兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ

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第三章

20子育てアンリ

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今日も空は晴れている。
そして俺の胃は潰れる寸前だった。


「お味はどうかしらアンリ」

「ああ、甘いな」

「お砂糖の代わりに果物を練りこんだのよ」


乳児でも食べられるお菓子を現在考案中だ。
口の中で溶けるお菓子ボーロは大成功だったが栄養をもっと取れるようにとのことだ。

ちなみに蜂蜜も使っていない。


「このクッキーは実に美味だ。今度の王家主催のお茶会に是非欲しいと言われたんだが」

「公爵様、こちらは子供のお菓子です」

「しかし現在ボーロは国王陛下のお菓子として毎日出ているが」


「ボーロを…」


いやいやないだろ!
幼児のお菓子を食べるのか!


「ちなみに陛下の一番の大好物はカルメラ焼だ」

「カルメラ焼…」

庶民の中でもっとも質素なお菓子だ。
そんな物が好きなのか!


「聞けば学生時代に初めてご友人に作っていただいた思い出の菓子とか」

嫌な予感がした。
学生時代、そして友人と言う言葉に。


考えたくない。
しかも今は、あの方達は揃って会議中だ。


恐ろしい計画を考えているのだろう。


「本当に美味だ。マリー嬢はレシピの天才だな」

「そんな…」

「謙遜なさらないでくださいませ。社交界でも人気ですのよ」


エリアナ様は本当に元気になられたな。
少し前までは引っ込み思案で病弱だったのが嘘のようだ。

今では自信を取り戻しこれまで馬鹿にして来た連中に言い返す程だ。
元より聡明な方だったが、心境の変化があったのだろうか。


「まんま!」

「まー!」


溜息をつく俺の膝でお菓子を欲しがる二人の赤ん坊。

シリルとエリシオン様だった。


「まんま!」

「本当によく食べますね。でももうダメです…こら差し上げてはダメだ」

隣でエリシオン様にボーロを差し出す。
この二人本当に仲が良いな。


「うん、アンリ。君は侍女よりも赤ん坊の面倒を見るのが上手いな」

「ええ…侍女だったら泣くのに」


落ち込むほどではないが完全に喜べないな。


だが、王宮で行われているであろう会議を思い出すぐらいなら癒される方が良い。


マリーは知りもしないだろう。

国王陛下やオリアナ様に母さんがお茶かいと言いながら集まる時は恐ろし事を計画している時だ。

このタイミングでならばあの馬鹿親子を抹殺する計画だが、国王陛下とオリアナ様が関わっている時点で死ぬよりも恐ろしい生き地獄計画を考えているのだろうがマリーには言っていない。


あまり悩ませたくないし、まだ計画の段階だからな。
まだ実行されているわけではない…まだだと思いたいが俺は彼等を甘く見過ぎていた。


母さんがランフォード領地を買い取った時点で復讐劇は本格的に始まっていた事に気づかなかった。


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