別離宣言!屑野郎と婚約なんて御免です。お義姉様は私が守る!

ユウ

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第二章新生活

1.新天地

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婚約破棄騒動が起きて一年。



とある町にて
店では大柄のパン職人が今日も大量のパンを焼いていた。


そのパンをこっそりつまみ食いする手が見える。

「ちょいとリリー。つまみ食いは許さないよ!」

「うぐっ!」

「アンタ、服の中にこんなに隠していたのかい!」

「バレたか…」

「アンタって子は!」


こパン屋の女主、マリラが怒鳴り飛ばす。

「あはは…つい耐え切れなくて!」

「さっきパンを食べたばかりだろうが!どんな胃袋してんだよ!」

「そう怒るなよマリラ」

「アンタは甘すぎなんだよ!」


王都をすぐに離れた後に日雇いの仕事を転々としながら行き着いたの北の最果てと呼ばれるゴローニャだった。


王都から随分離れてた田舎だった。


「んー今日もパンも最高」

「食べながら話すんじゃないよ。全く」

「こんちわ」


マリラが怒っていると一人の少女が届け物を持って現れる。


「コーデリアじゃないか」

「侍女長からワインを届けるのように言われまして」

「姉様!」


パンを頬張りながらコーデリアに駆け寄る。

「アンタはパンを離しな!」

「嫌です、離したら没収するじゃないですか!」

「あのねぇー」


低次元な争いをする二人を見ながら苦笑する。


「姉様狭い所だけでゆっくりして行って!さぁ、座って」

「アンタが仕切るんじゃないよ」

「いいじゃないかマリラ」

「アンタもリリーを甘やかすんじゃないよ!」


賑やかなやり取りにコーデリアは笑みを浮かべた。
以前ならばこんな穏やかな暮らしは望めなかったのに、今はとても幸せだった。


「大体ね、パンばっかり食べてら栄養が偏るよ」

「ダーリンの作るパンは天下一品です」

「まぁ…そうだけどね」


ここ、北の領地で一番のパン職人と呼ばれるラスティ―は貴族の邸にて専属のパン職人として招かれていた。


武骨で酒好きであるがパン職人として誇りを持っていた。
実はこの二人、幼馴染だった。


下町で幼少時代を共に過ごしたのちに、リリーは侯爵家に引き取られ。
ラスティ―は両親と共に北の領地リーツベルトに移った。


そして数年後、ラスティ―はパン職人として貴族の邸で働いていたのだが、偶然邸で再会を果たしたのだ。


「侯爵家に引き取られたと思ったら追い出されって聞いたときはびっくりしたよ」

「やっぱり、堅苦しいのは会わないのよね」

「アンタは大人しくお姫様にはなれやしないからね…ただ、姉さんも一緒ってのには驚いたよ」

「イェーイ!」

「イェーイじゃないよ!」


無駄にテンションが高く元気なリリーに呆れながらも見守るマリラは困った表情をしながらも世話を焼いていた。


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