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130帰国
しおりを挟む長い休暇を終えて帰国した私達。
「お疲れでしょう、お二人共」
「お帰りなさいませ」
王都に戻ると馬車が待機していた。
「ジョイル、マヤ」
二人が迎えに来てくれていた。
「そろそろと思いまして」
「長い間悪かったな」
「いいえ、とんでもございません」
邸の留守は心配していない。
むしろ私がない方がきっちり管理されているような気がする。
カスティージョ家にいた時もその後も邸の管理やら生活に関する事もジョイルに任せきりだったのだから。
「お元気そうなお姿が見れて安堵しました」
「ああ、いい旅だった」
「そっ…そうですね」
言えない。
恥ずかしくて言えないわ。
だって旅の大半が旦那様とあんなことをしていたなんて。
こうして邸に帰ると使用人に迎えられその夜は私達の体調に合わせた食事だった。
実は言うと旅行中はご馳走が多かったので素朴な食事が恋しいと思っていたのだけど。
「うん、悪くないな」
「うわぁ!」
「バルト様!」
何時の間に我が家の食卓に。
…と言うか本当に一緒に帰って来たの?
まったく気づかなかった。
「これが薬草料理か。うん、悪くない。侍女殿、スープお代わり」
「はっ…はい」
「マヤ、聞かなくていいぞ!バルト、人の家で堂々と食事をするな」
「そうだ。この薬草の入ったエールも頼む」
「聞けよ、人の話を」
ああ、完全にバルト様のペースだわ。
それにしても薬草サイダーをそんなに気に入ってくれたのかしら?
体にいいけど、お酒を好まれるのであれば物足りなさを感じないかと思ったのだけど。
「程よい庭に、広すぎない邸は実に及第点だ。公爵家は広すぎて面倒だ」
「そうか、そんなに私に喧嘩を売りたいのか」
「何だ?褒めているんだぞ。侍女殿パンの追加だ」
「はっ…はぁ」
「だから人の家で食事をするな!」
よく食べる人ね。
旅行中に食事を一緒にしたけど、小食でお酒ばかり飲んでいる印象が強かったのに。
「ここの食事が美味だからな」
「え?」
「顔に出ているぞ」
読心術も使えるなんて恐ろしい人だわ。
「友よ、実に面白い奥方だな」
「そうか、今すぐ外に出ろ。切り刻んでくれる」
「旦那様‥」
既にこれはじゃれ合いか。
でも、随分と激しいコミニュケーションだわ。
もしかしてこれが男同士殴り合いをして友情を確かめるというものなのかしら?
奥が深いわ!
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