兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ

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番外編

シェパード②

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階級制度の所為で、俺は身の丈に合わない生活を強いられこんな田舎で一生を過ごすなんて耐えられない。


貴族と平民が同じ場にいるなんて。
だから舐められるんだ。


「お父様、見てください」

「マリー。もうこんなに理解をしたのか。将来が楽しみだ」

「ディアス様、ご息女は大変勉学に熱心です」


なのに、未だに貧しい教会の神父や修道女と親しくて我が家の名前に泥を塗り続けていた。


「あんな連中と関わるなんて」

「これではますます笑われるじゃないか」


物心つく頃から俺は子爵家の子息である事に嫌気がさしていた。
何度か王都に出向いた時に目にした煌びやかな生活をする宮廷貴族。


彼等のような暮らしが相応しいのに、敵わず。
高位貴族だけが招待されるお茶会、俺も出たかったが参加は出来なかった。


我が家にも招待状が届いたが、父は断った。
同時期に隣の領地で火事が起きて、参加どころではないと言い出した。


「そんな何故!」

「隣の領地が危機的状況だ。それに船も出せない状況だ」

「そんなの…」


「だったら陸路からでも」

「どれだけ時間がかかると思っているんだ。そんな旅費を出すお金はない」

「だったら寄付を辞めて領民に出させればいいじゃないか」


そうだ。
不作だからと税を安くしたんだからその恩を返させればいいじゃないか。


「少しは潤っているんでしょ」

「そうだ、マリーに使う無駄な金を…」

「シェパード。お前は妹の教育の資金を無駄だというのか…何様だ」


そっちこそ何様だ。
当主に慣れたのは母上のおかげで自分自身では何もできない癖に。

「父上だって自分で何もできないじゃないか!どうせマリーなんて役に立たないんだぞ」

「そうよ…」

「だったら自分で稼いで自分の力で行け」

「は?」

何でそんなことを言われなくてはならないんだ。


「妹を思いやれない人間に育つとは…私の教育が間違っていたか」

「お父様…」

「マリー、何も気にしなくて良い。そろそろ教会に行く時間だ。準備をしなさい」

「はい」


俺に冷たい視線を向けながらマリーに対しては優しい目で見る。


「ディアス様、ごきげんよう」

「伯爵夫人…」

「ミサに行くのでよろしければご一緒にいかかです?」

「ありがとうございます」


背中を向け俺を見ようとしない。

出来損ないのマリーを可愛がることが許せなかった。


だから腹いせに。


「こんな汚い物を置くな!」

「止めてくださいお兄様!それは大事な聖書で」

「兄に口答えをするんじゃない!」


マリーの聖書をビリビリに破いて暖炉に放り込んだ。
泣くのが鬱陶しいから空き家に閉じ込め鍵をかけてそのまま放置してやった。

少しは反省すればよいと思った。


なのに…


「シェパード!妹になんて事をしたんだ!」


仕事で一日邸を空けていた父上は夜に戻るなりマリーを抱いたまま俺を怒鳴った。
後からギルドの連中がマリーを助けたと聞かされ更に苛立った。



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