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魔法使いの夢
泣きじゃくる耳の長い影がいた。
探していた影は、目と鼻の先にいる。
飛び越えては行けない崖の向こう側。
俺の跳躍力では、届かない距離。
『今行く!』と声を掛けても
『来ないで!』と叫ばれる始末。
俺がお前に何をしたのか?
今なら十二分に理解できる。
というよりも、理解させられた。
「嫌いだ」
終わらない世界。始まらない世界。
終わり切れなかった世界。
その昔、正義のヒーローのような魔法使いに
成りたかった男の子がいた。
魔法と言っても別にエクスペクトなパトローナム的なメルヘンなものじゃなく、言葉という力を借りて、多くの人に勇気と元気を与えられたら良かったのだ。
男の子はひたすらに走り続けた。
誰かの願う『誰か』に成ろうと。
こぼれ落ちてしまう心を
救い上げられる心に成ろうと。
「大っ嫌いだ」
中途半端な世界も。泣き虫も。
呑気な猫も。どいつもこいつも。
こんな世界を作った俺自身も。
人が死んだんだ。
1歩を踏み出す勇気のつもりだった。
でも、俺が押した背中は崖へ落ちた。
『思う通りにしてみたらいい』
その言葉の翌日に、その子は飛び降りた。
ビルから。
誰かを救えた気でいた。
何かを出来た気でいた。
でも、俺には何も為せていなかった。何も。
探していた影は、目と鼻の先にいる。
飛び越えては行けない崖の向こう側。
俺の跳躍力では、届かない距離。
『今行く!』と声を掛けても
『来ないで!』と叫ばれる始末。
俺がお前に何をしたのか?
今なら十二分に理解できる。
というよりも、理解させられた。
「嫌いだ」
終わらない世界。始まらない世界。
終わり切れなかった世界。
その昔、正義のヒーローのような魔法使いに
成りたかった男の子がいた。
魔法と言っても別にエクスペクトなパトローナム的なメルヘンなものじゃなく、言葉という力を借りて、多くの人に勇気と元気を与えられたら良かったのだ。
男の子はひたすらに走り続けた。
誰かの願う『誰か』に成ろうと。
こぼれ落ちてしまう心を
救い上げられる心に成ろうと。
「大っ嫌いだ」
中途半端な世界も。泣き虫も。
呑気な猫も。どいつもこいつも。
こんな世界を作った俺自身も。
人が死んだんだ。
1歩を踏み出す勇気のつもりだった。
でも、俺が押した背中は崖へ落ちた。
『思う通りにしてみたらいい』
その言葉の翌日に、その子は飛び降りた。
ビルから。
誰かを救えた気でいた。
何かを出来た気でいた。
でも、俺には何も為せていなかった。何も。
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