[完結]困窮令嬢は幸せを諦めない~守護精霊同士がつがいだったので、王太子からプロポーズされました

緋月らむね

文字の大きさ
82 / 88

82

しおりを挟む
 工房にきて、早速荷物を片付ける。さっき買った洋服などもしまったりする。可愛い洋服が買えたからネオが帰ってきたら見せたいな。

 荷物は持っていたものと買ってきたものだけだから少なくてすぐに片付いた。さっきイヤーカフの話を偶然聞けてとても嬉しかったから早速今から作ることにした。

 工房の作業場に行くと銀粘土が沢山置いてあった!ネオからのメモがあってイヤーカフ作りに使ってと書いてあった。お父様から手紙の返事と一緒に送ってもらったらしい。ありがたく使わせてもらう。

 この前、宿に来てくれたことやドアにあった置き手紙だったり、銀粘土のメモだったりとネオはすごく気遣いができる人だなって思う。

 まだ仕事に行ったばかりだけど、早く帰ってきてほしいなって思う。仕事は運命の魔術師の仕事だろうか?ネオのことを全部知っているわけじゃないからもっと沢山話して色々知りたいと思う。

 私はネオのことを考えながら銀粘土でイヤーカフを作っていた。そういえば、この前は銀板と銀粘土を使ったイヤーカフを作っていたけど、やっぱり作り慣れている粘土細工でイヤーカフを作っていた。

「ヤラ、銀板を使わなくて、銀粘土だけで作ってしまっているけど、どうかな?」

 せっかくネオに習った彫金を使っていない。勿体無いかな。

(銀板を使う方がカチッとして見えるね。柔らかい感じは銀粘土だけだね)

「そっか、やっぱり両方使ったのも作った方がいいね」

 ヤラのアドバイスを受けて、私はこれからも銀板と銀粘土を使ったイヤーカフと銀粘土のみのものを作っていくことにした。




 工房にきて半月が経った。その間、私はどんどんイヤーカフを作ってシルクリア商会に納品していた。

 ある時、納品に行くと受付にコルネ様がみえて、久しぶりにコルネ様と話す機会があった。

「コルネ様こんにちは、今日も納品に来ました」

「ローザ様こんにちは、ありがとうございます。ローザ様のイヤーカフがすごく人気で、この前納品してもらった分が全部売り切れてしまってどうしようかと思っていたところだったんです」

 うそっ!この前納品した分が全部売り切れたの?子爵領から持ってきていた100個は私が工房に住まいを移した時に全部売り切れたって聞いて、慌ててその1週間後にまた100個作ったんだけど、それももう売り切れたってことだよね?あれからまだ1週間だけど……

「それは嬉しいです!ありがとうございます。でも今回は50個しか作れていないです。銀板と銀粘土がなくなってしまって」

「そうでしたか、それでは帰りに倉庫に寄って銀粘土を持っていってください。銀板もありますので、それも持っていってください」

「ありがとうございます。寄らせていただきます」

 私は納品の後に倉庫に寄って銀粘土と銀板をもらっていくことにした。コルネ様にできた作品を見てもらっているとオシラ様が入り口から入ってきた。

「ローザ様、こんにちは。間に合ってよかったわ。ローザ様のイヤーカフが大人気で、王妃様がぜひローザ様に会って直接イヤーカフを購入したいって言ってるの。王妃様にお会いしてくださらない?」

 えっ!!王妃様に会う?私が?信じられない。王妃様って王様のお妃様のことだよね?この国の国母となる人だよね?そんな人が私のイヤーカフを購入したいなんて!!さすがシルクリア商会!王妃様から直々に言われるなんて。
「とても光栄です。でも私、貴族ですけど子爵令嬢で王妃様に会うようなマナーなんて知りませんが大丈夫でしょうか?」

「それは大丈夫よ。私も一緒に行くから」

 オシラ様が一緒に来てくださるのはとても心強い。やっぱり懇意にされているんだろうな。

「それなら安心です。よろしくお願い致します」

「ありがとう、ローザ様。王妃様にお返事をして、また日にちは後日お伝えするわね」

 そう言ってオシラ様は急いで出ていかれた。

「ローザ様、すごいじゃないですか!!王妃様に呼ばれるなんて!なかなかそんな方みえないですよ」

「そうなんですか?」

「はい。売れ行きがすごくいいから注目されているんですね。やっぱり自分が見つけてきた作家さんの作品が売れていくと嬉しいわ」

 そうだった、コルネ様に見つけてもらってシルクリア商会と縁ができたんだった。

「コルネ様、その節はありがとうございました。これからもよろしくお願いします」

「こちらこそです。末長くよろしくお願いします」

 コルネ様と頭を下げあって、私は銀粘土と銀板を倉庫に取りに行って工房に戻ったのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。

長岡更紗
恋愛
侯爵令嬢だったユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。 仲睦まじく過ごしていたある日、父親の死をきっかけにどん底まで落ちたユリアーナは婚約破棄されてしまう。 愛し合う二人は、離れ離れとなってしまったのだった。 ディートフリートを待ち続けるユリアーナ。 ユリアーナを迎えに行こうと奮闘するディートフリート。 二人に巻き込まれてしまった、男装の王弟。 時に笑い、時に泣き、諦めそうになり、奮闘し…… 全ては、愛する人と幸せになるために。 他サイトと重複投稿しています。 全面改稿して投稿中です。

転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
皆様の応援のおかげでHOT女性向けランキング第7位獲得しました。 前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。 恋に落ちたニーナだが、平民の自分が二度と会うことはないだろうと思ったのも、束の間。魔法が使えることがバレて、晴れて貴族がいっぱいいる王立学園に入ることに! しかし、そこにはウィルはいなかったけれど、何故か生徒会長ら高位貴族に絡まれて学園生活を送ることに…… 見た目は地味ダサ、でも、行動力はピカ一の地味ダサ令嬢の巻き起こす波乱万丈学園恋愛物語の始まりです!? 小説家になろうでも公開しています。 第9回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作品

【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?

はくら(仮名)
恋愛
 ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。 ※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。

契約結婚の相手が優しすぎて困ります

みみぢあん
恋愛
ペルサル伯爵の婚外子リアンナは、学園に通い淑女の教育を受けているが、帰宅すれば使用人のような生活をおくっていた。 学園の卒業が近くなったある日、リアンナは父親と変わらない年齢の男爵との婚約が決まる。 そんなリアンナにフラッドリー公爵家の後継者アルベールと契約結婚をしないかと持ちかけられた。

退役騎士の居候生活

夏菜しの
恋愛
 戦の功績で騎士爵を賜ったオレーシャは辺境を警備する職に就いていた。  東方で三年、南方で二年。新たに赴任した南方で不覚を取り、怪我をしたオレーシャは騎士団を退役することに決めた。  彼女は騎士団を退役し暮らしていた兵舎を出ることになる。  新たな家を探してみるが幼い頃から兵士として暮らしてきた彼女にはそう言った常識が無く、家を見つけることなく退去期間を向かえてしまう。  事情を知った団長フェリックスは彼女を仮の宿として自らの家に招いた。  何も知らないオレーシャはそこで過ごすうちに、色々な事を知っていく。  ※オレーシャとフェリックスのお話です。

【完結】年下幼馴染くんを上司撃退の盾にしたら、偽装婚約の罠にハマりました

廻り
恋愛
 幼い頃に誘拐されたトラウマがあるリリアナ。  王宮事務官として就職するが、犯人に似ている上司に一目惚れされ、威圧的に独占されてしまう。  恐怖から逃れたいリリアナは、幼馴染を盾にし「恋人がいる」と上司の誘いを断る。 「リリちゃん。俺たち、いつから付き合っていたのかな?」  幼馴染を怒らせてしまったが、上司撃退は成功。  ほっとしたのも束の間、上司から二人の関係を問い詰められた挙句、求婚されてしまう。  幼馴染に相談したところ、彼と偽装婚約することになるが――

【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!

雨宮羽那
恋愛
 いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。 ◇◇◇◇  私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。  元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!  気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?  元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!  だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。 ◇◇◇◇ ※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。 ※アルファポリス先行公開。 ※表紙はAIにより作成したものです。

異世界転移聖女の侍女にされ殺された公爵令嬢ですが、時を逆行したのでお告げと称して聖女の功績を先取り実行してみた結果

富士とまと
恋愛
公爵令嬢が、異世界から召喚された聖女に婚約者である皇太子を横取りし婚約破棄される。 そのうえ、聖女の世話役として、侍女のように働かされることになる。理不尽な要求にも色々耐えていたのに、ある日「もう飽きたつまんない」と聖女が言いだし、冤罪をかけられ牢屋に入れられ毒殺される。 死んだと思ったら、時をさかのぼっていた。皇太子との関係を改めてやり直す中、聖女と過ごした日々に見聞きした知識を生かすことができることに気が付き……。殿下の呪いを解いたり、水害を防いだりとしながら過ごすあいだに、運命の時を迎え……え?ええ?

処理中です...