悪役令嬢の罠にかかって、ただの穴だと思い込んで告白もできず逃げ出したのに、元ヤンから弁護士に変身した彼に溺愛されてます

番外編

６

ゆっくりと、でも、確実に。
東海林くんが私の体に押し入ってくる。

「───っ！」

それなりに使い込んでいるはずの私の器官でも、受け止めるのが精一杯の圧倒的な質量。
挿れられただけなのに、浅いところも深いところも、私の弱いところ全部が、くまなく刺激された。

愛液が会陰を伝ってこぼれ落ち、シーツに染みを作っていく。
その感覚にすら鳥肌が立つほど全身が敏感になっているのに。

私の体に、根元までしっかりと自身の楔を穿つと、東海林くんは、悩ましげに息を、ふぅーっと吐き出した。

そして、私の腰を強く掴んだ。

─来る。

咄嗟に、既に自分の口を塞いでいた手を、更に強く押し当てた。

「ん゛―――――っ！！」

一突き目から、目から火花が散りそうな程の快感。
そして、揺さぶられる度に、全身が溶けそうになる。
その証拠に、目から、蜜壺から、塞いでいる口からも、勝手に体液が止めどなく溢れ出す。

「うっ…んんっ、ん！んんんっ！！」

「すみませ、んっ、腰、壊しそうなの…に、気持ち…良すぎて止まれな…っ」

本心からそう思っているのだろう。
あの・・東海林くんが、心底申し訳なさそうで、半分泣きそうで、ちょっと情けなくもある声音。
なのに、下半身を打ち付ける音と、ぐぢゅ、ぐぢゅ、と粘液を攪拌する音は絶え間がない。

絶頂への螺旋階段を上がるスピードは経験したことがないほど高速で、理性で体をコントロールできない。

声、出したらダメなのに。
出したら終わっちゃうのに。

バクバクと稼働する心臓が、無常にも酸素を求めて口を塞いでいた手を引き剥がした。
ヒュ、と喉が鳴り、体が酸素を取り込むと、酸欠から解放されたせいか感度が更に上がった気がする。

いやだ。
まだ終わらせたくない。
静花の代わりでもいい。

この熱く溶けるような快楽に、もっともっと浸っていたい。

辛うじて下唇を噛み締める。
でも、もう、無理…！

そう思った瞬間―

私の腰を掴んでいた東海林くんの手が、私の頭を固定し、キスで口を塞いだ。

「んぐっ…、んむっ、はぁっ」

口内も、胎内も、東海林くんでいっぱいで。
他に何も入る隙間もないほど満たされたとき。

「ぁ…み、ずきさん…っ！」

最後の最後に、東海林くんが私の名前を呼んでくれたような気がしたけれど。

快感の波に飲み込まれ、意識を手放したのと同時だったから、都合の良い幻聴だったのかもしれない。