令嬢は大公に溺愛され過ぎている。

ユウ

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義母と義妹に陰湿な虐めを受けているが、ただやられて終わりという程大人しくなかった。

「サーシャ様、いかがですか?」

「お色もピッタリね!!素敵」

表舞台で目立たなかったが、義妹のドレスを仕立て直すなど下働きのような真似をさせられた経験は十分に役に立っていた。

「アレーシャはお店を開けばいいのだわ」

「お店ですか?」

「知っていた?私のドレスは社交界でも大人気なのよ」

貴族の令嬢は常に身なりを整え、より美しく見せなくてはならない。
そして、礼儀作法や仕草も美しくなければならないが、外見を磨くことだけを重要視して中身を磨かない令嬢は多い。しかし、そんなのは大間違いだ。


煌びやかなドレスを好む社交界の婦人達はよりゴージャスなのを好むが、アレーシャはリボンや宝石をちりばめたデザインではなくワンポイントのお洒落を重視して、清楚で気品のあるドレスをデザインしていた。

外に出る時も日傘が可愛いけど実用的で品のあるものにしている。

「私のドレスや小物は全部アレーシャの手作りなのにね」

「似たような物を真似ても素材から拘っておりますので」

素材は全てプライム領で生産された物を使用しているので王都のデザイナーがどんなに真似ても同じものは作れない。

ヘアアレンジも緩い編み込みにしてお淑やかさと可愛らしさを演出している。

貴婦人は美しい髪形を維持する為アップにまとめ小麦粉を使うが、髪が痛むのでいいとは言えなかった。

試行錯誤を続け現在に至る。

「サーシャ様」

「ええ」

これから謁見の間に向かうことになっている。
同席する女官に頭を下げる。

「お願いいたします」

「ええ、さぁ殿下」

「ええ」


後は持ち場に戻ることになっている。
静かにその場を去ろうとすると声をかけられる。

「アレーシャ様」

「レオンハルト様?」

声をかけられたアレーシャは顔をあげる。

「まぁ見て…灰かぶり姫ですわよ?」

「婚約者を寝取られて近衛騎士に言い寄っているのかしら?」

「それはないんじゃない?だってあのようにみすぼらしい方ですもの」

ひそひそと話す令嬢や婦人達。
ワザと聞こえるように言っているので質が悪い。

「ここでは目立ちますわ」

「アレーシャ様?」

その場を離れ、二人は宮廷を出て行った。




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