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第十学園祭の騒動
11.一致団結
しおりを挟む明らかに何もない所で転び、エステルが足を引っかけるには距離があり過ぎる。
「どうして…こんな酷い事ばかりするんですか」
涙を流しながらか弱い令嬢を装うも、クロードは冷たい目で見る。
(コイツ馬鹿だろ)
基本女性には紳士的なクロードだが、アリアナに対しては嫌悪感丸出しだ。
「おいお前」
「はい…」
か弱く健気な笑顔を浮かべるアリアナは笑みを浮かべる。
(フッ…ちょろいわ!)
視線が合ったことで魅了魔法を使おうとしたのだが…
「ウソ泣きをするならも少しちゃんとしろ。演技も中途半端だぜ」
「え?」
ピシッと固まるアリアナを無視してエステルの元に向かう。
「エステル、休憩は何時だ?」
「えっと二時間後…」
「行って来ても良かよ。今は客もおらんと」
荷物を運んでいたサブローが休憩に行くように伝える。
「でも、まだ始まったばかりで」
「エステルさんは準備もしてくれたと、良か」
「悪いなサブロー」
気を使ってくれたサブローに感謝するクロード。
「いいっちゃ。その代わりあの女から守って欲しか」
「ああ、任せろ」
サブローは不安そうにアリアナを見る。
また何かしかけられたらたまらないので、この際クロードに連れ出してもらって方が安全だと思った。
「まっ‥」
去っていくクロードの後を追いかけようとも、サブローが壁になり立ちふさがる。
「席に案内すると」
「ちょっ…」
「お席にどうぞ」
「えっ…ちょっと!」
有無を言わさずアリアナを連行していくサブローは一番奥の席に案内し。
その後、一番体格のいい男子を給仕役にして接客をさせて、アリアナは動けなくなるのだった。
「ナイスよサブロー」
「一番ナイスはナポレオンと」
「「「え!」」」
サブローが指さす方向を見ると、銀色の糸がいたるところに張られているのを見つける。
「見えない糸で拘束して動けなくしていますね」
「直ぐ切れるけど、時間は稼げそうですね」
「「「天晴ナポレオン!」」」
タイミングよくナポレオンがアリアナを拘束したおかげで事なきを得るのだった。
「あの女怪しか」
「アンタもそう思うの?」
「恐ろしか…」
自然の中で生まれたサブローは人より悪い気に敏感だった。
森には悪い気を放つ精霊もおり、常に気配に敏感だったが、アリアナはかなり異質だった。
「あの女…似てると」
「似てる?」
「悪い妹とどことなく似てると」
冷や汗を流すサブローにミシェルも頷く。
アリアナは異質過ぎる。
占いで何度も見ても魂を見ることができない。
「とにかく今は、あの子から引き離さないと」
「はい」
「アンタも一人になるんじゃないわよ」
エステルも芯の愛だが、アリスもアリアナに敵意を向けられている。
(あの女を警戒すると同時に…)
もっと警戒しなくてはならない人物がいる。
「エドワード様、何故貴方様自らいらしたのです」
「流石ミシェル、勘が鋭いね」
笑みを浮かべながらも目が一切笑っていない。
その意味が何を示すのか。
ここ数年で王太子としての資質を見せているエドワードに尊敬の念と恐れを感じた。
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