ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第三部騎士科の道

12.協力者の協力者

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ギャラリーが増える続け、礼拝堂はもぬけの殻状態だった。


「ここだな」

ユランはあるものを探すべくあの日から一人で動いていた。


(しっかし…)

ポリポリと頬をかきながら未だに驚く。


(浮世花されしていると思ったが…まさかな)


アルスター家は貴族の中でも名門だった。
貴族間の間では大貴族と呼ばれるには四大以上続き、尚且つ功績を残し勲章を授与された一族に与えられるのだ。

名前だけの貴族や、財だけの貴族には大貴族のと名乗ることはできない。


アルスター家は申し分ない程の功績を上げている。
祖父のジェームズは領主としての改革を行い、王都を潤し、ロバートは優れた騎士として。

国に貢献をしている為王族からの信頼も厚い。
その為疎まれることも多々あるのだが、そんなのは一部に過ぎない。

ただ厄介なのは、中途半端に身分がある人物だった。

そのうちの一人がノーアンだったが、彼は所詮は成り上がりで大司教にまでなったはいいがさ左遷され、中央神殿や王立神殿から外されたのだ。


だが、頭が回るので根回しが上手く、学園に顔の聞く貴族に上手く取り入り、過去のことを悔い改めていると態度に表したのだ。


(ほーんとやってくれたよな…あのデブ大祭司)


ただ、すべての聖職者を欺くことは出来るわけもなく。
大祭司長や教皇に神官長が気づかないわけもない。


「えーっと…あった」



祭壇当たりを触ると一部分だけ動く場所があり、そこに隠されている花を見て顔を顰める。


「証拠品がザック、ザックだな」

誰にも見つからないように隠されている品々に、裁断前に飾られている香炉から焚かれているお香。


「これで精神を刺激していたのか」

思った通り読みが当たる。


「あの時、微かに香ったんだよな」


ルークが突き飛ばされた現場に香る嫌な香り。


「嫌がらせが酷くなった時期に変な香りが所どこにしていたんだよな」


早い段階から嫌がらせに関して妙だと思った。
陰口やモノを隠したり、情業で態々恥をかかせる行為までならそこまで気にしなかった。


ヒューバートがしていた嫌がらせ程度ならば…


「だが、殺人未遂までするなんておかしいだろ」

万一にでもエステルが事故で亡くなった場合、調査が入り疑われるリスクを冒すならばクラスで爪弾きにする方が効果的だ。


まがりなりにも厳しい入試を潜り抜けて来たのだから。


「まぁ…嫌がらせをする時点でアウトだけどな」

ユランは証拠品を集め静かに礼拝堂を出て行こうとした時だった。


足音がこちらに近づいていた。
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