【完結】聖女を愛する婚約者に婚約破棄を突きつけられましたが、愛する人と幸せになります!

ユウ

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第一章光の少年と癒しの歌姫

18隣国へ

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風の知らせの通り天候が一瞬にして荒れた。
幸いにもしっかりした船であったので問題はなかったが船は隣国に行きついた。


「すごい嵐だったね」

「はい、こんな嵐になるだなんて」



空を見てもまだ海が落ち着く事はないと思った。
ここまで天候が荒れるのはおかしいと思いながらも困った事に隣国に来てしまった。


「困ったわ…通行証も持っていないのに」

「面倒な事になったね。引き返そうにも、何時海が荒れるか解らないからね」


また海が荒れだせば危険なので入国したい所だが。


「ああ、心配ないぞ」

「何が心配ないんだい?アンタは役に立たないだろ」

「僕はこの国の生まれだから大丈夫だ」

「そうだったの?」


大大陸の一つで風と海の精霊の加護を持つ国、クローバー王国。
シンボルは四つの葉が特徴的だった。


トランプ王国はトランプのエースが紋章になっている。


「それに騎士団団長は僕とは親しい仲だから大丈夫だ」

「アンタ、嘘じゃないだろうね。信じがたいんだが」

「可哀想に、年老いて人を信じるも気持ちも無くなっているとは」

「お前は私に嫌味を言わないと気がすまないようだね!だったら今すぐ海に沈めてやる」


隣国に来ても二人はくだらない喧嘩を続けていた。


「事故であったが、オンディーヌ…良かったら我が家に寄ってくれ」

「ハッ、アンタの住んでいる家なんてどうせあばら屋だろうに」

レオはお礼をしたいと言いながらその後迎えを呼ぶも、その馬車は。


「これは」

「辻馬車じゃないのかい」

貴族でもここまで立派な馬車に乗る事はない。
見た目も立派だが機能性抜群の馬車にオンディーヌも驚く。


「レオ様」

「ご苦労」

「いきなりいなくなって、大変だったんですよ」

「そうか」


しれっとするレオに対して赤い団服を着た騎士は顔を引きつらせる。


「レオ…そちらの方は」

「ああ、アレクサだ。僕の幼馴染で世話係だ」

「お初にお目にかかります。アレクサと申します」

どう見ても貴族にしか見えない振る舞いと所作にオンディーヌは冷や汗を流す。
何故なら彼胸につけている勲章は青いクローバーだったからだ。

しかも水晶の勲章だった。


(赤い団服は近衛騎士の証…しかも!)


勲章が水晶だった場合、その騎士の身分の高さを表していた。


「さぁ、どうぞ」

「はっ、はい」

馬車に乗るのにエスコートをされ中に入ると、馬車の中は空間魔法が施されていた。


(普通に馬車の中に空間魔法を使うなんて高位貴族でも王族でも少ないわ)


意識を飛ばしそうになりながらも馬車に揺られ耐えていたオンディーヌが向かった先は王宮だった。

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