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幻想世界での光
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ハッ……ハッ……
後ろのほうから狼みたいなやつの足音が複数近づいてくるのが分かった。
「このままだと……ハッ……追いつかれる……ハッ……」
走りながらどうするか必死に頭を働かせていると少し先に複数の大きな倒木を発見した。
その倒木の下はちょうど細長い窪地状になっていて、人一人が通れそうな幅と深さがあり、天然のトンネルになっていた。
(逃げ込むのちょうどよさそうだな!)
俺はトンネルの入り口にスライディングし、拾っておいた枝を構え入り口の様子を注視した。
穴の向こうに狼みたいなやつが2匹入ってこようと向かってくる光景が目に映る。
緊張して震える手を落ち着かせていると狼みたいなやつが一匹入ってくると同時に
それを飛び越えるように二匹目が襲い掛かってくる。
「ここだッ!!」
縦に枝を大きく振ると斬撃が放たれ、範囲が広がり見事2匹に当たる。
ギャンッ!
斬撃に当たった狼みたいなやつは鳴き声を上げ動かなくなった。
「やった!」
喜ぶのも束の間、次のやつが来るか緊張しながら構える。
アオーン…。
遠吠えが聞こえるてくる。
緊張で体がこわばってしまうが自分を大丈夫と安心させ、入り口から入ってくるんじゃないか予想し少し待つ。
背中に汗が伝うのを感じとても時間が長く感じる。どれくらい待ったかはわからなかったけど後続が現れなかった。
「賢いなあいつら。反対側に回られても困るから早く抜けるか」
極度の緊張状態から解放され安心感が戻ってきた。
倒木のトンネルの出口方向へ抜け、再び深い森の中へ走り出した。
アオンアオーン……。
少し離れた後ろのほうから鳴き声が聞こえ、まだ追われていることを悟る。
「今の遠吠えはなんだ?わからないけど止まっちゃいけない気がする」
荒くなる息遣いを整えながらも警戒を怠らないように注意して移動を始めた。
(くそっ。あと何体だ?)
自分の息遣いは早いままでいまだに追手はいる状況。
打開策はないかと周りを見ていると、少し先に樹が等間隔に生えている場所が目に入った。
(あそこの中なら樹をうまく利用できれば複数相手できるかもしれない。)
その場所へ移動し自分の周りに樹が複数生えている場所へ立ち位置を決めた。
息を整えていると鳴き声と共に狼みたいなやつが視界に入ってくる。
1,2,3,4…。
(目に映るのは全部で4体か…)
左斜め前に1体、正面に少し距離を開けて2体、右斜め前に1体。
左斜め前の狼を大木の間から見えるような位置と右斜め前の狼が大木の間にみえるような位置を警戒しながら移動し見つけた。
(これなら同時に襲われても木を盾にして攻撃をかわせるかもしれない)
またしても緊張で感覚が鋭くなる。
風の向き、狼が土を踏む音。
細かな変化を逃さないようにアンテナを広げる。
自分の息が整うと同時に斜め前の狼から2体同時に狼が向かってきた。
俺はまず左側の狼から身を隠すように木へ近づき、右側の狼見据えた。
「くらえっ!」
とびかかってくると同時に斬撃を飛ばし吹き飛ばして後方の樹へぶつけることができた。
すぐさま盾にしていた木の方向を警戒する。
木の向こうから聞こえる足音の方へ木の枝構え身を守る体制をとると、木の陰から狼が飛びだし噛みついてきたが防ぐことができた。
「ッ……危ない……」
1体目を倒されたことに気づいたさっきの狼は、すぐに距離をとる。
「賢いなほんとに。次はこっちから行くぞ!そら当たれッ!」
斬撃を飛ばすと斬撃を認識できなかった狼に見事にヒットし2体目も無力化できた。
「よしっ…。」
それを見送り安堵してしまい少し気が抜けた瞬間、正面にいた3体目が飛び掛かってくることに気づく。
とっさに枝で防御しようと構え、噛みつかれるのを防いだ。
だが飛び掛かってきた際の衝撃を殺せずそのまま地面に倒れてしまった。
攻撃を防がれた3体目は距離をとり体制を立て直した後、間髪入れずに俺との距離を詰めてきた。
(やばいっ。4体目来たら終わりだ!)
倒れたところを狙って4体目の狼が飛び掛かってくるのが視界に映る。
―疾風斬撃!
どこからともなく聞こえた声とともに、現れた風の刃のような塊が狼みたいなやつをまとめて吹き飛ばしていった。
声が聞こえた方向へ目を向けるとガタイのいい灰色の毛皮を持つ青い目の狼獣人が大剣を構えて走って向かってきていた。
「危なかったなぁ!ケガねぇか?」
「今のはあなたが?!」
よくよく観察してみるとあることに気づく。
(こいつグリムハウルで一番最初に仲間になるキャラクターだ!確かラウドだっけ)
助けてくれた狼獣人が俺の目の前まで来て手を差し伸べられた。
その手を掴むと自分で立ち上がる間もなく体を引き上げられた。
掴んだ手の少し硬い肉球の感触に胸が弾み顔が綻びそうになるのこらえ現実へと気持ちを戻す。
「ありがとうございました!助かりました。」
興奮する気持ちを必死に隠しながら平静を保ち受け答えをする。
「それでなんでお前はこんなところに?」
その狼獣人は先ほど吹き飛ばした狼が再度襲ってこないか確認しながら俺に聞いてくる。
(前世で死んで神様に転生させてもらえましたとは言えないよな…)
「あぁ…えっと…」
どう説明するか頬をかきながら必死に言い訳を考える。
「んー……。とりあえずワケありなんだな。ここはオークスウルフの縄張りだからすぐに離れることを勧めるぜ?一緒に離れないか?案内する。」
「助かります。道がわからないので同伴させてください!」
「俺はラウド。ラウド・エリアルだ。ラウって呼んでくれていいぜ。冒険者をやってる。後ろは任せていいぞ?」
ラウドはギザギザと並ぶ歯をニカっと見せて笑う。
リンカネスを彷彿させる笑顔に顔がにやけそうになるが必死に抑えていると握手を求めてきた。
それをぎゅっと握り返し再度肉球の魔力に負けそうになった。
「あっちに行くと縄張りから外れるはずだからついてきてくれ」
そういうとラウドは林の先の小高くなっている丘を指さしてからゆっくりと歩き始めた。
俺はそのあとをついて行き、楽しげに揺れている尻尾に目を奪われてしまう。
「ラウドさんはどうしてここにいたんですか?」
「俺はギルドの依頼を受けてる最中なんだ。今はリジェ草を探してる」
ラウドはポーチの中から折りたたまれた紙を出し広げ俺に見せてくれた。
「そうだ!お前のことは何て呼んだらいい?」
「ああ!ごめんなさい。俺はリュウセイって言います。」
「リュウセイな、わかったよ。リュウって呼ぶわ。あとそんな丁寧なしゃべり方やめてくれ。少し前の嫌味な依頼主思い出しちまう。頼む」
ラウドはうげぇと顔を歪めながら話し、そのあと俺に向かって手を合わせて懇願した。
「あー、嫌なことあったんだな。わかったよ。改めて安全な場所までよろしく。」
ラウドに肩をポンポンと叩くと尻尾の揺れが早くなった気がした。
「任せてくれ!……あとすまないんだが、縄張りから出たら俺の依頼を手伝ってもらえると助かる。中々見つからなくて人手が必要なんだ。報酬は分けるから協力してくれないか?」
ラウドは後頭部に手を添えて申し訳なさそうに言った。
「俺にできることがあるなら手伝うよ!」
俺はにやつ着そうになるのを必死に耐えていた。
ラウドはほんとにがっしりしてる。
身長は俺より頭一つ高くて、マズルが素敵!
筋肉がしっかりある腕と足!
身に着けている鎧みたいなやつもかっこいい!
そしてきれいな瞳と太めのふさふさな尻尾!すごく触りたい。
見た目がすごく魅力的なラウドを手伝えることに嬉しさを感じずにはいられなかった。
後ろのほうから狼みたいなやつの足音が複数近づいてくるのが分かった。
「このままだと……ハッ……追いつかれる……ハッ……」
走りながらどうするか必死に頭を働かせていると少し先に複数の大きな倒木を発見した。
その倒木の下はちょうど細長い窪地状になっていて、人一人が通れそうな幅と深さがあり、天然のトンネルになっていた。
(逃げ込むのちょうどよさそうだな!)
俺はトンネルの入り口にスライディングし、拾っておいた枝を構え入り口の様子を注視した。
穴の向こうに狼みたいなやつが2匹入ってこようと向かってくる光景が目に映る。
緊張して震える手を落ち着かせていると狼みたいなやつが一匹入ってくると同時に
それを飛び越えるように二匹目が襲い掛かってくる。
「ここだッ!!」
縦に枝を大きく振ると斬撃が放たれ、範囲が広がり見事2匹に当たる。
ギャンッ!
斬撃に当たった狼みたいなやつは鳴き声を上げ動かなくなった。
「やった!」
喜ぶのも束の間、次のやつが来るか緊張しながら構える。
アオーン…。
遠吠えが聞こえるてくる。
緊張で体がこわばってしまうが自分を大丈夫と安心させ、入り口から入ってくるんじゃないか予想し少し待つ。
背中に汗が伝うのを感じとても時間が長く感じる。どれくらい待ったかはわからなかったけど後続が現れなかった。
「賢いなあいつら。反対側に回られても困るから早く抜けるか」
極度の緊張状態から解放され安心感が戻ってきた。
倒木のトンネルの出口方向へ抜け、再び深い森の中へ走り出した。
アオンアオーン……。
少し離れた後ろのほうから鳴き声が聞こえ、まだ追われていることを悟る。
「今の遠吠えはなんだ?わからないけど止まっちゃいけない気がする」
荒くなる息遣いを整えながらも警戒を怠らないように注意して移動を始めた。
(くそっ。あと何体だ?)
自分の息遣いは早いままでいまだに追手はいる状況。
打開策はないかと周りを見ていると、少し先に樹が等間隔に生えている場所が目に入った。
(あそこの中なら樹をうまく利用できれば複数相手できるかもしれない。)
その場所へ移動し自分の周りに樹が複数生えている場所へ立ち位置を決めた。
息を整えていると鳴き声と共に狼みたいなやつが視界に入ってくる。
1,2,3,4…。
(目に映るのは全部で4体か…)
左斜め前に1体、正面に少し距離を開けて2体、右斜め前に1体。
左斜め前の狼を大木の間から見えるような位置と右斜め前の狼が大木の間にみえるような位置を警戒しながら移動し見つけた。
(これなら同時に襲われても木を盾にして攻撃をかわせるかもしれない)
またしても緊張で感覚が鋭くなる。
風の向き、狼が土を踏む音。
細かな変化を逃さないようにアンテナを広げる。
自分の息が整うと同時に斜め前の狼から2体同時に狼が向かってきた。
俺はまず左側の狼から身を隠すように木へ近づき、右側の狼見据えた。
「くらえっ!」
とびかかってくると同時に斬撃を飛ばし吹き飛ばして後方の樹へぶつけることができた。
すぐさま盾にしていた木の方向を警戒する。
木の向こうから聞こえる足音の方へ木の枝構え身を守る体制をとると、木の陰から狼が飛びだし噛みついてきたが防ぐことができた。
「ッ……危ない……」
1体目を倒されたことに気づいたさっきの狼は、すぐに距離をとる。
「賢いなほんとに。次はこっちから行くぞ!そら当たれッ!」
斬撃を飛ばすと斬撃を認識できなかった狼に見事にヒットし2体目も無力化できた。
「よしっ…。」
それを見送り安堵してしまい少し気が抜けた瞬間、正面にいた3体目が飛び掛かってくることに気づく。
とっさに枝で防御しようと構え、噛みつかれるのを防いだ。
だが飛び掛かってきた際の衝撃を殺せずそのまま地面に倒れてしまった。
攻撃を防がれた3体目は距離をとり体制を立て直した後、間髪入れずに俺との距離を詰めてきた。
(やばいっ。4体目来たら終わりだ!)
倒れたところを狙って4体目の狼が飛び掛かってくるのが視界に映る。
―疾風斬撃!
どこからともなく聞こえた声とともに、現れた風の刃のような塊が狼みたいなやつをまとめて吹き飛ばしていった。
声が聞こえた方向へ目を向けるとガタイのいい灰色の毛皮を持つ青い目の狼獣人が大剣を構えて走って向かってきていた。
「危なかったなぁ!ケガねぇか?」
「今のはあなたが?!」
よくよく観察してみるとあることに気づく。
(こいつグリムハウルで一番最初に仲間になるキャラクターだ!確かラウドだっけ)
助けてくれた狼獣人が俺の目の前まで来て手を差し伸べられた。
その手を掴むと自分で立ち上がる間もなく体を引き上げられた。
掴んだ手の少し硬い肉球の感触に胸が弾み顔が綻びそうになるのこらえ現実へと気持ちを戻す。
「ありがとうございました!助かりました。」
興奮する気持ちを必死に隠しながら平静を保ち受け答えをする。
「それでなんでお前はこんなところに?」
その狼獣人は先ほど吹き飛ばした狼が再度襲ってこないか確認しながら俺に聞いてくる。
(前世で死んで神様に転生させてもらえましたとは言えないよな…)
「あぁ…えっと…」
どう説明するか頬をかきながら必死に言い訳を考える。
「んー……。とりあえずワケありなんだな。ここはオークスウルフの縄張りだからすぐに離れることを勧めるぜ?一緒に離れないか?案内する。」
「助かります。道がわからないので同伴させてください!」
「俺はラウド。ラウド・エリアルだ。ラウって呼んでくれていいぜ。冒険者をやってる。後ろは任せていいぞ?」
ラウドはギザギザと並ぶ歯をニカっと見せて笑う。
リンカネスを彷彿させる笑顔に顔がにやけそうになるが必死に抑えていると握手を求めてきた。
それをぎゅっと握り返し再度肉球の魔力に負けそうになった。
「あっちに行くと縄張りから外れるはずだからついてきてくれ」
そういうとラウドは林の先の小高くなっている丘を指さしてからゆっくりと歩き始めた。
俺はそのあとをついて行き、楽しげに揺れている尻尾に目を奪われてしまう。
「ラウドさんはどうしてここにいたんですか?」
「俺はギルドの依頼を受けてる最中なんだ。今はリジェ草を探してる」
ラウドはポーチの中から折りたたまれた紙を出し広げ俺に見せてくれた。
「そうだ!お前のことは何て呼んだらいい?」
「ああ!ごめんなさい。俺はリュウセイって言います。」
「リュウセイな、わかったよ。リュウって呼ぶわ。あとそんな丁寧なしゃべり方やめてくれ。少し前の嫌味な依頼主思い出しちまう。頼む」
ラウドはうげぇと顔を歪めながら話し、そのあと俺に向かって手を合わせて懇願した。
「あー、嫌なことあったんだな。わかったよ。改めて安全な場所までよろしく。」
ラウドに肩をポンポンと叩くと尻尾の揺れが早くなった気がした。
「任せてくれ!……あとすまないんだが、縄張りから出たら俺の依頼を手伝ってもらえると助かる。中々見つからなくて人手が必要なんだ。報酬は分けるから協力してくれないか?」
ラウドは後頭部に手を添えて申し訳なさそうに言った。
「俺にできることがあるなら手伝うよ!」
俺はにやつ着そうになるのを必死に耐えていた。
ラウドはほんとにがっしりしてる。
身長は俺より頭一つ高くて、マズルが素敵!
筋肉がしっかりある腕と足!
身に着けている鎧みたいなやつもかっこいい!
そしてきれいな瞳と太めのふさふさな尻尾!すごく触りたい。
見た目がすごく魅力的なラウドを手伝えることに嬉しさを感じずにはいられなかった。
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