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1.こじらせていることは自覚してます
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玖堂の部屋から戻ったあと、俺はいつも通り宿題を片付けた。予習と復習をしてから、夕食をパパッと作った。食後は、洗濯物を取り込んで、部屋を掃除して……。
俺は、だらだらとするのが苦手だった。頭も体もフルパワーで稼働させている。玖堂とは正反対のタイプだ。
夜になると、エネルギー切れを起こしてベッドに倒れ込んでいる。
今日もそうだった。ベッドにダイブしたのと同時に、スッと眠りについた。
ぐっすり寝ていたはずだったのだが、気づいたら明るい場所にいた。まぶしいくらいだった。真っ白だった周囲の景色が、少しずつ色を帯びていく。
俺は、部屋の中にポツンと座っていた。
今、暮らしているアパートではないことは明らかだった。少し前まで、兄と生活していたマンションでもない。
これは、一軒家だ。見覚えがある。俺は幼少期、この家で暮らしていた。両親が海外へ行く前の話だ。
そこまで考えて「これは夢だな」と気づいた。
まれに、こんな風に夢をみる。たいてい内容は同じだ。
幼い俺は、ひとりで遊んでいる。部屋の中央に座り込んで、知育玩具を触ったり、絵本をめくったりしている。
両親は、ちょっと遠くに見える。同じ部屋にいるはずなのに、不思議なくらい距離が離れている。父と母は、向かい合って何か話している。楽しそうだ。自分も加わりたいと思うけれど、それは叶わない。
声が出ない。手を振っても、俺の存在に両親たちは気づかない。
少しずつ、苦しさを覚える。息ができないみたいだ。
もがいていると、背後から声をかけられる。兄だ。いつも、俺が苦しくなると兄が出てくる。そうして「俺と遊ぼう」という。
間違いなく兄の洸なのに、俺の知っている兄ではない気がする。ヘラヘラしていない。ちょっと不機嫌そうで、ぶっきらぼうなのだ。
夢の中の俺は、まだ小学生にもなっていないと思う。兄の言葉に対して、小さな頭がこくんと動く。その様子を今の俺は、いつも俯瞰で見ているのだ。
✤
翌朝、俺はいつもより早めに部屋を出た。
目覚まし係としての任務を遂行するためだ。玖堂がすぐに起きてくれるとは限らない。そのため、少し余裕を持って彼の部屋の前に立った。
インターフォンを押す。可能性は限りなく低いとは思うが、扉が開きますように……と祈る。
一度目は、反応なし。
少し間を置いて、もう一度インターフォンを鳴らしてみた。
やはり、玖堂は出て来ない。
「やっぱり、合鍵を使うことになるのか……」
俺は、玖堂から渡されていた鍵を使って部屋に入った。
「お邪魔しまーーす……」
ゆっくりと進み、玖堂の姿を探す。昨日、ベッドが置かれている場所は確認している。そこに視線を向けると……。
「寝てんじゃん」
やっぱりというか、なんというか。
ゆるゆるのTシャツ姿の玖堂が、ベッドに横たわっていた。どうやら、このゆるゆるTシャツは、部屋着兼パジャマらしい。
「いや、ちゃんとスウェットとか穿いて……!」
俺は頭を抱えた。目の前には、玖堂のすらりと伸びた脚がある。生白い太ももは、意外にも筋肉質だった。
「まさか、下着もナシとかないよな?」
俺は気になって、ゆるゆるTシャツに手を伸ばした。
その手を反対の手でピシャリと叩く。
「何をしようとしているんだ! 俺は……!」
これは、完全なセクハラに該当する。
この部屋に来た目的は、玖堂を起こすことだ。そして、彼と一緒に学校へ行く。強引に、引っ張ってでも連れて行く。
「玖堂」
俺は、ごく普通のトーンで声をかけた。もちろん、玖堂は目を覚まさない。
「玖堂くーーん」
今度は、ちょっと大きめに声を出す。
「うん……」
玖堂が返事をした。もちろん、目は閉じているけれども。
「玖堂! 起きろ!」
「うーーん……」
玖堂が寝返りを打つ。うつ伏せの体勢から、仰向けになった。
「寝顔すら美しいのかよ」
玖堂が寝ているのを良いことに、俺は間近でガン見した。つるりとした顔だ。
造作が整っているのはもちろん、玖堂の顔にはシミひとつ存在しなかった。ニキビもない。というか、毛穴が見当たらない。意味が分からない。
「同じ人間とは思えねぇ」
俺は愕然としながら、部屋のカーテンを全開にした。
「ん……」
玖堂が、まぶしそうに顔を背ける。色素の薄い髪が、朝陽を浴びてキラキラと輝いている。
何かに似ていると思った。あ、そうか。たてがみだ。ライオンみたいなのだ。草原で体を休めている美しい捕食者。
仮に、玖堂がライオンだとしたら、俺は何だろう。小動物とまではいかなくとも、ライオンの前では無力な生物に違いない。
「碧斗」
思い切って、呼び捨てにしてみる。
「……うん?」
「起きた?」
「…………」
「いや、そこは返事しないのかよ」
俺は玖堂に近づき、ゆさゆさと体を揺らした。
いい加減、目を覚ましてもらわないと困る。余裕を持って部屋を出て来たが、のんびりしている時間はない。
「起きろ~~! 玖堂が起きないと、俺まで遅刻するだろ」
俺は中学時代、無遅刻無欠席だった。
無論、高校でもそれを狙っている。なぜなら優等生だから。そうすると褒められるから。
「玖堂のせいで遅刻したら、恨むからなーー!」
そう言って、玖堂の体をゆさゆさと激しく揺さぶる。
「こんなあられもない姿で寝てるのは、すごく危険だぞ~~! 襲われちゃうぞーー!」
とか言いつつ、そんな勇気は俺には一ミリもないのだが。
それにしても、玖堂はちょっと無防備が過ぎると思う。同じクラスの人間とはいえ、簡単に合鍵を渡したり、こんな風にスヤスヤと眠っていたり。
「自分がすごい美貌の持ち主だってこと、ちゃんと自覚したほうが良いぞ~~!」
そう口にした瞬間、ふわりと体が浮いた。同時に、視界が反転する。
「え……?」
状況が理解できず、俺はひたすら瞬きを繰り返した。
目の前に玖堂がいる。いや、前というか上だ。俺に乗っかる体勢になった玖堂に、じいっと見下ろされている。
……な、なんか、玖堂の目が据わってるみたいなんですけど。
というか、ちょっと待って。俺、玖堂に押し倒されてんの?
ベッドから、ふわりと玖堂の匂いがした。急に、色んなことが生々しく感じられた。
触れている玖堂の体温とか、シーツの感触とか。俺の心臓は、どっきんどっきんと反応している。
俺は、だらだらとするのが苦手だった。頭も体もフルパワーで稼働させている。玖堂とは正反対のタイプだ。
夜になると、エネルギー切れを起こしてベッドに倒れ込んでいる。
今日もそうだった。ベッドにダイブしたのと同時に、スッと眠りについた。
ぐっすり寝ていたはずだったのだが、気づいたら明るい場所にいた。まぶしいくらいだった。真っ白だった周囲の景色が、少しずつ色を帯びていく。
俺は、部屋の中にポツンと座っていた。
今、暮らしているアパートではないことは明らかだった。少し前まで、兄と生活していたマンションでもない。
これは、一軒家だ。見覚えがある。俺は幼少期、この家で暮らしていた。両親が海外へ行く前の話だ。
そこまで考えて「これは夢だな」と気づいた。
まれに、こんな風に夢をみる。たいてい内容は同じだ。
幼い俺は、ひとりで遊んでいる。部屋の中央に座り込んで、知育玩具を触ったり、絵本をめくったりしている。
両親は、ちょっと遠くに見える。同じ部屋にいるはずなのに、不思議なくらい距離が離れている。父と母は、向かい合って何か話している。楽しそうだ。自分も加わりたいと思うけれど、それは叶わない。
声が出ない。手を振っても、俺の存在に両親たちは気づかない。
少しずつ、苦しさを覚える。息ができないみたいだ。
もがいていると、背後から声をかけられる。兄だ。いつも、俺が苦しくなると兄が出てくる。そうして「俺と遊ぼう」という。
間違いなく兄の洸なのに、俺の知っている兄ではない気がする。ヘラヘラしていない。ちょっと不機嫌そうで、ぶっきらぼうなのだ。
夢の中の俺は、まだ小学生にもなっていないと思う。兄の言葉に対して、小さな頭がこくんと動く。その様子を今の俺は、いつも俯瞰で見ているのだ。
✤
翌朝、俺はいつもより早めに部屋を出た。
目覚まし係としての任務を遂行するためだ。玖堂がすぐに起きてくれるとは限らない。そのため、少し余裕を持って彼の部屋の前に立った。
インターフォンを押す。可能性は限りなく低いとは思うが、扉が開きますように……と祈る。
一度目は、反応なし。
少し間を置いて、もう一度インターフォンを鳴らしてみた。
やはり、玖堂は出て来ない。
「やっぱり、合鍵を使うことになるのか……」
俺は、玖堂から渡されていた鍵を使って部屋に入った。
「お邪魔しまーーす……」
ゆっくりと進み、玖堂の姿を探す。昨日、ベッドが置かれている場所は確認している。そこに視線を向けると……。
「寝てんじゃん」
やっぱりというか、なんというか。
ゆるゆるのTシャツ姿の玖堂が、ベッドに横たわっていた。どうやら、このゆるゆるTシャツは、部屋着兼パジャマらしい。
「いや、ちゃんとスウェットとか穿いて……!」
俺は頭を抱えた。目の前には、玖堂のすらりと伸びた脚がある。生白い太ももは、意外にも筋肉質だった。
「まさか、下着もナシとかないよな?」
俺は気になって、ゆるゆるTシャツに手を伸ばした。
その手を反対の手でピシャリと叩く。
「何をしようとしているんだ! 俺は……!」
これは、完全なセクハラに該当する。
この部屋に来た目的は、玖堂を起こすことだ。そして、彼と一緒に学校へ行く。強引に、引っ張ってでも連れて行く。
「玖堂」
俺は、ごく普通のトーンで声をかけた。もちろん、玖堂は目を覚まさない。
「玖堂くーーん」
今度は、ちょっと大きめに声を出す。
「うん……」
玖堂が返事をした。もちろん、目は閉じているけれども。
「玖堂! 起きろ!」
「うーーん……」
玖堂が寝返りを打つ。うつ伏せの体勢から、仰向けになった。
「寝顔すら美しいのかよ」
玖堂が寝ているのを良いことに、俺は間近でガン見した。つるりとした顔だ。
造作が整っているのはもちろん、玖堂の顔にはシミひとつ存在しなかった。ニキビもない。というか、毛穴が見当たらない。意味が分からない。
「同じ人間とは思えねぇ」
俺は愕然としながら、部屋のカーテンを全開にした。
「ん……」
玖堂が、まぶしそうに顔を背ける。色素の薄い髪が、朝陽を浴びてキラキラと輝いている。
何かに似ていると思った。あ、そうか。たてがみだ。ライオンみたいなのだ。草原で体を休めている美しい捕食者。
仮に、玖堂がライオンだとしたら、俺は何だろう。小動物とまではいかなくとも、ライオンの前では無力な生物に違いない。
「碧斗」
思い切って、呼び捨てにしてみる。
「……うん?」
「起きた?」
「…………」
「いや、そこは返事しないのかよ」
俺は玖堂に近づき、ゆさゆさと体を揺らした。
いい加減、目を覚ましてもらわないと困る。余裕を持って部屋を出て来たが、のんびりしている時間はない。
「起きろ~~! 玖堂が起きないと、俺まで遅刻するだろ」
俺は中学時代、無遅刻無欠席だった。
無論、高校でもそれを狙っている。なぜなら優等生だから。そうすると褒められるから。
「玖堂のせいで遅刻したら、恨むからなーー!」
そう言って、玖堂の体をゆさゆさと激しく揺さぶる。
「こんなあられもない姿で寝てるのは、すごく危険だぞ~~! 襲われちゃうぞーー!」
とか言いつつ、そんな勇気は俺には一ミリもないのだが。
それにしても、玖堂はちょっと無防備が過ぎると思う。同じクラスの人間とはいえ、簡単に合鍵を渡したり、こんな風にスヤスヤと眠っていたり。
「自分がすごい美貌の持ち主だってこと、ちゃんと自覚したほうが良いぞ~~!」
そう口にした瞬間、ふわりと体が浮いた。同時に、視界が反転する。
「え……?」
状況が理解できず、俺はひたすら瞬きを繰り返した。
目の前に玖堂がいる。いや、前というか上だ。俺に乗っかる体勢になった玖堂に、じいっと見下ろされている。
……な、なんか、玖堂の目が据わってるみたいなんですけど。
というか、ちょっと待って。俺、玖堂に押し倒されてんの?
ベッドから、ふわりと玖堂の匂いがした。急に、色んなことが生々しく感じられた。
触れている玖堂の体温とか、シーツの感触とか。俺の心臓は、どっきんどっきんと反応している。
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