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第一章
8キャスティ商会
所変わってとある商会にて。
殺伐とした空気が流れ、この商会の会長が頭を抱えていた。
「なんて真似をしてくれたんだ!」
「でも!」
「よりにもよってお客様の婚約者を寝取り不貞行為を行うとは。お前は私に何の恨みがある。挙句に結婚式を我が商会に依頼するとはどういう神経だ!」
キャスティ商会は多くの貴族からの信頼も厚く。
大貴族が利用しており、結婚式場の手配に、服飾を専門に商売をしている。
服飾店の中で一番なのはウェディングサロンだった。
貴族令嬢の花嫁ドレスのオーダーメイドから、当日の式での演出も手掛けている。
今回、宰相の妻。
ウルリーケ・アルファード。
社交界でも強い影響力を持っている事から数多の商会はウルリーケに一目置いている。
特にキャスティ商会はウルリーケに恩がある。
「我がキャスティ商会の大恩である宰相閣下の奥方が懇意にしておられる令嬢の矜持を汚し、社交界から追放させるとはどういう了見だ!」
「私はそんなつもりはありません…ただ私はランドルフと!」
「お客様の婚約者を誘惑するプランナーが何処にいる!我が商会の顔に泥を塗り挙句の果てに、カナリア様の代わりに式を挙げるとは正気の沙汰ではない…クビだ!弁護士を呼ばせてもらう」
「弁護士って…」
まるで訴えると言っているかのようだった。
「当然だろう?カナリア様は当人同士の問題と仰せられていたが通常なら婚約者のいる男性と肉体関係を持ち、不貞行為した場合慰謝料を請求される」
「私は不貞行為なんてしてません。本当に私達は愛し合って」
「愛の為に理を無視してやりたい放題か…こんな外道を雇うとは」
心底後悔しながら呼び鈴で使用人を呼び出す。
「お呼びでしょうか」
「マーク、この女を店からつまみ出せ。それから父親に連絡しろ…今回の事は必要ならば裁判にすると」
「待ってください!私は…」
「早く出て行くがいい、寄生虫か!」
今まで厳しい事を言っても愛情深い商人であり、父親代わりの如く可愛がってくれたのに。
「旦那様!待ってください」
「さぁ、行きますよ!」
嫌がるエミリーをそのままキャスティ商会からつまみ出したが、噂は広まり。
客に手を出す従業員がいる商会を利用する客がいるはずもなく。
キャルティ商会に結婚式のプランナーを頼んでいた客達は揃ってキャンセルをした所為で大きな損失が出てしまった。
勿論、エミリーは解雇になった後に。
弁護士を立てることになったが問題が生じた。
エミリーの父親は責任を放棄したのだった。
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