今日から悪役令嬢になります!~私が溺愛されてどうすんだ!

ユウ

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第五章.悪女と聖女

10.母の悲しみ

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オズワルドの命令で、サングリアは早々に勘当されることになった。


しかし、公爵家で大事に育てられた自分がそう簡単に勘当されるとは思っていなかったが…


「お父様が隠居?何故ですか!」

その夜、サングリアは母親に呼ばれ聞かされたのは、とんでもない事実だった。


「旦那様は」この度の責任を取りました。領地の半分は王家に返上することを決めたのです」

「じゃあ…サンチェスト家はどうなるんですか」

「サングリア、母は悲しいですわ。貴女は何時からそんな冷酷な人間になってしまったのです」

「奥様!何を…」

傍にいるエイダも、何を言っているのか理解できなかった。
何故コレットは、こんな冷たい表情をしているのか。


娘に向ける表情ではない。


「マリーの様態を心配しないのですか」

「そんな…ちょっと怪我をしただけでしょう?」

「サングリア!!」


この時、コレットの中で何かが壊れた気がした。

そして、これまで穏やかで優しくも聡明だった母が初めて手を上げた。

「きゃあ!」

「サングリア様!」


手を振りかざし、サングリアを引っぱたく。


「お止めください、なんということを!」

「黙りなさい!」

「きゃあ!」

エイダは、使用人の立場を忘れコレットを咎めるも、今度はエイダが殴られた。


「やめっ…」

「よくもこんな酷いことを…サングリア、貴女はマリーを殺そうとしたのですよ!あの子は大病を患っていたのに…無理をして王都にまで出向いてくれたのに!怪我の所為で病状は悪化…マリーは余命も数年だけだったのに!」

「は?」

「知らせなかったとしても、手を上げ怪我をさせた妹を気遣うこともなく、こんな卑劣な女に育つとは!」


サングリアを何度も叩きながら涙が溢れていた。

「私が…私が間違いでした。貴女は王太子妃の器がないのを解っていながら…」

「私が王太子妃の器がない?」

「ええ、そうです。王太子妃とはただ美しく着飾るだけの存在ではありません。カリスマ性が求められます。なのに貴女は、殿下の学友を平民だと理由で苛め、あげく、地位が低い令嬢を見下した。こんな愚か者に王太子妃の器があるはずがありません」

「私が悪いと言うのですか!」


サングリアは頬を手で押さえながらコレットを睨んだ。


「不義を働いたのは殿下なのに…浮気をしておいて婚約破棄をした殿下に罪があります。私は何も悪くありませんわ…公爵夫人とは名ばかりで何もできない癖に!」

「サングリア…」


傲慢に育ったサングリアは常に自分が正しいと思い込み性格が歪み、穏やかながらも社交界でカリスマ性が欠けている母ですら見下す様になっていた。


しかし、この発言がさらに問題となり。
急遽、急いで邸に戻って来た父と叔母のリリアンヌが聞いてしまった。

その所為で、サングリアの立場はさらに最悪なものとなるのだった。



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