ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第八話父と娘、愛の死闘

4.ポジティブ

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ユラン曰く、クロードが万一婚約の許しが貰えないならば身を引くつもりでいたと思ったいたらしいが、誤解だった。

クロードは、万一に出も血筋と肩書がネックになるなら養子縁組をしてもらい、貴族派と敵対する親族に手助けしてもらおうと考えていた。

それでもなお無理なら駆け落ちでしてでもエステルと一緒になるつもりだった。


ただし駆け落ちと言っても、別にいなくなるわけではないのだが。


「お前、馬鹿だろ」

「言うな。後はロバートの弱みをいくつか握ってある。交渉に使うか…最悪俺の権力を使うかだ」

「最悪だろそれ」

姑との関係は崩れてしまう可能性がある。
だがクロード程の身分なら本来は可能であり、ロバートがどうこう言うことはできないのだ。


「ただ、ロバートの気持ちも解らなくはない」

「はぁー…」

結局クロードはロバートの心を無視できないのだった。
変なところで真面目でお人好しだった。


「最悪の時だ。エステルが泣くだろ」

「結局そこかよ!!」

クロードの優先順位はエステルだった。


「そんな悠長なことを言ってていいのかよ?このまま王太子殿下の側妃に収まったら厄介だぞ」

「何だと!」

「わぁ!」

聞き捨てならないことを聞き、クロードはユランの胸ぐらを掴んだ。


「いや、護衛騎士が女なら…ありえるだろ」

「決闘を申し込むか」

「おい、未来の王位継承者に何考えてんだよ!」


普段は弟思いの良き兄は何処に行ったのか。


「男は常に戦う生き物だ」

「お前の頭がおかしいからだろ!」


「世の中頭の狂った人間ばかりだ」

「開き直るなよ!」


ユランは疲れた。
クロードの補佐役なんて疲労が溜まるだけだ。


「つーか、侯爵閣下をどうやって説得するんだよ」

「ロバートの不安要素を取り除けばいいんだが…難しい」

貴族派がクロードを抱き組むために息がかかった王女を差し向けるのもそうだが、このままではエステルの身が危ない。

ただでさえ王族暗殺未遂事件でエステルは貴族派から恨まれている。

あの事件で毒の出どころが判明し、関わった貴族派は罰を与えられ財産も領地も奪われてしまった。

完全に貴族派に目の敵にされた状態で、さらには王太子と王太子妃の護衛騎士となれば面白くないだろう。

あの手この手を使って嫌がらせをされるに違いない。


「ロバートの言うことも一理ある。常に危険な状態になるエステルを守れるか…口先で言うのは簡単だが」

簡単に頷けなかったのは自身がなかったからじゃない。
クロードが守り切る自身も覚悟もあるが、口で言っただけでは納得させることができない。


「今年中に式を挙げたかったが…難しいか」

「おい、婚約もしてねぇのに気が早すぎだろ」

「悪いか?」

普通、王族との婚儀は婚約してから一年以上の準備期間を設けられるのが通常だった。


一般的常識なのだが。


「実習が終ったらエステルはまた王都を離れるだろうが」

クロードは離れている間も不安があった。
ならば早く婚約して、学園に戻る前に結婚式もしておきたかった・。



「高位貴族と関係を持ちたい馬鹿は多いからな」

「だからってな…もういいわ」

真面目に付き合うだけ疲れると思ったユランは脱力した。
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