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36聖女の起源
しおりを挟む――聖女伝説。
その昔、国が危機的状況の際に女神の信託を預かり国を救うべく奔走した後に、国を平和に導いたことにより聖女穿設が定着した。
ただし、逸話が幾度もあり。
物語として書かれたこともあり、事実と創作が入り混じっている。
ただし国によって王子様と聖女が結婚するということもあるそうだ。
故に聖女は高貴なる身分とされているのだけど。
「ないですね」
「そんなあっさり」
「そもそも聖女って高貴な身分な方ですよね」
私は身分も微妙だ。
農家貴族だし、百姓だし。
「我が国の始まりの聖女は羊飼いの娘だったぞ」
ジャンヌ・ダルクか…
確か一番有名なのが彼の有名な聖女伝説だ。
でも最後は悲惨な末路を辿ったんじゃ…
「無理無理!私は火あぶりはいやぁぁぁ!できれば老衰希望なのに!」
「何を言っているんだ。火あぶりだと?」
「聖女なんてなったら、用済みになったら魔女にされて処刑じゃない」
絶対聖女なんてなりたくない。
最後は悲惨な死が待っているなんてあんまりだ。
「私は100歳まで長生きして金さん銀さんになりたいのに」
「きんさんぎんさん?」
「何方ですか?」
ああ、この世界の人は知らないか。
でも死にたくない。
「アンリ、落ち着いてくれ」
「姫様、貴女を処刑なんてとんでもありません」
「この国の王家は聖女絶対主義ではない。有事の時に協力は願っても公の場に立たせることもなければ、聖女を処刑にするのは重罪だ」
「でも…」
「君が危険に晒されることがないようにする…俺を信じてくれないか」
これまでアレクは私が嫌がることはしたことはない。
約束をたがえるようなこともしなかった。
「じゃあ私を火あぶりにしない?」
「勿論だ」
「聖女だって公にしない?」
「ああ…だが、人の噂に戸は立てられなうが、公にならないように手を尽くそう」
正直な人だ。
嘘をつけばいいのに、そうしないのだから。
「じゃあ約束ね。それに元から私はアレクのお兄さんにご飯を食べて貰う為に来たんだし」
「ありがとうアンリ」
女神様をお助けすることに異論はない。
でも大丈夫かな?
私、魔力なんてあってないようなものだし。
神殿って結界がしいてあったりして、私が入った瞬間につまみ出されたりしないかな?
「クゥーン」
「ねぇ、アルフ、ハチ…君達は魔獣様でしょ?私大丈夫かな」
「ワフ!」
「本当にできるんだろうか」
優しい従魔二匹は私にじゃれつくけど、正直何ができるのだろうか。
勢いに任せてここまで来たけど。
本当に大丈夫かな?
今更ながらに心配になる私に対して従魔二匹は先ほどから涎を垂らしてご飯の催促をしていた。
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