聖女の妹は無能ですが、幸せなので今更代われと言われても困ります!

ユウ

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145悪魔の動力源





瘴気は既に浄化された状態で黒い百合は消えていた。
悪魔の魔力は既に風前の灯状態で、足元に小さな小人がいた。


「何だと!何故だ」

「悪魔ってこんなに小さなかったんだ」


こうなると怖いなんて感じない。
でも、何でこんなに小さくなったんだろう?


「貴様が魔力を奪ったからだ!」

「奪った?」


私はそんなことをした覚えはない。


「恐らく悪魔の動力源ね」

「え?」

「母上の言うとおりだ。基本悪魔は人の憎しみや負の感情をエネルギーにしている」

それは私も聞いたことがある。


「お嬢様が悪魔を翻弄し神経を逆撫でしている所為でしょう。まさに水と油ですね」

「春麗…何でボキボキしているの?」


皆も解放されたのか。
春麗は関節を鳴らしている。

「この程度なら私でもなんとかなりますわ」

「春麗…」

この顔は…悪人顔だ。


ボキボキと関節を鳴らしながら悪魔を掴む。

「何で掴めるのよ」

「手に魔力を込めています。清の国では気を使います。このように」

「ぎゃああ!」

「手で触れることができない妖に触れることは可能…よくもふざけた真似を」

「やめてぇぇぇ!」


ああ、握りつぶす音が聞こえる。
悪魔の悲鳴が響くけど、握りつぶす酒ではだめだと思うんだけどね。


「マリア様、封印を」


「えっ…ええ」

「二度と地上で悪さができないように…と言いたいけど」


「「「無理だろ!」」」


悪魔は人の悪意により、力を得る。
人間が闇を、欲望を捨てる事はないだろうし、完全な封印はできない。


「物理的排除でも問題ありませんわ」

「とにかく封印します」


マリア様が悪魔を封印した。


光に包まれた悪魔は石になった。

「やっぱり石になるんだな」

「これ、どうしますか?」

「サーシャ、頼むから海に投げ込まないでくれよ」


そんなことをする気は一切ないけど、どうすべきか。


「この石、数百年後には封印が解けるんでしょ?」

「ああ…」

でもその時は聖女はいない。


だって、マリア様を最後にするのだから。


「きっと悪魔は人の心から消えることはないかもしれません」

「サーシャ様」

「人の心に光と闇があるようにずっと…」

心の中でぶつかり合っている。

でもその一方で闇に負けない力もある。


「もしかしたらまた悪魔は復活するかもしれない…でもその時に立ち上がる人がいるのではありませんか?それは聖女ではありません…この世界の人間です」


異世界の少女に丸投げするのではなく、この世界で生きる人たちが己の力で。


そうすればきっと未来は切り開かれる。

そう信じている。


信じていたい。


感想 142

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