公爵様、これが夢なら醒めたくありません!

菰野るり

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おかえり、私の世界

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目を開けたら、アンリは側にいた。
「ごめん、お風呂は?」
わたしは慌てて聞く。
「さっき準備ができたばかりだから、大丈夫だよ」

間に合って良かったと胸を撫で下ろす。

「ミアはお風呂に手伝いはいる?メイドたちにミアをみせたくなくて、下がってもらったから俺しか手伝えないけど得意だよ」

きっとこの国の貴族は湯浴みを1人ではせず、誰かに手伝ってもらうのだろう。

恥ずかしいけれど、別にアンリだったら何されても嫌じゃない。というか初めても最後もアンリなら良かった。

「じゃあアンリに洗ってもらう」

するすると器用に服をぬがせタオルで巻いて、アンリは私を風呂場へ運ぶ。

ちゃぽん。

タオルで巻かれたまま、湯船に入れられた。アンリは腕まくりをして、湯桶で私の髪に湯をかけて三つ編みを解きほぐしてゆく。

全然いやらしくない。

泡だらけの髪を、優しく洗いながら鼻歌すら歌っている。

「一緒に入るかと思ってた」

私は緊張していたのが、一気にほぐれて笑いながらそう言った。

「お姫様の純潔はちゃんとするまでは守りたいんでね」
アンリは意外に真面目に答えた。
「一緒に入って我慢するってのは、ちょっと厳しいね」

「アンリならいいよ、全部あげる」

私は私の髪を洗うアンリを見上げる。アンリは浅黒い肌から頬の赤みが透けるほど赤面してた。

「アンリになら、いつか裏切られて浮気されても、飽きられたら捨てられてもいい。思い出だけでも欲しいよ」

アンリは答えず、私の髪に湯桶のお湯をかけて泡を流した。私は目を瞑る。

心地よいお湯が流れる音だけが、お風呂場に響いている。

「ミアは、俺を信じられないか?」

あらかたの泡を洗い流し、顔についた泡をタオルで拭き取りながらアンリは話しかけてきた。

目を開けるとアンリは向かうように膝をついている。

「信じてるよ、負担になりたくないだけ」

わたしは目を逸らして答える。

「ミアの純潔を大事にしたい。このまま日陰に囲ったりしない。君がどこの誰であれ、ちゃんとする」

「誓いのキスして」

ミアは私よりずっと大胆で、私じゃないみたいだった。
アンリの唇が近づいて戸惑いながら重なり、濡れた唇と舌が絡まる。湯の中で体に巻き付いたタオルもほどける。

アンリのシャツも濡れて均整のとれた美しい身体が透けて見えた。

「ねえ、どこまでなら純潔のボーダーラインかなあ」
「悪魔の囁きはやめろよ」

濡れたシャツとズボンを脱ぎ捨てながらアンリは優しく私を叱った。
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