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58フェンリルの加護
しおりを挟む何所の世界でも犬はソーセージが好きだ。
ただし、塩分が高いの普通の犬はあまり食べさせてはダメだけど。
「アルフ、美味しい」
「ワフ!」
「そうか。そうか」
尻尾を振るあたり美味しいのだろう。
喜んでくれて嬉しいな。
「後でお風呂に入ろうね」
「…ガゥ」
「ジャーキーとソーセージもあげるから」
ただし、お風呂が嫌いなのは一緒か。
水浴びは好きなんだけどシャンプーが嫌いなのよね。
「アンリ、少しいいか…って、何でアルフ達が震えているんだ」
「ちょっと…」
シャンプーが怖いフェンリル事情を話すのは少し気の毒な気がするしね。
「それでお話って何?」
「我が国がフェンリルの国になっているだろ?」
「ああ、フェンリルが集まっているわね」
ここ一週間でその数は100匹を超えている。
既にワンワン王国状態だわ。
「他国でも少し噂になっている」
「やっぱり問題かな?」
種別を問わない国であるが、やはり問題が生じるのかな。
「いや、この際一部の領地をフェンリルの国すべきだと言われてな…兄上に」
「フットワーク軽いな」
何で柔軟な考えなんだ!
「こちらとしてもフェンリルがバックにつけばそう簡単に手を出すことはない。現に外交に関して少し厄介なことになっている」
「厄介?」
「かつて我が国を裏切った国が手のひらを返し、協力を求めて来た。援助しろと」
当初女神の加護を失ったマリンフール王国を早々に見捨て攻撃を仕掛け国として機能できなくした国だ。
普通に考えて協力なんてありえない。
「見返りは?」
「同盟を結ばせてやると横柄な態度だ」
「却下」
政治に疎い私でも却下だ。
そういう連中は大体、すぐに裏切る。
「俺も同感だ。しかし書状だけで断るわけにはいかない。むこうは断らないと思い込んでいる」
「むかつくんだけど」
「ああ、兄上が激怒されて戦争になっても拒否しているのだが…民に火の粉が飛ぶのだけは避けたいと」
根は優しい王子様だ。
国民を第一に考える王様になるに違いない。
「アルフに頼んで脅す?」
「最悪の場合だが…ただ話し合いの場に君を出せと言っている」
「は?」
「二人の女神の加護を持ち、フェンリルを従えているから」
付加価値があると思っているのだろうけど残念なことに私は未だに魔力はほとんどない。
従魔がすごいのであって飼い主はひ弱だ。
「私を利用しようと考えているのね」
「言いたくないが…君を妻に迎えればすべて手に入ると思っているらしい」
何所までも外道なのか。
貴族ならそれが当たり前と言ってしまえばそこまでだけど。
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