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閑話加護を失った国②
しおりを挟む女神の加護とは言っても優劣が存在する。
小さな加護から大きな加護まで。
これまでアレンドール王国が受けていた加護は炎と風の女神の加護だ。
主に先頭に役立つ加護や治癒魔法だ。
ただし、最高の治癒魔法は水の魔法なのだが水の女神は滅多に加護を与えない。
与えるとしても百年に一度か。
もしくは水の女神と関わった者の子孫ぐらいだ。
「何故あの国に再び加護が戻ったのだ!」
「噂では、新たな聖女は伝説の魔獣フェンリルを従え、現在はあの国にフェンリルが終結し。聖女を主と崇めているそうです」
「何だと!」
「伝説の魔獣フェンリル。東では神獣とも言われている…獣の神にも等しい」
「そしてフレースベルグも手中に収めているとか」
「馬鹿な!」
巨人族と言われるフレースベルグ。
鳴き声一つで猛吹雪を呼び、国一つ滅ぼすことも簡単だった。
双方とも気位が高く人間の支配下に置かれることはまずない。
「どういうことだ。どうやって服従させた!」
「あの種族を人為的に服従させるのは不可能です。自身が認めない限りは」
「では!小娘如きに従ったと言うのか!この私に従わず!」
王は不愉快な気持ちでいっぱいだった。
そもそも加護を得るのも許しがたいと思ったのだ。
「あの使えぬ小娘もだ…加護など得る価値もない」
「陛下…本当にアンリ嬢の遺体を放置してよろしいのですが」
「くどいぞ。時間と金の無駄だ。汚らわしい」
「しかし、加護を持っていた娘ですし。豊穣の加護が消えたのも…もしかしたら」
「必要ない!」
王にとってアンリは既に死んだ人間で、存在すら忌々しかった。
「目障りなシアリーズの血が耐えた。あの領地は私の物になるのだ!」
開国前から存在するあの領地はまだ価値がある。
現に国内で魔物に襲われている中、一番被害が少ないのだから。
「あの領地のどこかに魔石が眠っているはずだ…あれを掘り起こすことさえできれば」
「ですが、兵を派遣させましたが魔石は見つかりませんでした」
「ならば、パンデミックの者達が隠しているのだろう」
どうあってもあの領地には秘密があると信じ込んでいる。
加護を持つ者が住ま量地には多かれ少なかれ女神の加護がある。
そこに加護持ちがいなくても数年は加護は残るのだが、そんなことを王が知るはずもない。
「王命だ。あの領地を掘り起こせ。何だったら火魔法を使って焼け野原にしてもいい」
何所までも強欲な王はとんでもないことを命じた。
結界が破れた今、豊穣の女神の加護のある地はあそこしかない。
もしその地を焼け野原にしたらどうなるか解らないのにだ。
そしてその三日後計画は実行されシアリーズ領地に火を放った直後、大地震が起きたのだった。
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