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幻想世界での光
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「目次に冒険者が増えてる……」
「それはつまり本に新しいページが増えたってことだよな?」
「そういうことになるね。見てみよう」
そういった瞬間ページが自動的にめくられ冒険者のページが開かれた。
そのページには大剣を掲げた狼獣人の姿が描かれ、その背景には風が吹き上がっているような絵になっていた。
「ラウこのページに書いてあるカードの絵ラウドに似てない?」
ラウドへ開かれたページを見せるとラウドは注意深く見る。
「確かに俺っぽいな。あと勝手にページが開かれるのもすごいなそれ。なんかのアーティファクトかもしれないぞ?その本にはとにかくいろんな魔法が込められてそうだ」
「そうなのか?こういう本は出回ったりしてないのか?」
「普通の本自体一冊だけで目が飛び出るくらいの値段だろ?そういうところの記憶も無いんだな」
「そうみたい……」
俺が苦虫をかみつぶしたような顔をしているとまた本のページがめくれ世界のページに移動した。
そのページに目を通すとこの世界の貨幣価値が表示されていた
(確かゲームのグリムハウルの通貨単位はルードだったよな)
硬貨と紙幣の絵がずらりと描かれていた。
1円=1ルード鉄硬貨
10円=10ルード銅硬貨
100円=100ルード空色紙幣
500円=500ルード赤色紙幣
1,000円=1000ルード白色紙幣
10,000円=10000ルード銀硬貨
50,000円=50000ルード金硬貨
100,000円=100000ルードミスリル硬貨
1,000,000円=1000000ルード白金硬貨
「またページがめくれたけど今度はなんのページなんだ?」
読むのに夢中だった俺は現実に戻される。
「あ、ごめん。世界ってページでお金の種類が描かれていたんだ」
「ん?なんだか本の内容全部読んでないみたいだけど……ああそうか。読んだ記憶も無いのか」
「ラウはこのページに書いてある硬貨と紙幣は何を見たことあるんだ?」
俺はラウドに世界のページを見せ、またラウドはページに目を通していく。
「俺が見たことあるのは白銀硬貨までだな。それと硬貨の近くに記載されている数字はわかるけど、最後についているこの文字はなんだ?俺は一応字は読めるし書けるんだがこの文字は知らないな」
「さ……さあ?俺もわかんないや」
「というか今気づいたけど、記憶がない割にはバロクス語は話せるんだな。不思議だ」
「今はなしてる言葉はバロクス語っていうの?」
「それ本当に言ってるのか?!自分の話してる言語の記憶も無いなんてな。リュウはいったい何者なんだ?」
「ちょっと怖いこと思ったんだけどもしかしてこの世界のカードが話せるようにしてくれてるかもしれない可能性があるかも?」
「ん?……魔法で話せてる可能性があるってことか?……それは、あり得るかもしれない。本絶対なくすなよ!」
「わかったよ。ラウ。絶対肌身離さず持ってるよ!」
「というか話の内容変わってないか?冒険者のページ増えたんだよな?」
「そうだった。どうやら俺の考えたことにリンクしてページが開かれるみたいだね」
再度冒険者のページを開くとさっきみた狼獣人の絵の下に文章が記載されていた。
―冒険者
人々の悩みを解決する者たちの象徴。
ラウドと絆が生まれたことにより顕現したカード
このカード使用すると自分の周りを「探索」できます。対象物の位置が視覚的に赤く見えるようになる。
※絆の強さによって対象物の制約が決まります。
さらには冒険者の基本的な行動「魔物解体」や「応急手当」等「サバイバル術」を実行できます。
世界のカードと併用することにより「鑑定」を使用できます。
敵へ使用すると敵を「威圧」したり、「臆病」な状態にできます。
※絆の強さにより威力が変わります
一通り読み終えると夕方の空が少しだけ青くなってきていた。
「どうやら解体とか鑑定ができるようになったみたい」
「鑑定だって?!それはそれなりの技術を持つ魔術師じゃないとできない魔法だぞ!もっと詳しく話したいがだいぶ暗くなってきたから先にドルガンを目指そう。だいぶ休めただろ?」
ラウドがいたずらな笑顔をしながら俺に手を差し伸べその手を掴むとグイっと引っ張られ楽に立ち上がることができた。足への疲れもだいぶ良くなってた。
「そうだね。目指そうか」
下半身に付いた土を払い、ラウドの後ろに続いた。
「この街道はめったに魔物と出会うことはないけど気をつけろよな。なんだったらさっきの冒険者のカード使ってみてくれよ。フォローしてくれる奴がいれば帰りも楽だしな」
「わかったよ。ラウ。できること頑張ってみるよ。ラウもなんか異変に気づいたら教えて冒険者のカードが何か役立つかもしれないし。」
「おう。任せるぜリュウ。」
[ラウドと絆が深まったことにより冒険者のカードが強化されました]
「……!!」
突然聞こえる声に少し慣れた気がする。
「それはつまり本に新しいページが増えたってことだよな?」
「そういうことになるね。見てみよう」
そういった瞬間ページが自動的にめくられ冒険者のページが開かれた。
そのページには大剣を掲げた狼獣人の姿が描かれ、その背景には風が吹き上がっているような絵になっていた。
「ラウこのページに書いてあるカードの絵ラウドに似てない?」
ラウドへ開かれたページを見せるとラウドは注意深く見る。
「確かに俺っぽいな。あと勝手にページが開かれるのもすごいなそれ。なんかのアーティファクトかもしれないぞ?その本にはとにかくいろんな魔法が込められてそうだ」
「そうなのか?こういう本は出回ったりしてないのか?」
「普通の本自体一冊だけで目が飛び出るくらいの値段だろ?そういうところの記憶も無いんだな」
「そうみたい……」
俺が苦虫をかみつぶしたような顔をしているとまた本のページがめくれ世界のページに移動した。
そのページに目を通すとこの世界の貨幣価値が表示されていた
(確かゲームのグリムハウルの通貨単位はルードだったよな)
硬貨と紙幣の絵がずらりと描かれていた。
1円=1ルード鉄硬貨
10円=10ルード銅硬貨
100円=100ルード空色紙幣
500円=500ルード赤色紙幣
1,000円=1000ルード白色紙幣
10,000円=10000ルード銀硬貨
50,000円=50000ルード金硬貨
100,000円=100000ルードミスリル硬貨
1,000,000円=1000000ルード白金硬貨
「またページがめくれたけど今度はなんのページなんだ?」
読むのに夢中だった俺は現実に戻される。
「あ、ごめん。世界ってページでお金の種類が描かれていたんだ」
「ん?なんだか本の内容全部読んでないみたいだけど……ああそうか。読んだ記憶も無いのか」
「ラウはこのページに書いてある硬貨と紙幣は何を見たことあるんだ?」
俺はラウドに世界のページを見せ、またラウドはページに目を通していく。
「俺が見たことあるのは白銀硬貨までだな。それと硬貨の近くに記載されている数字はわかるけど、最後についているこの文字はなんだ?俺は一応字は読めるし書けるんだがこの文字は知らないな」
「さ……さあ?俺もわかんないや」
「というか今気づいたけど、記憶がない割にはバロクス語は話せるんだな。不思議だ」
「今はなしてる言葉はバロクス語っていうの?」
「それ本当に言ってるのか?!自分の話してる言語の記憶も無いなんてな。リュウはいったい何者なんだ?」
「ちょっと怖いこと思ったんだけどもしかしてこの世界のカードが話せるようにしてくれてるかもしれない可能性があるかも?」
「ん?……魔法で話せてる可能性があるってことか?……それは、あり得るかもしれない。本絶対なくすなよ!」
「わかったよ。ラウ。絶対肌身離さず持ってるよ!」
「というか話の内容変わってないか?冒険者のページ増えたんだよな?」
「そうだった。どうやら俺の考えたことにリンクしてページが開かれるみたいだね」
再度冒険者のページを開くとさっきみた狼獣人の絵の下に文章が記載されていた。
―冒険者
人々の悩みを解決する者たちの象徴。
ラウドと絆が生まれたことにより顕現したカード
このカード使用すると自分の周りを「探索」できます。対象物の位置が視覚的に赤く見えるようになる。
※絆の強さによって対象物の制約が決まります。
さらには冒険者の基本的な行動「魔物解体」や「応急手当」等「サバイバル術」を実行できます。
世界のカードと併用することにより「鑑定」を使用できます。
敵へ使用すると敵を「威圧」したり、「臆病」な状態にできます。
※絆の強さにより威力が変わります
一通り読み終えると夕方の空が少しだけ青くなってきていた。
「どうやら解体とか鑑定ができるようになったみたい」
「鑑定だって?!それはそれなりの技術を持つ魔術師じゃないとできない魔法だぞ!もっと詳しく話したいがだいぶ暗くなってきたから先にドルガンを目指そう。だいぶ休めただろ?」
ラウドがいたずらな笑顔をしながら俺に手を差し伸べその手を掴むとグイっと引っ張られ楽に立ち上がることができた。足への疲れもだいぶ良くなってた。
「そうだね。目指そうか」
下半身に付いた土を払い、ラウドの後ろに続いた。
「この街道はめったに魔物と出会うことはないけど気をつけろよな。なんだったらさっきの冒険者のカード使ってみてくれよ。フォローしてくれる奴がいれば帰りも楽だしな」
「わかったよ。ラウ。できること頑張ってみるよ。ラウもなんか異変に気づいたら教えて冒険者のカードが何か役立つかもしれないし。」
「おう。任せるぜリュウ。」
[ラウドと絆が深まったことにより冒険者のカードが強化されました]
「……!!」
突然聞こえる声に少し慣れた気がする。
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