百姓貴族はお呼びじゃないと言われ婚約破棄をされて追放されたので隣国で農業しながら幸せになります!

ユウ

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53神の愛し子~アレクside






兄上は男にしては中性的な外見をしており。
か弱さそうに見えるがその逆だった。


慈悲はあれど、外道にな情け容赦がない。

特に女子供に手を出す男を過去に罰しているので、怒るのは当然だ。


「私は苦しみの中に天使を見たんだ」

「天使ですか…」

「ああ、外に出ようと。美味しいものを食べようと言う声が」


言うまでもなくそんな発言をするのはアンリだけだ。


「光が差し込むを感じたよ。私を救おうと必死で声を張り上げている…彼女だったんだろう」


「恐らく」


「彼女は聖女になるのを拒否するならそれでいい。だがね?恩人を苦しめる外道を私が許すと思うかい?しかも女神の加護を受ける乙女は大事にされるべきだ…聖教皇国では神の加護を持つ者に手を出すことは重罪だ」


ここから東にある由緒正し聖教皇国。
あちらは王政というわけではないが、教皇猊下が取り仕切っておられる。


「特に地の女神だぞ。豊穣の女神を侮辱だと?許されないぞ」

「どうしてあんな馬鹿な真似を」


この世に豊穣の加護がなくなればすべての生き物は死に絶える。
大地に花一輪も咲かなくなるのは目に見えているのに、こんな馬鹿なことを。


「何より許せんのはだ…彼女が絵も誰も恨まぬ聖女のような心を持っていることだ」

「兄上…」

「彼女の慈悲に胡坐をかいて、このような無慈悲な」


ああ、温厚な兄上が本気で怒っておられる。



「あの国はもとより、同盟も結んでいない。こちらが弱っていることを理由に無理な要求をして国を侮辱したのだからな?ならば望み通り一切の貿易を断つべきだ」

「よろしいのですか」

「できれば穏便にと思ったが、敬愛するエディー殿を侮辱した以上は黙っておれん」


エディー殿。


兄上が心の師と呼び慕う方だ。


「せめてご遺体だけでも見つけて差し上げたいのだが」


「海難事故と聞いております。ご遺体を探すのは困難です…ですが、せめてアンリの手元に」


「ああ、唯一の肉親だ。できるだけのことをしよう」



俺はこれ以上アンリから何も奪わせたくない。
もし可能ならばエディ―殿ご遺体をちゃんとした形で葬儀をして差し上げたい。


「国葬という形にもできる。あの方はそれだけのことを我が国にしてくださったんだ」

「はい」


「だが、その前にあの国を徹底的に叩き潰そうか。領民もな?」



アンリが眠っている間に恩を仇で返した馬鹿達を裁く準備が進められていたが。


従魔が動いているなんて思いもしなかった。


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