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序章ヒロインの親友として転生
3前世
しおりを挟む昭和から令和に変わる最中、不景気真っ盛り。
飲食店業界は不況故に、潰れて行くのが当然だった。
そんな最中人情溢れる下町の洋食屋グレーテルのかまど。
そこで働く一人の料理人がいた。
それがリーシェの前世だった。
大正時代からある洋食屋で老舗だった。
物心つく頃から店のかまどが遊び場だった。
食べる事が何よりも好き幸せと繋がっていたのだ。
(そうだ…私は)
前世を思い出し、誰かに強く名前を呼ばれた。
「リーシェ!」
「あっ…」
目を覚ますとそこはベッドの上だった。
「大丈夫?」
「うん…大丈夫」
本当は全然大丈夫じゃない。
「本当にドジね。私の話の途中で頭をぶつけて…まぁ驚くのも当然だけど」
満足げに語るアリーシャは得意げに話し始める。
「この世界はね!乙女ゲームの世界なのよ…私の前世で流行っていた放課後のシンデレラなのよ」
(なんつータイトルだ。センスの欠片もない)
生前、文学を好んでいた傍ら。
センスのないタイトルにげんなりするアリーシエ。
「それでアリーシャがヒロインって…そのゲームの主人公って事?」
「そうよ。物わかりが悪いのに…今日は冴えているわね」
(前世の記憶を取り戻すと性格が変わるのかしら?)
以前アリーシャは少し無神経な所があるが、ここまで傲慢ではなかった。
ただ、自分が孤児であることを嘆いていた。
それというもの孤児であるせいで辛い思いをして、周りから憐れみの視線を向けられるのが嫌だったからだ。
負けん気の強い性格で、孤児だから馬鹿にされる子供達を守っていた。
(もしかしたら…)
苦しさと寂しさと辛さ故に心が悲鳴をあげて、前世の記憶を取り戻したのかもしれないと思った。
「ゲームでは王子様と恋をして幸せになるの。略奪愛、逆ハーレム何でもありなのよ!」
(まずい…)
アリーシャは現実とゲームの境目が解らなくなっている。
物語やゲーム上ならば許されるが、現実でそんな真似をしたらどうなるか。
「アリーシャ、ゲーム上のでのご都合主義は現実では糾弾されるわよ」
「は?」
「大体、ハッピーエンドで終わなわけないでしょ?ゲームでは都合よく書かれてもその先は現実よ」
このままゲーム通りに行って本当に幸せになれるとは限らない。
リーシェは現実主義だったのだから。
「ちょっと待って…リーシエも転生者?」
「今の衝撃で思いだしたわ。私はゲームは知らないけど。あれでしょう?主人公の都合の良い様に恋人から略奪した悪女に優しい世界でしょ?」
「悪女…」
リーシェは乙女ゲームを現実にすればどうなるか、事細かに語る。
夢見がちな少女の夢を壊してしまう行為であるが、親友の未来の為に心を鬼にした。
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