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第四章.魔法学園
2.新生活への意気込み
しおりを挟む新生活スタートにルンルン気分でスキップをするマリーは朝から上機嫌だった。
「お嬢様、スキップをしてはスカートが」
「大丈夫、中にズボン履いてるから」
「ああ…」
頭が痛くなるアンナはスカートの中にズボンを履くとは…と嘆くが、以前はジャージを履こうとしたので、まだマシだと思った。
「これで身軽だし、靴も滑り止めよ」
「滑り止め…」
靴の裏を見せると滑り止めついており、よく見ると学園で指定された鞄以外にポシェットを持ち歩いている。
中には何故か非常用のお菓子に飲み物と園芸用の小さなスコップにロープに軍手等の便利道具が入っている。
「お嬢様、そのポシェットは」
「もちろん無限収納機能付きのポシェット」
「お嬢様、何時の間にそんな芸当を!」
実はマリーは攻撃魔法を一切使うことができなかった。
魔力自体も微弱でショボかったが、結界や空間魔法は得意だった。
空間魔法を使って便利な道具を作れないか考えた末ジョアンナの協力の元、便利なポシェットを作り出した。
「試作品なんだけどすごいでしょ!これならお茶会でお菓子を持ち帰っても叔母様にバレないわ!!」
「お嬢様の考えはそこですか!能力を無駄方向に使っています」
「錬金術科で勉強して魔道具をたくさん作ってやるわ!それで婚約破棄されても食べて行けるように一代で財を築くのよ!」
「だから何故、婚約破棄なのです!それこそありえません」
正式に婚約者として公に発表し、婚約式も済ませているので、よっぽどの理由がない限り婚約が解消されることはない。
なったとしても婚約破棄はありえない。
婚約破棄とは一方が、不義を働いた場合の行われる。
いかに王族でもありえないことなのだが、マリーはあっけらかんと告げる。
「ほら、うちは既に王族に無礼三昧じゃない!お姉様と私の婚約者の取り換え」
「瓶のラベルのように言わないでください」
「しかも、私、色々問題起こしているし」
「まぁ…」
これまでは子供であることで大目に見てもらっていたが、これからはそうとは行かない。
学園に入れば、今までのような非常識な真似をすれば学園からも社交界からも爪はじきにあうのは明白だったのだから。
「それに学園に入れば、私よりも素敵な女性に出会うわよ」
「お嬢様は前向きなのか後ろ向きなのか解りません。お嬢様は確かにトラブルメーカーですが素敵な所も沢山ありますわ。そんじょそこらの令嬢に負けません」
貶しているのか褒めているのか解らない発言を力いっぱいするアンナにへらへら笑うマリーは言い放つ。
「まぁ、アレクシス様には幸せになって欲しいのよ。お姉様にもジョアンナ様や他の皆も」
「お嬢様…」
王都に来て素敵な出会いが沢山あった。
すべてが大切な宝物だったし、これからも宝物を大切にしたい。
「でもね、未来は解らないし…それに、私は婚約者じゃなくなっても王族の皆様が大好きよ。王都に来なければ知らなかったわ…我が国を背負う王族の方々や王侯貴族の皆さんは立派な方なんだって」
王都に来て出会った貴族達は皆、立派な人達だった。
守るために必死に戦う素晴らしい人だッと思ったからこそ、マリーは逆行する前の時間と同じにしたくなかった。
余りにもいじらしい事を言うアンナは涙を流すも、本人は本当に空気を読まずヘラヘラ笑った。
「まぁ、そんなわけだから大丈夫よ!さぁ新生活よ!」
「お嬢様!鞄…鞄を忘れてますよ!」
朝っぱらからボケをかまし、その後、恒例行事のリリアンヌのお小言と正座をさせられたのは言うまでもない。
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