転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

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2章3〜4歳

光スライム

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―side アクシア―


「スラさん!大丈夫!?ぺってしなさい!ぺって」


 ――ポヨン!ポヨン!


 スラさんは大丈夫!っと伝えてくる。とりあえず、ほっと一息だ。


 ――ピッカーー!


「……って今度は光った!?」


 スラさんが発光している。眩しいっ!
 しばらくすると、光は収まって元通りになった。スラさんは若干光ったままだ。


「だっ!大丈夫!?」


 ――ポヨン!ポヨン!


 スラさんは相変わらず、大丈夫~!と伝えてくる。ちなみにテンションは全く変わらない。マイペースだなー。スラさん。


「ふむ。アクシア。そのスライム。進化しておるぞ?」
「えっ!?本当?鑑定っ!」


 結果が出てくる。


「本当だ。ライトスライムに進化している!魔鉱石を食べたから?」
「ふーむ。確かにそうではあるが、おそらくだが、魔石を食べてレベルアップした時に進化したのであろうな。あの魔物はスラさんにとってはレベルが高いからのう」
「ですねえ。おそらくですが、あの魔物の魔石を食べるだけであっという間にレベルアップしてしまったのでしょう」
「……ってことは、さらに魔石を食べさせたらもっとレベルアップできるってこと」
「確かにそうではあるが、それがいいと言うわけではないぞ?レベルが上がってHPやMPが増えたとしても結局使いこなせなかったら意味がない。成長の質も大切だ」


 確かにそれもそっかー、と思う。無闇矢鱈にレベルを上げてしまって、本来スラさんが覚えるべきスキルや技を覚えられなかったらそっちの方が損だ。


「ごめんねースラさん。急にレベル上げしてしまって」
『大丈夫ー。気にしてないー』
「うんうん。そうだねー」


 やっぱり、相変わらずマイペースだ。……って、今どこから声が?


『主人と話せるようになって嬉しいー』
「……って喋った!?」


 スラさんが喋るようになった!


『そうだよー。進化させてくれてありがとー」
「どういたしましてー」


 そう言いながら、鑑定する。


 名前:スラさん
 種族:光スライム
 魔法:光属性
 スキル:発光プラスチック生成
 

「おおー」

 
 鑑定してみた結果、スラさんのスキルが増えていることがわかった。スラさんは光魔法を習得していて、光るプラスチックを作れるようになったみたいだ。見たい見たい!


「スラさん。発光プラスチック作って!」
『はーい!』


 --ポンポン!

 
 いつものようにスラさんがいつものようにプラスチックのボールをくれる。いつもと違うのは、そのプラスチックが光っていることだ。


「おお~すごい!」
『ドヤァ~』


 スラさんがドヤってくるが、それもわかる。光るプラスチック!綺麗すぎー!


「ほほう。これは色々使えそうだのう」
「綺麗ですねえ」
 

 青龍様も白虎さんも興味津々にみている。
 確かに、これがあれば色々できそう。


「またとんでもない物を作れるようになりましたねえ。ルイス様になんて報告すれば良いのか……」


 エリックは困ったようにその様子を見つめている。この人、大体いつも困ってるの可哀想だと思う。


「誰のせいだと思っているんですか……」


 心読まれた!?
 

「最近ようやく分かってきましたよ、アクシア様の思ってること。今のは哀れみの目を向けられていた気がしました」


 げっ……、流石エリック。
 そうだよねえ、このレベルのハイスペックな執事だったら主人が何を考えているか手に取るように分かってもおかしくない。
 ちなみに失礼なことも分かってしまうので俺にとっては非常によろしくない。


「あーっと、どんまい、エリック。あいでっ!」


 エリックにペシっと軽く頭を叩かれた。

 
「アクシア様……興味ないなら何も言わない方がマシです」
「うっ……ごもっとも」
「まあ言わなくても分かりましたけど」
「理不尽の極み」


 ぐぬぬぬぬ……エリック君それは理不尽という物だよと思っていると、エリックからはため息をつかれ、スラさんからはポンポンと叩かれた。
 そんな様子を青龍様と白虎さんが呆れた様子で見ている。


「まあまあ、元々我々はアクシアの心を読めるし関係ないではないか」
「そうですよ、今更一人や二人、アクシア様の心を読めるようになったって」
「えっ……二人とも心読めたの?」
「「はっ……」」


 そう言って、二人を見ると、サッと目を逸らした。おいっ!


「無断読心」


 まさかの事実を知った俺はその日部屋の中へ引きこもって1日発光プラスチックの研究をするのだった。

 
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