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69.予感的中
しおりを挟む俺の不安は他所に、式典は予定通り行われた。
参列者は広間に集められ、その場には多くの近衛騎士や騎士団が警護を務めている。
王宮の周りも警備はいるが広間を狙われないようにしなくてはならない。
「ユーリ様、今の所問題はありません」
「そうか…しかし」
「ええ」
ジャックがこっそり報告するも、まだあの家族は来ていないのが妙だ。
式典は既に始まり、俺と陛下の同盟の証を公開した後に宴が始まるののにだ。
本当に参加しないのか?
不参加ならば良いが、あの性悪家族は己の欲望に対して忠実だからな。
己の欲望の為なら道徳なんてありはしない。
だからこそこの機会を利用して何かしでかすと思ったのだが杞憂か?
「念の為にも、王宮の外の様子を見て来ましょうか」
「いや、お前はできるだけここを離れるな。万一の為に」
万一あの家族が何か仕組んだとしてもだ。
アイリスに手出しはさせないし、王宮に来て早々を犯せばどうなるか。
彼等がどうなろうが知った事ではないが、大事な同盟をぶち壊しにされるのは許せない。
「これよりここに同盟を結ぶ!」
そんな中、陛下の声が響き渡り歓声と拍手の音が聞こえた。
「今日を持って、我がブリチア王国はシメリス帝国の従国となる」
「ここに同盟の証を」
誓約書にサインをした後に、同盟は正式となった。
「ユーリ殿下、どうか今後も共よろしくお願いしますぞ」
「はい、こちらもよろしくお願いします」
握手を交わしながら同盟を祝い、今から宴が始まる。
「今日は大いに飲んで食べて盛り上がるが良い」
「今日の為に特別なワインを帝国から頂きました。アイリス妃殿下よりお言葉を賜りたいと思います」
王妃陛下の計らいにより、乾杯の音頭取る役目はアイリスが行う手はずになっている。
そんな時だった。
バァン!
乱暴に扉が開かれ、その場に現れたのは。
「――アイリス!」
宴の乾杯を邪魔するようにイライザが姿を現せた。
「なっ…このタイミングで」
「あのクソ女が!」
傍で待機していたジャックが真っ青な表情になり、ロビンはらしくなく口汚い言葉を吐きながら震えていた。
「何の真似だ!宴の最中に」
「どういうつもりですの?」
堂々と扉を開き入って来たイライザに両陛下が深いな表情を向けるも、イライザは気にも留めなかった。
「本日の乾杯の音頭を取るべき人物は私ですわ」
扇を広げながら不敵に微笑むイライザに周りは静まり返る。
この女は馬鹿か?
自分が何をして何を言ったか理解しているのかこの女は。
にも拘らず、この女は勘違いをしてまたしても茶番劇が始まった。
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