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第二章南の島開拓
28.傍若無人の魔女
しおりを挟む結界魔法により、飛行機は無残にも粉々だった。
「ううっ…私のダーリンが」
「サクラ様、私は三途の川が…ばぁや様?しっかりしてください!」
飛行機の中から奇妙な三人組が現れた。
操縦席に座っていたのは、三つ編みをして大柄の女性と、その後ろには祖母と孫と思わせるような二人組。
「ばぁや?ターニャ」
「お嬢さ…」
「ハイジぃぃぃ!」
危険な何かが向かって来る。
大柄で赤毛の髪をした女が両手を上げて。
「何者だ」
「邪魔だよ。どきな!」
素手で結界を粉々にしてフレディーを猫のように首根っこを掴んだ。
「何をする!」
「私の可愛い姪との再会を邪魔するんじゃないよ」
「は?」
最後まで聞くことなく、フレディーはちいの元に投げられてしまった。
「サクラ伯母様!」
「ああ、可愛いハイジ。遅くなってすまなかったね。竜の討伐を終えて帰還したら邸にはいなくて、馬鹿を火あぶりにして吐かせたら、国外追放になり、あげくの果ては島流しになったと聞いたときは驚いたよ」
「火あぶり?」
「殺してもよかったけど、それじゃあ面白くないだろ?楽に死なせるも面白くない」
不穏な空気が流れるが、北の魔女を怒らせた人間は死ぬのよりも恐ろしい目に合うと言うのは千年前から決まっている。
しかも北の魔女となる者は皆、執念深いので質が悪かった。
「可愛いハイジ、心配していたんだよ」
「サクラ伯母様、私は大丈夫です。それに今は元気にしています」
「何処の馬の骨かもわからない男と結婚する噂を小耳に挟んだけど…私は喜べないよ。だってナンシーの事もあるからね」
アーデルハイドの母ナンシーとサクラは年の離れた姉妹だった。
サクラはナンシーを溺愛していたので、グフタスとの婚姻は最後まで反対していたが、本人の意思を尊重し、最終は許したのだが、それを今でも悔やんでいた。
「母と私は違います。母な望まない結婚を耐えましたが…私は望んで好きな方と一緒になるのです」
「そうか…好きな男ができたんだね」
「はい」
貴族である以上自由な恋愛は許されなかった。
それでも、レイジは無理をしなくていいと言ってきたが、周りの貴族がそれを許さず。
グフタスの実家が強引に婚姻を結ばせるように仕向けた。
社交界とは少しの噂も命取りになる。
ナンシーが優しいのを良いことにグフタスは好き放題して、ナンシーも早くに亡くなった。
あの日の事は今でも忘れられなかった。
あんな男と結婚させなければとサクラは今でも後悔しているが。
アーデルハイドはナンシーが得られなかった物を自分の手で得たのだと思うと嬉しくなった。
とは言え夫を認めたわけではないが。
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