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最終章運命の先
38.とある公爵令嬢の結末
しおりを挟む「とっても綺麗よエステル」
ヴェールを上げ、娘の姿を見て涙を浮かべるヴィオラは今日嫁いでいくことを寂しく思いながらも嬉しく思った。
「幸せになるのよ」
「はいお母様」
思えば短いようで長い道のりだった。
辛く険しい日々は何度もくじけそうになって心が壊れそうになった。
けれど、その先に在るものに手を伸ばした先は必ず明るい未来が待っている。
「さぁ行きましょう」
「花婿殿が待っている」
ロバートにエスコートされながら、愛しい人の元に向かう。
ゆっくりとした足取りで向かった先にはクロードが待っていた。
「クロード殿、どうか娘をお願いします」
「はい、お任せくださ・・・わっ!」
エステルに渡す直前に腕を掴み耳打ちする。
「何かあっあたら我が騎士団が貴方を地獄まで追いかけますのでお忘れなく」
「おい、全然認めてねぇだろ」
「泣く泣く許したのです。身分とは本当に悲しいモノ…ぐふ!」
「いい加減になさい」
背後から杖で殴られるロバートはそのまま倒れて連行される。
「母上…」
「往生際が悪くてよ。さぁエステル」
「はいお祖母様」
未だに諦めようとしないロバートを引きずって行く。
「結婚式が終るまで拘束して下さい貴方」
「ああ…結婚式に異議あり何て言いそうだからな」
(本気で言いそうだな)
神父の前で行う結婚の誓いの前で意義ありなんて言われたらぶち壊しになるのは確実だった。
「ガブリエルに感謝だ」
「お父様…」
こんな日まで期待を裏切らない父だった。
大勢が見守る中二人は神父の前に行こうとしたが…
「ハッ、来たか愚民共」
「「は?」」
何故か神父の恰好をしたのヒューバートがいる。
「何でお前が」
「当然立候補したのだ!俺が立ち会ってやることを心から感謝するがいい!なーはっはっ!!」
「「最悪だ…」」
何が嬉しくてヒューバートの前で愛を誓わなくてはならないのか。
間違っても祝福ではなく呪われるのではないかと思ってしまう二人だった。
「ヒューバート」
「はぃぃ!さぁお二人共前に」
しかしまだ見習い故に一人でというわけにおいかず監視役がいた。
「あれが司祭長か」
「なるほど、ヒューバートはまだ見習いですものね?安堵しました」
安堵した二人は前に進んで行く。
「クロード・モントワール、貴女はここにいるエステル・アルスターを、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、妻として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?」
「はい誓います」
「エステル・アルスター貴女も誓いますか」
「はい誓います」
二人は微笑み合い誓いを言葉にしヒューバートは再び声をかける。
「この結婚に意義のあるものは手を上げてくださ…」
ふと客席を見ると手を上げている人物がいる。
「おい、どうする気だ」
ヒューバートは小声で二人に告げる。
二人は振り向かなくても大体想像がついていたので見る気にもなれなかった。
案の定席では必死に手を上げようとしているロバートをヴィオラとガブリエルが必死に抑え込んでいた。
「道は遠そうだな」
「ええ、でもこれからですよ」
「ああ」
二人笑顔を浮かべながら誓いのキスを交わした。
「おいぃ!まだ言ってないだろ‥しかも聖女様の前で長々とするな!」
二人は誓いのキスの指示が入る前に勝手にキスをしておりヒューバートは真っ赤になって怒っていた。
「結婚式の段取り無茶苦茶だな」
「ええ」
「それに長いですね」
「僕見ていられません」
「流石兄貴と!」
「まったく」
彼等は呆れながら苦難の道を歩き続けた二人の幸せが末永く続くことを願った。
3年後エドワードが王位に就き、その後も外の世界で戦争は続き同盟解消は続きながらもエルラド帝国との同盟は解消されることなく王と王妃は国を治め、国民からも慕われ続けた。
その裏で幾度かの裏切りや反乱分子はいたが、後に最強夫婦と呼ばれるこの二人と。
英雄と呼ばれた団体により国が乱れることがなくその後、エドワードは歴代でも最も長い間王座に就くことになり。
伝説となり、彼等が幸せだったかは本人のみにしか解らなかった。
(完)
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