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本編
11.お勉強
しおりを挟む今日はフォンターナの泉にやって来ている。いつもみたいに水を飲むためなのもあるけど、先日、フォンターナがこの世界のことや妖精の力などの僕の知らないことを教えてくれることになり、こうして尋ねに来たのだ。泉のほとりに近づくと、光が人型になり、フォンターナが姿を現した。
「おはようございます!」
「おはよう。ふふ、朝から元気ね」
フォンターナが、ころころと笑いながら挨拶してくれた。どうにも、僕のことを自分の子どものように感じていて、可愛いくて微笑ましいのだとか。まあ、そう思ってくれるのは、どちらかといえば嬉しい。
「さて、今日は何を知りたいのかしら?」
「うーん、じゃあ、この世界について気になっていることがいろいろあるので、教えてほしいです!」
「ええ、分かったわ。なんでも聞いて頂戴」
早速、この世界に来てから気になっていたことをいくつか質問してみた。
「この世界には、人間っていますか?」
「いるわ。ここは森の深い場所だからいないけれど、この森の外にはたくさんいるのよ」
「ほんと!? うわ~! やっぱりいるんだ! 会ってみたいな~」
「人間の他にも、獣の特徴をもつ獣人、妖精や精霊に近い森人、地下や鉱物のある場所で暮らす地人などが、いろんな場所で暮らしているわ」
わ~! これぞテンプレって感じ! 森人は多分エルフでしょ? そんで、地人は多分ドワーフ! 獣人もいるなんて、ますます森の外に行きたくなるー!!
「森の外って行けるんですか?」
「まあ、行けない訳ではないけれど、とても遠いのよ。この森はとても広いからね」
「そうですか⋯⋯。んー、どうにか移動手段を確保したいところだな⋯⋯」
「あなたなら、すぐに行けるかもしれないわ」
「?? 妖精の力を使うってこと?」
「そうねぇ、私のもつ力と似たところがあるから、使いこなせれば、あなたのもつ力はとても強大なものになるの」
「ふわぁ⋯⋯ほんとですか!? よしっ、これから頑張るぞー!」
「ふふっ、可愛いわぁ」
こぶしを掲げて息巻く僕を温かい視線が見守っている。それにハッと気付くと、僕は顔を赤くして照れながら、話を戻した。
「え、えっと、人間以外の種族もいるんですね。それじゃあ、『魔族』っていう種族はいますか?」
「『まぞく』⋯⋯聞いたことはないわ。この世界にはいないと思うわ」
「そうなんですか⋯⋯『魔獣』がいるから、そっちもいると思ったんですが。じゃあ、魔獣ってなんなんですか?」
魔獣といえば、フィクションじゃ魔族が生み出していたり、従えていたりする存在として描かれるが、ここでは魔族という種族自体がいないらしい。だから、どんな生き物か予想が付かないから、フォンターナに聞いてみた。
「『魔獣』とは、生物の中でもより凶暴で、魔力をもった存在を指すの。普通、生物はみな霊力をもつ。けれど、たまに霊力が変質した魔力をもつものが生まれることがある。魔力は、例外はあるけれど、生物にとっては毒なのよ。だから、その毒を制御できず凶暴になってしまったもの、それが魔獣なのよ」
なんと、思っていたよりも怖い話を聞いてしまった。この世界、魔力は悪いもの、という扱いなんだな。でも、気になったことがひとつ。
「例外って、なんですか?」
「ああ、それね。さっき挙げた、人間を含めた4つの種族のことよ。その4つの種族だけは、魔力が毒にならず、自らの力として扱うことができるのよ」
「え! なんでですか!?」
「うーん、なんでかしら? ごめんなさいね。私も、まだ700年程しか生きていなくて分からないことがあるの」
「⋯⋯ふぁっ!?」
ななな、700年!? めっちゃ長いじゃん! それをまだ生まれたてみたいに言ってる⋯⋯!? じゃあ生まれて数日の僕は卵か!?
⋯⋯ふう、ふう。びっくりして変な考えをしてしまった。それにしても、そんだけ長く生きてるのに知らないこともあるんだなー。
「もっと長く生きている精霊もいるから、もし会えたら聞いてみるといいわ。森の外、行くのでしょう?」
「はいっ、すごい興味をもったので絶対行きます! いろいろ教えてくれて、ありがとうございます」
「ふふふ。いいのよ。他に、聞きたいことはあるかしら?」
それから、僕は聞きたいことをどんどん質問して、フォンターナはそれに分かりやすく教えてくれた。いつの間にか日が暮れてきていたから、別れを告げて、僕は家へ帰った。
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リアルが落ち着いたので、これからも毎日投稿が続けられそうです。ぜひ、続けてお楽しみ下さい!
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