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35太陽の光
しおりを挟む日の光が頬に当たるのを感じて目を覚ます。
この国に来てすぐは太陽が隠れていたのに、今日初めて太陽の光を浴びた気がした。
「すごく良い天気。雲一つないな」
これぞまさしく本日は晴天なりというものか。
やっぱり人間太陽の光を浴びないとね!
「アンリ!起きているか!」
「え?起きているけど…」
「入っていいか!大変なことに」
普段のんびりしているアレクが珍しいと思い扉をすぐに開くと、アルベールさんも一緒だった。
「どうしたの?」
「空に太陽が…」
「うん、いい天気だね。やっぱり晴れは気持ちがいい」
「違うんだ!この国はもう五年は太陽が隠れている」
「五年?」
そんなに曇りが続いていたの?
「雨の国だったの?」
「違う。カリスタは太陽の国だ。だが、五年前に女神の加護が消えだして太陽も隠れてしまった。一年中薄暗い国になってしまったんだ…その所為で妖精も衰弱してしまったんだ」
「光の魔力が消えてしまった状態なんです。なのに…朝起きると妖精の森が復活しました。それだけでなく、精霊が再び戻って来たんです」
「精霊?」
「ああ、この国はもとより精霊と共存している国だったんだ」
人類至上主義の国からすれば稀だな。
私もそこまでくわしくないけど、妖精や精霊と共存する国は少ないとか。
「へぇー良かったね」
「君は解っていないだろ。君が精霊の聖地のいたるところを浄化したからだ」
「は?」
いやいや、私はそんな力ないよ。
「汚れた泉、川、湖はその昔偉大なる水の精霊の住まいだったのです」
「え…」
「ですが黒い水により、穢れが増えてしまったのです。ですが姫様が穢れを取り除いたおかげで」
いや、無償で美味しい調味料をいただいただけなんですけど。
浄化なんて高等なことは一切していない。
「俺の推測だが、君がお祈りをしてくれたおかげで女神は、精霊は俺達を許してくれたんだ」
「姫様、本当にありがとうございます。貴女はやはり女神様の御使いです!」
勝手に勘違いして思わぬ方向に話が進んでいる。
私は美味しい調味料をいただいただけだ。
お供え物に関しては、幸せをいただいたのでお礼だ。
決してそんな真似はしていないぞ!
「あのねアレク…」
「きっと君なら凍てついた神殿を救えるかもしれない」
「凍てついた神殿?」
「我が国の水の女神の守り神が天界と繋がっている神殿です。あの神殿が凍ってしまった事から加護が消えてしまったんです」
神様の肉体は天界にあり、地上にある神殿を介して魂だけが留まるというのは聞いたことがある。
本当に不思議だな。
いや、待てよ。
今ものすごく恐ろし事を言わなかったか?
誰が何所に行けと?
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