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本編
48.捜索 Side.エフィ、ミント
しおりを挟む「騎士団長様!」
収穫祭には、騎士団も警備に駆り出されるため、ステージのある広場の近くに臨時本部があった。何かトラブルがあった時に頼りやすくするため、人の集まる広場付近にある。私はそこへ駆け込み、騎士団長様を呼んだ。これはトップへ早く伝えた方がい良いと思ったから。奥で他の騎士へ指示をしていた騎士団長様は、私の顔を見て、仕事を中断してこちらへ話を聞きに来て下さった。どうやら、私が妖精様付きのメイドだと気づいてもらえたようだ。
「どうした。君はたしか、ミントの専属メイドでは無かったか?」
「はい、エフィ・ラピヌと申します」
「⋯⋯ミントはどうした?」
「そのことですが、緊急事態です。妖精様が黒いフードを被った者に攫われました。油断した隙に、一瞬で攫われてしまい⋯⋯」
「事情は分かった。騎士団の総力を挙げて捜索しよう」
「⋯⋯申し訳ございません。私が油断したばかりに、」
「謝罪は後で、ミントにしてくれ。今は彼を捜す為にも、詳しい状況を説明してくれ」
「はいっ!」
私は、広場の方で騒ぎがあり、そちらへ気を取られていた隙に一瞬で黒フードの者が攫っていったことを話した。そして、追いかける時間も無く居住区の方へ逃げて行ったことも話した。
「そういえば、つい先程広場にて盗難が多発していた。直ぐに盗られた物は返ってきたが、犯人が捕まることは無かった。騎士団の包囲網をすり抜けたのだろう。もしや、同一のグループの犯行によるものだろうか?」
「その可能性はあります。騒動が起きてから誘拐されるまでがあまりにも上手く出来すぎています」
「ああ。一刻も早く見つけ出さねば。オベール! 今すぐ騎士団全員へ伝えろ。居住区の方へ逃げた黒フードの者を捜し出し、攫われたミント⋯⋯妖精様を見つけ出せ、と」
「はいっ!」
副団長である、猫獣人のオベール様が、駆け足で臨時本部を出ていった。私も、何かできることはないだろうか。
「騎士団長様、私にも手伝わせて下さい!」
「いや、君はここに居てくれ。戦闘訓練をしているといえど、危険には変わりない。ここでミントの帰りを待て」
「⋯⋯⋯⋯了解しました」
暗に、私にできることはないと言われた。⋯⋯妖精様が帰られたら、誠心誠意謝罪をし、より一層強くならなければ。今はこの無力感を忘れず、ただ妖精様の無事を祈ろう⋯⋯。
▷◇◁
Side.ミント
この袋に入れられて、どのくらい時間が経ったんだろう。僕は周りの会話を聞く余裕が出てきて、息を潜めて耳を澄ました。そしたら、あいつらは油断しているのか、結構ペラペラと重要そうなことを話していた。
「ここを出るのは収穫祭が終わってからだよな?」
「ああ。今は国境の警備が厳重だ。収穫祭が終わって警備が元に戻った隙に国へ戻る」
「分かった。⋯⋯ところでよ、妖精ってすごく強い力を持ってるんだろ? こんな袋で大丈夫なのか?」
「あー⋯⋯どうなんだろうな? 一応、霊力も魔力も遮断する魔法が掛かってるから大丈夫だろう」
「それもそうだな」
僕がいくら霊力を放とうとしても外へ出ていかなかったのは、その魔法のせいだったみたい。⋯⋯ってそれより! あの黒フードのやつらは他の国のやつらってことみたい。やっぱり、この国の人が僕にこんなことをするとは思えなかったから、当たっていた。僕の存在が他国にも伝わってるってことか。このことを、どうにか誰かに伝えないと⋯⋯!
⋯⋯誰か、早くたすけて⋯⋯
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