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第三章集う光の使者
15リリーの願い①
しおりを挟む王宮に到着した後に一行は手厚く出迎えられた。
王は無事の帰還を心から喜び国の存続を救った事を感謝された。
「良くぞ無事に帰って来てくれた。そして国を救ってくれた事を国王として心から感謝をする。望みがあれば何でも言うが良い」
大勢の貴族や文官の前で感謝を述べる。
「特に聖女よ。此度の事でそなたにはどれ程辛い思いを敷いたか。望みはないか」
「お許しいただけるなら」
「申してみよ」
リリーは膝をつきながら静かに告げた。
「私の願いは一つでございます。役目を終えた後は故郷に戻りたく思います」
「そうか…王宮を去るか。そんな気はしていたからな」
「はい」
リリーは聖女として選ばれて役目の為に王宮に召し上げた。
多くの貴族は王宮に残り王族との縁談を結ぶとばかり思っていたのだが。
「聖女様!貴方様は地位を捨てる気ですか!」
「そうです!」
「そうです!」
静観していた貴族が口を挟むも。
「発言を許可した覚えはない。口を挟むな」
「しかし…」
口を挟んだ貴族は野心家だった。
貴族派ではないが己の保身しか考えない貴族で、リリーが聖女として召し上げられた時に同行していたのだが、冷遇された時代に散々厳しくして里帰りすら認めなかった。
「聖女様を汚らわしい場所に戻す等!」
「私の故郷を汚れていると…酷すぎます」
「既に貴女様は聖職者のトップになられる方。相応しい相手と結ばれるべきなのです」
あんまりないい様に唇を噛みしめる。
リリーは貴族になりたいわけでもなく、聖女になる事も望んでいなかった。
「聖女様の幸せは王宮に…」
「止めぬか!これ以上言う事は許さぬ。聖女への侮辱か!役目を終えた聖女は過去にも王宮を去っている例もある。何より聖女…いや、リリーは既に将来を誓った相手がおるのだ!」
「は?」
「それを引き離すとは言語道断だ。女神の怒りは降りかかるぞ」
リリーに将来を誓った相手を言われ貴族達は騒めく。
そんな話は聞いたことはない。
「リリーよ。そなたはこれまでよく耐えてくれた。これ以上望むことは許されぬ。だが…」
「はい」
「これだけは言わせてくれぬか」
どれ程の苦しみと痛みを与えたか解らない。
王であると言え、無理矢理聖女に召し上げる命令をした事を今も悔やんでいる。
(私は一人の親であると言うのに)
国の為に多少の犠牲は致し方ないと言えばこれまでだが。
王はもしアンジェリークが同じような目に合っていたらと考えた。
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