百姓貴族はお呼びじゃないと言われ婚約破棄をされて追放されたので隣国で農業しながら幸せになります!

ユウ

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閑話女神の怒り③

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今から大昔の事。
女神を敬愛し、祈りながら過ごす純真な乙女がいた。

その乙女は一日の感謝を祈りに捧げていた。
何かを望むわけではない。

その日の糧を得た後に、今日生きていることを感謝して祈ったのだ。
女神はその純真な思いを嬉しく思い、乙女を見守った。


そんな中、乙女の住まう領地内で他所の領地の者が火を放った。
元より女子供が多い領地で抗うすべもなく、美しい年ごろの娘は攫われ乱暴されたり、歯向かう者は殺されると言う残酷な現実を目にした。


当時祈りを捧げていた乙女は姉と共に留守番をしていたが、家に男達押しかけて来たのだ。
咄嗟に姉が乙女を隠したのだが、姉は妹を守る為に鍬を片手に立ち向かったが陰るはずもなく男数人に乱暴された後に殺されてしまった。


無残な姿で殺された姉の光景を見て乙女は泣き叫んだ。
これまで誰も恨むことも、憎むこともなかった乙女は愛する姉を酷い目に合わせた男を憎んだ。


そして女神に告げたのだ。



「女神様、私は…あの男達が憎いのです。人を憎むのは罪です…ですが姉の命を奪ってものうのうと生きていることが許せません」


乙女はあの男達が他の領地に火を放ち、女子供を攫って自分の欲望の為にやりたい放題していることが許せなかった。


「なんの罪もない人間が殺され、罪深き男達が裁かれないのであれば私は…」


乙女は復讐をしたいわけでもない。
ただ、平和を望み祈りながら生活している人達を踏みにじり生きている男を野放しにしたくなかったのだ。


悪いことをしたのなら裁かれ、反省して欲しい。


そんな思いを抱いていた。


女神は、乙女の思いを汲み取り聖なる杖を与えた。


鍬によく似た杖だった。


「これは聖なる杖です。正しいことに使えば子々孫々と貴女の一族に加護を与えてくれるでしょう」



「聖なる杖…」


「ですが悪しきことに使ってはなりません。人を救う為に使うのです。そして弱気を助け強きを挫きなさい」


その言葉通り、乙女は悪の権力者を懲らしめる為に使えど、自分の私欲の為に使うことはなかった。


そのおかげか、乙女の領地に恵がもたらされ。
後に鍬の形の紋章が祖の領地に刻まれることとなった。


その乙女が一番最初に大地の女神の加護を受けたのだった。


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