俺の婚約者は侯爵令嬢であって悪役令嬢じゃない!~お前等いい加減にしろよ!

ユウ

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第三章.フラグ回避計画

21.ワンコが集う

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しばらくして、俺達が住んでいる学生寮は賑やかになった。


ただし、ここは学園内の学生寮であるのだけど。


「アン!」


「あー、ありがとう」


タマにタオルを受け取り顔を拭くと。

「ワン!」

「ワフ!」


タマに続くようにしてワンコ達が俺の後ろで待機し、何故か着替えを用意している。


「どーも」

「ワフ!」

別に 教えたわけではない。
彼等は勝手に覚えて、ここ一週間は俺の側で世話を焼いてくれていた。


「アン!」

「「ワォォォン!!」」

タマが合図をするとワンコ達は俺の手伝いをしようとする。

朝一番に庭の薬草や畑に向かおうとすれば、俺より先に道具の準備をしてくれたり、畑を耕す手伝いをしてくれる。


汗をかけば水分を取りに行ってくれるし、至れり尽くせりだった。


「見事な忠犬ぶりだな。お前も立派な調教師ブリーダーだな!」

「俺は薬草師ハーバリストなんですが」


何時から俺は転職したんだ?
ここ数日、学園内でも俺を調教師と呼ぶ声が出て来た。


「大体テイマーとブリーダーはどう違うんですか」

「テイマーはその名の通り魔獣を使役する。ブリーダーは言うなれば飼育係だ」


「飼育係…」

なんて庶民的で地味なんだろうか?


「魔力なくともなれる職業だ。テイマーは魔獣を従わせることができるがブリーダーは魔獣の世話をするだけだ。まぁ、魔獣に好かれやすい体質だと聞いたことはある」

「それってすごいんですか?」

「戦闘能力はFランクだ」

「既に最低の中の最低じゃないですか!」


現在冒険家のランクは最低がEなのに、それ以下が存在したのか!


「ああ、幼児でもなれる職業だ」

「幼児…」

つまり底辺な職業を得たと?
また、悪い噂が流れるんじゃないだろうか?


「落ち込むことなないぞ、そもそもテイマーよりもブリーダーの方が歴史は長いからな。今ではブリーダーの質も落ちているからな」

聞けばその昔は聖獣のブリーダーが存在し。
彼等は神獣のお世話係を任される程の存在だったらしい。


けれど、時代は変化し、人間と魔族が敵対する中、魔獣と心を通わせる人間よりも完全に支配できるだけの技量を持つ方が待遇がいいそうだ。


「解釈の違いだ。実際、今のテイマーの礎を築きあげたのはブリーダーだ」

「そうなんですか?」

「だが、時代は代わってしまった。人間は何時しか魔獣を支配するべきだと考えるようになったんだ」


人間とは何処まで浅はかなのだろうか。
野に咲く花をめでるのではなく踏み潰すような行為を平気でする人間が多い。


「初代大賢者様は、魔獣を支配する考えが嫌いだったと父上から聞いている」

「そうなのですか?」

「俺も魔獣を服従させることを賛同していない。王族の中でも一番反対していたのはあれだが…」


ウィルフレッド様が指さす方を見ると、そこには…



「チッチッ…」

レントン様がワンコ達に餌をチラつかせながら気を引こうとしていた。


「アイツは大の動物好き…いや、魔獣好きだ」

「あー…」


確かに解るかもしれない。
昼食の時も鳩に餌をあげたり、学園内で飼っている人面魚を密かに可愛がっていた。
見た目はただの口の悪いおっさんだが、世話をしているレントン様は根っからの動物好きだった。


「アイツは隠したがっているが、この世で最もモフモフが好きだ」

「レントン様…」

なんて可愛らしい人なんだ。
そしてかなり不憫な人だと思った。

普段から対抗意識を燃やしている相手に既に弱みを握られているなんて。


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