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閑話崩れた計画②
しおりを挟む「ああ、それから」
勅使は更に追い打ちをかけるように言い放つ。
「我が国にスパイを送り込んだ落とし前はどうお考えで?」
「スパイ?」
「ええ、聞けばアンリ様の父君の元側近だとか。ご息女の悪い噂を流し、そこにおられるでくの坊のような男の茶番劇に手を貸したそうですね?」
「無礼な!」
「堂々と不貞行為をして、元婚約者の財産を勝手に使う盗人如きに言われたくありません。今は没落貴族でしたか?本当に悪いことはできませんね?」
まくしたてるように早口で責める勅使。
ギョームが口を挟む隙も無い。
「アンリ様は現在四大女神の加護を受けております。我が国はあの方のおかげで豊穣の加護を得て民も皆食べる物は勿論着る服も震災にも影響がありません」
「何だと…」
「女神の加護とは受ける側の心次第で大きくなります」
勅使はアンリが強い魔力もなくとも日々、女神に感謝をしていたからこそ加護を得たのだと理解していた。
「例えどんなにすばらしい加護を持っていても女神に嫌われれば意味がありません。あの方は今日まで一度も女神への感謝を欠くことはありませんでした」
「くだらない…」
「ならば、そのくだらない行為をされているアンリ様に合う資格はありませんね?」
ギョームの失言により国王は待ったをかけた。
ここで面会までも無くなればもう国は終わるし、そうなれば国王の命も危ういのだ。
「これは錯乱しているのだ!」
「では面会の日までに頭を正常にしてください」
勅使が去った後、癇癪を起す国王とそれを既に止めようとしない形だけの騎士や侍従。
既に王宮にまともな騎士は残っておらず寄せ集めだった。
けれど、そんな彼でもこの状況を理解をしていたのだ。
――もうこの国は終わったと。
「ギョーム!貴様は何故説得しなかった!」
「そんな!私に何が…」
「王に逆らうとは何様だ!」
無茶ぶりな国王にギョームは苛立った。
少しでも国王の意に沿わないことを言えば怒鳴られ、かといって黙っていても怒鳴れる。
暴君というよりも駄々をこねる子供以下だ。
「何故あれは従わん!元はこの国の貴族だぞ!大体あの女は何故おらんのだ!」
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少し前に謁見の間に出て以来、姿を見せなくなったのだ。
「あれも加護があるのだろう!なのに何故何もせんのだ!」
「彼女は領地を出ていきました」
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現在領地には両親とわずかな使用人だけだった。
何の役にも立たない国王は苛立ちながらも最後だと命じた。
「いいか!どんな手を使ってでもあの娘を従わせろ!薬でもなんでもいい…既成事実でもいい!」
もう後がないのはギョームも同じだった。
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