう?」
「こちとらずっとボッチだっての! 【蒼炎連弾!】」
横並びでガトリングの様に蒼い弾を何発も連射するが、先程の空気弾で弾かれたり巨体には似合わない俊敏さで回避される。 空中戦ではやはり不利か
「でもまだまだやなー 遠くで見てるだけでええんか?! 憧れのあの子を触りたないんか?! そんな時に良いのが鬼ごっこや、ゲームにかこつけて触れるのは勿論やし、捕まえるのはあの子のハートや! 心にタッチするんや! そして捕まった女の子は顔を赤くして言うんや、今度は私が君を捕まえるね。 そんな青春の甘酸っぱさ体現した遊びが鬼ごっこやねん! 知らんけど!」
いや鬼ごっこへの熱量が凄すぎるわ! そんな遊びでしたっけ? つか憧れの子を鬼ごっこに誘うシチュエーションなんてあるかよ! 知らんけどって付ければ何言っても良い感あるよな関西人。
「そんな事よりも、そろそろ時間やでー」
黄龍は挑発するように俺達の周りをグルグルと回りだした。 このままじゃ…
「ルチル、俺をあいつ目掛けて投げてくれ」
「えぇ? 大丈夫なのかえ?!」
「わからないけど何とかなると思う」
「わかったのじゃ」
『エメは合図したらどこでもいいから樹を伸ばして捕まってくれ』
『わかったよお兄ちゃん!』
ルチルが俺を持ち上げ物凄い速さ黄龍へと投げつける
「おもろい事するやん、人間砲弾? でもそんなん簡単に避けられてしまうで?」
猛スピードで飛んで行く俺を黄龍は体をぐにゃりを曲げて避けた
「ねぇねぇ今どんな気持ちなん?! 最後最後で無茶したのに避けられるってどんな気持ちなん?」
うぜぇ… うざすぎる… 体をぐにゃぐにゃさせニヤニヤしながら煽ってくる黄龍を尻目にエメへと合図を送る。 予定通りなんだよこの野郎!
『エメ今だ!』
『了解!』
エメの伸ばした樹が前足を捕まえ、伸ばした樹を一気に縮めて行く
「取ったぁぁぁああ!!」
俺は亜空間から出した刀で黄龍を突き刺そうと腕を伸ばしたのだが、見えない刃が結晶硬化して固いはずの樹をいともたやすく切り裂き、突然巻き起こった暴風で体を切り刻まれながら自由を奪われ空にへと投げ出される
「hey yo! 惜しかったなぁ! でも残念! いつでも挑戦しにきーや、ほななー」
黄龍のそんな捨て台詞を飛びかけの意識で拾いながら落下していく所を、ベリルが空中でキャッチした
傷ついた俺の頭を膝に乗せながらルチルが心配そうに俺の顔を覗き込む
「完敗じゃの主様よ」
「我も役に立てんですまんな」
「いいさ… 今度は作戦練ってから… 挑戦しよう…」
俺はそのままベリルの背中の上で意識を手放した。 しかしどうやって捕まえたらええねん。 関西弁…ちょっとうつった…
「そうじゃの、雲の上にある儂のてっぺんが黄龍の寝床じゃよ、凶暴なやつではないから頼んだら案外簡単に伴侶様が必要な物を貰えるかもしれんぞ」
このメンツで戦いになったら間違いなく負ける、それは間違いない。 勝ちにいくなら全員引きつれないと無理だろう。 凶暴じゃないって言うし一回会うだけ会ってみるのもありか。
「それなら一度会ってきます、色々ありがとうございました」
「なーに儂はいつでもここにおるので何か知りたい事があればまた来るといい。 大精霊様もまた来てくだされ」
「うん! またお兄ちゃんと来るね! ばいばーい!」
エメが手を振ると巨大な顔はにっこりと笑った後にただの表皮へと戻った
「みんな、一応戦闘準備はしといてね、何が起こるかわからないから。」
「前に会ったあやつと同格だとすると、勝つのは不可能なのじゃ。 主様、無理は禁物だからの」
「いくら進化した我達でも無理だろう。 主よ、最悪の場合は逃げの一手だぞ」
「わかってるよ、最悪の場合は転移で逃げる。」
「じゃあエメはお兄ちゃんの中に入っとくね」
程よく緊張の糸を張らせた所でベリルは猛スピードで大樹に沿って上へと上がっていく
雲を超えて暫くするとてっぺんでとぐろを巻いて眠っている黄金に輝く龍が見えて来た
ドラゴンではなく七つのボールを集めると願いを叶えてくれそうなあれだ
全長がどれぐらいあるのかわからないがとにかくでかい。 とぐろを巻いているので巨大な黄金の黄金に見える。
そんな失礼な事を考えていると突然空気がピリつき、俺達全員に緊張が走った。
「hey hey hey! 誰が巨大な黄金の黄金やて?!」
黄金の黄金のてっぺんにある顔がこちらを向きギロリと俺達を睨む
「心を読まれた?!」
「やっぱりお前もそう思ってたんかい! ガチのやつ投げつけたろかこらぁ! いてこますでわれぇ!!」
あぁやっぱりみんな考える事は同じなんだ…
「………」
「hey yo! なんやねんその目は、なんかおかしいんかいな? 」
大きな龍の顔が俺達に近づいてきて鼻息をフンっと吹きかける
「いやぁね、僕達の世界では龍っていうのは神々しく腹に響く様な威厳たっぷりの低い声で話すんです… だからそんな駆け出しラッパーと関西の成金地上げ屋を混ぜた様な話し方に少し驚いたというかなんというか…」
「oh man! 久々に客が来たとおもたら、またけったいなやっちゃのぉ、人の事を汚物扱いした挙句に成金呼ばわりとはちょっと人間性疑わうわ。 お前絶対Fラン大学やろ?」
何で異世界に来てまで大学でマウント取られないといけないんだよ… まぁ事実Fランなんだが… てか何でこの異世界の魔物がFランとか知ってるんだ?
「Fランなのは正解なんですが、そもそも何であっちの世界の事を知ってるんですか?」
「何でって、世界の一部やからな。 あぁでもこれ以上は言われへんわ。 自分の頭で考えてみたらどないやろか? それで何の用や? こんな所までワザワザきて汚物処理でもしにきたんか? ………hey hey hey!誰が汚物やねん! いてまうぞこらぁ!」
黄金の龍は先程よりも鼻息を荒げ俺の髪を靡かせる。
こいつのテンションが辛い… 絶対に友達になりたくないタイプだこれ。 俺みたいな陰キャ上がりにグイグイ系はまだしんどい…
「もしよければこれと同じ様な物を頂きたくてここに来たんです」
俺はジュエルタートルから貰った琥珀色の宝石を亜空間から取り出して龍に見せた
「なんやあいつから貰ったんか。 それで何するつもりや? 八つの宝石集めて世界でも滅ぼすんか?」
「違いますよ、元居た世界とこっちの世界を行き来したいんですよ」
「なんやおもんないぁ、八つ全部集めればものすんごい力が手に入るんやから世界征服でもしてみればええのに。 あれやで、パフパフし放題やで? 昨日も今日も明日もお楽しみでしたねやで? でもあのゲームはあかんな、何があかんってタイトルがあかん、だって完全にこっちを殺しにきてるやん! こっちには復活の呪文ないねんで?!」
何で途中からゲームの話に変わってんだよ… 確かにあんたは見た目的にクエストされる側だけど… てかそんな巨体でどうやってゲームするし…
「それで、もらえるんでしょうか?」
「そうやなぁ… 最近退屈やったしちょっと遊びに付きおうてくれたらええよ。 何がいいやろか… んーそやなー、あんたんとこで言う鬼ごっこしようや!」
「鬼ごっこですか?」
「あれ? おにごより、ドロケー派? こっちではケイドロ言うから気をつけーや」
何か大阪のおばちゃんみたいに思えて来たなこの龍。 あめちゃん感覚でくれりゃいいのに。
「そういうローカルネタの話をしてんじゃねぇし! …それでこっちが鬼でいいですか?」
「えー捕まえる方がええねんけど。 愛されるよりも愛したいマジで派やねん。」
そんな派閥ねぇわ! 何キッズだお前
「まぁ、付きおうて貰うしそれでええよ!」
こっちが逃げる方とかとんでもない! あの鋭い爪でタッチなんてされてみろ、間違いなく即死だわ!
「一撃当てたらあんたらの勝ちな、制限時間は五分以内っちゅう事でどない?」
「良いですよ」
俺がそういうととぐろを巻いていた巨体がその全貌を現した。 太陽の光に照らされた龍の鱗はキラキラと輝いていて、その鱗一枚だけで一体どれだけの値が付くのか想像もつかない。
この龍の素材は冒険者なら喉から手が出る程欲しい物だろう。 まぁ俺には必要のない物だけど。
「ほないくでー!! スタート!」
掛け声と共にその巨体からは想像もつかない程の速さで休んでいた樹から空へと飛び出したので俺達も急いで後を追うが縦横無尽に空を飛ぶ黄龍との距離が全然詰めれない。
下から見る太陽に輝く黄龍とキラキラと光る粒子を散布しながら飛ぶ赤い鳥はさぞ綺麗だろう。
さっきから急降下したり急上昇したりずっとフリーフォールに乗っているような感じで非常に気分が悪い… 結構苦手なんだよああいうの…
「ほらほらいつまで中学生男女特有の距離感保ってるん? 近づきたいけど近寄られへんみたいな? もっと距離詰めなヤル事やられへんで!」
鬼ごっこの話だよね?!
「こちとら中学時代、こんなに距離詰めた事ないっつうの! 雷魔法【ライトニング】」
到達速度で一番早い雷魔法の【ライトニング】を 放ったが簡単に避けられる
「まだまだ甘ちゃんやなー、はいあめちゃん」
そう言って俺目掛けて凄い勢いで投げつけた空気の球が俺の腹に着弾し、腹を食い破る
「ぐはぁ!」
「主様! 大丈夫かえ?!」
「あぁ何とか… 再生魔法【リカバリー】 てか妨害ありかよ!」
あめちゃん感覚で腹を食い破られたんじゃたまんねぇよ! 魔法で回復すれば別に問題はないが例えばあれが頭や心臓に当たれば即死亡だ。
「当たり前やん! こちとら、おにごガチ勢やで? ほら後四分やでー」
「こっちはエンジョイ勢なんだよ! ベリル、もっと速度出ないか?」
「ふむ、魔力を大量に消費するがやってみよう」
空を物凄い速さで飛んでいるベリルの体が炎その物になり翼が激しく燃え上がる。 背中に乗っている俺達に何も被害がないのはベリルの熱操作のお陰だろう
燃え上がった翼の後方で激しい爆発が何度も起こり、その爆発の推進力で距離がどんどん詰まっていく。 激しい揺れで振り落とされないようにルチルが抱き着いてくるのが可愛い。
「ベリル! 横並びになってくれ!」
「承知!」
「おー凄いやん、やっと高校生男女位の距離感になったんちゃう?」
「こちとらずっとボッチだっての! 【蒼炎連弾!】」
横並びでガトリングの様に蒼い弾を何発も連射するが、先程の空気弾で弾かれたり巨体には似合わない俊敏さで回避される。 空中戦ではやはり不利か
「でもまだまだやなー 遠くで見てるだけでええんか?! 憧れのあの子を触りたないんか?! そんな時に良いのが鬼ごっこや、ゲームにかこつけて触れるのは勿論やし、捕まえるのはあの子のハートや! 心にタッチするんや! そして捕まった女の子は顔を赤くして言うんや、今度は私が君を捕まえるね。 そんな青春の甘酸っぱさ体現した遊びが鬼ごっこやねん! 知らんけど!」
いや鬼ごっこへの熱量が凄すぎるわ! そんな遊びでしたっけ? つか憧れの子を鬼ごっこに誘うシチュエーションなんてあるかよ! 知らんけどって付ければ何言っても良い感あるよな関西人。
「そんな事よりも、そろそろ時間やでー」
黄龍は挑発するように俺達の周りをグルグルと回りだした。 このままじゃ…
「ルチル、俺をあいつ目掛けて投げてくれ」
「えぇ? 大丈夫なのかえ?!」
「わからないけど何とかなると思う」
「わかったのじゃ」
『エメは合図したらどこでもいいから樹を伸ばして捕まってくれ』
『わかったよお兄ちゃん!』
ルチルが俺を持ち上げ物凄い速さ黄龍へと投げつける
「おもろい事するやん、人間砲弾? でもそんなん簡単に避けられてしまうで?」
猛スピードで飛んで行く俺を黄龍は体をぐにゃりを曲げて避けた
「ねぇねぇ今どんな気持ちなん?! 最後最後で無茶したのに避けられるってどんな気持ちなん?」
うぜぇ… うざすぎる… 体をぐにゃぐにゃさせニヤニヤしながら煽ってくる黄龍を尻目にエメへと合図を送る。 予定通りなんだよこの野郎!
『エメ今だ!』
『了解!』
エメの伸ばした樹が前足を捕まえ、伸ばした樹を一気に縮めて行く
「取ったぁぁぁああ!!」
俺は亜空間から出した刀で黄龍を突き刺そうと腕を伸ばしたのだが、見えない刃が結晶硬化して固いはずの樹をいともたやすく切り裂き、突然巻き起こった暴風で体を切り刻まれながら自由を奪われ空にへと投げ出される
「hey yo! 惜しかったなぁ! でも残念! いつでも挑戦しにきーや、ほななー」
黄龍のそんな捨て台詞を飛びかけの意識で拾いながら落下していく所を、ベリルが空中でキャッチした
傷ついた俺の頭を膝に乗せながらルチルが心配そうに俺の顔を覗き込む
「完敗じゃの主様よ」
「我も役に立てんですまんな」
「いいさ… 今度は作戦練ってから… 挑戦しよう…」
俺はそのままベリルの背中の上で意識を手放した。 しかしどうやって捕まえたらええねん。 関西弁…ちょっとうつった…
0
あなたにおすすめの小説
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる