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第九章辺境の聖女
16.陰謀の手
しおりを挟むメトロ学園で騒動が起きている中、王都でも貴族派が動きを見せていた。
「このままでは厄介ですぞ!」
「あのアルスター家の小娘の所為で王族派は勢いを増している!」
「メサイヤ家とリュミエール家が増長しているではありませんか」
貴族派達が集まり秘密で会議をしていた。
参加している貴族達は貴族派であり反王族派で筆頭をバルトーク公爵だった。
「第一王子の妃を貴族派にと思っていましたが計画は狂いました」
「王太子を傀儡にする作戦もです!」
全ての計画は狂わされてしまった。
元から敵国の皇女を王太子妃に据え置く計画は崩すことはできなくとも王妃などお飾りに過ぎないので貴族派から寵妃を迎え、その後に王太子妃を始末することができればよかった。
いかに戦上手の女帝の娘とは言えど、相手はまだ子供。
政治にも疎く世間知らずだったので御しやすいと思っていた。
国同士友仲が悪かったので、簡単だったが、彼等が予測しなかった出来事が二つ。
エルラド帝国の女王、クローディアがエステルを信頼したこと。
そして王族暗殺未遂事件を阻止したエステルが王族だけでなく無所属の貴族から支持を受けたことが彼等の立場を悪くした。
王族暗殺未遂事件を阻止したことにより宮廷に仕えていた侍女は下町でも噂を広め、身を捨ててまで王族を守った真の貴族だと平民にも噂を広めたのだ。
女性は噂好きでおしゃべりなので、その噂は尾ひれが付き止めることもできなかった。
「あの小娘は既に敵国を味方につけ、王族からも絶大なる信頼を得ています…このままでは!」
「そうです!先日の決闘でも、侍女達がうわさを流し、女神の祝福を受けたとまで言われているのですぞ!」
くだらない茶番劇だと怒鳴り声をあげるが、茶番劇ですまなくなっている。
「既にリュミエールこの小娘が動き出しています!」
「なんと小賢しい小娘が!」
まがりなりにも公爵家の娘では簡単に手を出すことは叶わず、どうすればいいか解らない。
「狼狽えるな」
「公爵閣下!」
「まだ手札は残っておろう…あの娘を使うのだ」
エステルを追い落とすために用意した手札を利用しない手はない。
「ですが…」
「あの娘では事足りません」
バルトーク公爵が用意したあの娘を思い出すも全員浮かない表情をしていた。
「あの娘にすべてをこなせなくともよい…あの娘さえ消してくれれば後は用済みだ」
暗闇の中で笑みを浮かべる。
「そうであろう?」
沈黙を守る一人の聖職者に問うと、彼は不敵な笑みを浮かべてる。
「流石公爵様は恐ろしい方だ」
「聖職者でありながら、我らにシナリオを用意してくれた司祭殿に言われたくないがな」
「くくっ…そうですな」
闇が月を大隠すかのように闇が深くなろうとしていた。
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