【完結】聖女を愛する婚約者に婚約破棄を突きつけられましたが、愛する人と幸せになります!

ユウ

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第一章光の少年と癒しの歌姫

24真夜中の涙

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その夜、オンディーヌは真夜中に目を覚ました。
しばらくクローバー王国に滞在し、客人として招かれる形になった。


「眠れないわ」

「ぐぉー!」



隣ではいびきをかいて大の字で寝ているエリー。

「お婆様…」

何処でも眠れるエリーに苦笑しながら、部屋を静かに出て行く。


「この国はすべてが美しいのに…なのに」

空に輝く星を見上げ、海を見つめるも光がない。


「どうしたら…」

この国の問題に口を出すなとエリーに厳しく言われている。

部外者であるオンディーヌは口を挟むべきではないが、このままでは海底が崩壊するかもしれない。

珊瑚が完全に枯れてしまえば、リュミエールは死んでしまう。
リュミエールだけで済まないのだ。


「オンディーヌ?」


「殿下…」

「その呼び方は止めてくれ…と言っても難しいか」

寂しそうな表情をするレグルスに何と言えばいいか解らない。


「ごめん、君を巻き込んでしまって」

「いいえ、他意はなかったと解っております」

「ありがとう」


上着をかけられエスコートされ、バルコニーに出て行く。



「君を巻き込む形になってしまってごめん」

「謝罪など…」

「だけど、老婆殿の言ったように君はこれ以上我が国の事に関わるべきじゃない」

「えっ…」

オンディーヌの思いを見透かしたような表情をするレグルス。


「明後日には船を用意できる。アレクサに頼んでこっそり国を出れるように手配をしている」

「待ってください…私は」

「こんな状況かでなかったら…ゆっくり滞在して欲しかったんだが」


レグルスは急いで国を出られるように手配をしている事に戸惑う。


「老婆殿達に協力を求める声が出ている。これ以上君達を巻き込みたくない」

「ですが!」

「大丈夫だ。今は無理でも…なんとか方法を探す」


そんな言葉信じられるはずがない。
グライアイのエリーやドワーフのジオルドですら方法は二つしかないと言っていたのだから。


「殿下…」


「せめてレオと呼んでくれ」

月の光が差し込む。


「君に会えて嬉しかった」

「レオ…」


一輪の百合の花を差し出される。


「僕は諦めない。国も兄も、全てを諦めたりしない。だからそんな顔をしないで欲しい」


「私は…」

「あの日、君が僕に手を差し伸べてくれた事は運命だったと思っている」


こんな言葉聞きたくない。

まるで別れのような言葉を聞ききたくない。


「どうするんですか」

「誰もが泣かない道を――」

優しくオンディーヌの涙を拭う手が優しくて、その優しさがオンディーヌを苦しめる事になった。





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