兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ

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第三章

6氷の微笑み





私の知る限りお母様は包容力と慈悲の女性だった。
例え相手に嫌がらせを受けても最後は情を持って接する優しい人だった。


「私もマリーちゃんの母親には情を持って接して来たのよ」

「あれでですか?」

「ええ、散々娼婦だとか、愛人の癖にだと言われても受け流したわ」


過去の事を思い出すと申し訳なさでいっぱいだ。
あの人は平民であるお母様を毛嫌いしていたから散々酷い事を言っていた。


自分が各上だと言いたかったのかもしれないけど。
お母様は余裕を持って接していた。


公の場でも貶し続けてもキャンキャン叫んでいるだけにしか見えなかった。


「何所の世界に可愛い嫁を侮辱されて平気でいられると?息子を散々馬鹿にして来たんだから」

これまで蓄積された怒りだった。
でも、お母様はこれまで我慢していたのにどうして?


「国王陛下より、あの馬鹿を本格的に排除せよとの命令が来たの」

「「え!」」

国王陛下の命令?


「当然よね?現在国王陛下にその側近の皆様はディアス様と親しいい間柄。ディアス様を悪人に仕立て、復縁を迫るなんて万死に値するわ」

「復縁…」

「あの馬鹿が」


やっぱりあの人はお父様と本気で復縁をするつもりなの?


「法律上女は離縁して再婚するのは直ぐには無理だわ。でも元妻だったら可能なの」

「ですがその場合は真っ当な理由が必要だったはず」


身勝手な離縁ではなくちゃんとした理由があれば弁護士に相談した後に考慮される。
でもお父様が離婚するに至った理由はあの人の身勝手によるものだから考慮なんてされるわけもない。


「ええ…だからこそよ」

「国王陛下の側近として、外交官の代表である義父さんを今さらあんな女と再婚なんて許さないでしょう。本人がその気が無くとも噂が流れれば…」


悪知恵に関しては頭の回る人だ。
このまま領地に残しておくのは心配だと思ったのだろう。


「爵位を奪うだけでなく領地から追い出す必要があるわ」

「追い出すだけではないだろう」


「当然よ」


まだ何かするつもりなのだろう。


「少しばかり現実を思い知らせる為に少しのお金は握らせてあげたわ。屈辱でしょうけど金の亡者の彼女は受け取ったわ」

「「え!」」


お金を渡したの?


「本当に楽しかったわ。屈辱的な顔で私を見ながらもお金を受け取るあの女…悪女って本当に楽しいわね!」

お母様の表情が生き生きしている。
一体どんなやり取りが行われていたのだろうか。


「詳しく聞かせてくれ母さん」

「いいわよ。教えてあげるわ」



ランフォード領地でのやりとりを私達は聞く事になった。
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